第45話 魔王襲来


王城の舞踏が行われる予定の大広間に向かっていた国王ライトはプレッチャ侯爵の報告に仰天していた。


「ハーディスの次男が討たれたじゃと!?」


「討たれただと戦争で死んでしまった見たいじゃないですか!?【撃たれた】です!何でもベルトのバックルに仕込んでた小型銃で…」

プレッチャ侯爵は国王ライトに怒気を含め再度報告する。


「銃?えっ?銃って、アレじゃろ?ラッパみたいな…いや、それより…そっ、それで?ハーディスの次男の容態は…!?」


「あっ、いやぁ、そ…それが分かりたくても分からなくて」


「はっ?どういうことだ!?」


「ハーディス家の控え室にいるらしいのですか辿り着けないんです」


「はっ?」

国王ライトの間抜けな声が通路に虚しく響いた。


ーーーーーーーーーーーーー


王城にある一つの通路。城内では見慣れた赤い大理石の柱や壁、床に敷き詰めらめた色鮮やかな絨毯。夜の闇を照らす照明。


その一つが突如として【一変】し、王城の外から見た造りと一致しない不自然に長い通路が生まれた。


王城に響いた銃声の元に駆けつけた騎士。

騒ぎを見に来た野次馬の貴族。

式典の話題の人物が被害者だと耳にし、確認しに来た王族や各国の来賓。


様々な思惑も胸に抱えた集団はこの通路を前に立ち往生していた。


集団の中には勇気と好奇心から通路へ足を進めた者も【いる】。

進んだハズなのに通路を歩いても歩いても景色は変わらず、振り向けば【元の場所】。


先を見ず、背後を見ながら足を進めた者も【いる】。

集団から離れ。集団が小さくなり。集団が見えなくなるまで歩いた時、どっちが【前】か分からなくなっている事に気付く。

振り向けば【元の場所】。


通路を進んだ者たちが一同に聞いて見れば「通路を踏み出した一歩目から動いていなかった」と答えられ、発狂した。


【神域】の恐怖。


初めて【神域】を目の当たりした多くの者は恐怖した。


そして、その恐怖に動じない者が2人。


「困りましたね、これがニコ様の【冥神を祀る聖女】の力ですか…」

【竜の姫】フィオは赤いドレスを身に纏い困った表情を見せる。


「ふむ、【冥神】を怒らせてしまったか」

【剣王】エンヴァーンは未知のものに対して興味深そうに観察している。


集団は現れた2人に存在感に圧倒され、声もかけずに見守っている。


「【炎神】の力が強いと聞いていたのに【神域】を作れる程の魔力をどうやって…」

足で床を何度も打ち鳴らし落ち着かない様子のフィオ。


「お行儀が悪いよフィオ、今の王城には【冥王の爪】と言う【魔王の魔力】もある、【冥神】の魔法は問題無いのかも知れないな…ノーブル君の様子を見たかったが無理そうだ」

顎髭を撫でながらエンヴァーンは語りかける。


「無理?関係ありません私はノーブル様に会いに…ん??えっ…いつの間に」

行儀が悪いと指摘された足をふと見るとフィオのドレスの腰の帯には1枚の紙切れ差し込まれていた。何やら短い文章が記されている。


「手紙かい?、文字が滲んで読め辛い所があるね」

手紙を手に取るフィオの横から興味深そうに覗くエンヴァーン。


「………!…うっ、嘘」

先に読み終えたフィオは顔を青くする。


「ん?なになに、


【剣王様とフィオさんとは会いたくありません。フィオさん反省して下さい。剣王様、これで恩を返せてたと思うので僕とは関わらないで下さい。【N】より】


…ふむ、恩は返したからかな?遠慮が無くなったなノーブル君…大分、嫌われていた様だな」

苦笑するエンヴァーンの顔には悲しみが混じっていた。


「…えっ…?」

フィオの掠れるような声。


「フィオ?」

エンヴァーンが眉を寄せてフィオの見る。


「きっ…嫌われ?あっ…あれ?会いたくない?…わっ…私とは、お父様との【恩】が…あるから仲良くしてくれた…だけ…と…でも好きって…え?遊んで…くれないの?」

カタカタと肩を震わすフィオ。


「フィ…フィオ?」

見たことのない娘の姿に動揺する父エンヴァーン。


「この程度…」

フィオは歯噛みした後、足に力を入れた。


「フィオ待ちなさい!」

エンヴァーンが叫び、何事かと振り向く一同。


ダンッという衝撃音と共に床の絨毯が吹き飛んだ。


「ぬわっ!?」

「キャァアア!?」

「ブフォッ!?」

「ヒィッ!?」


音だけでなく、体に響き渡る衝撃に悲鳴をあげる集団。服は捲れ、セットした髪は解け、足はもつれる。


舞い上がった絨毯が床に落ちた時にはフィオの姿は消えていた。


ーーーーーーーーーーーーーー


王城のとある一室。


ハーディス家のジャンテとノーブルが着替えていた控え室。


「えっほ、えっほ…着いた、よいしょっと」


水差しの瓶と料理を載せたトレイを両手で運ぶ少女。控え室の前まで足を運ぶと水差しの瓶を一度置こうとした。


ダァアン…

「!?」


遠くから響く音に少女は驚き、持っていた水差しの瓶が揺れる。


「えっ…?誰か来た?ううん、だ、大丈夫…ちゃんと隠したもん…」

少女は気を取り直して水差しの瓶を置いて、空いた手で目の前のドアを開ける。


中に入ると部屋のベッドの脇のテーブルに肉料理が盛られた皿にパンを詰め込んだ籠、果物と甘味を盛られた皿もある。


それを独占する様に食べ続ける少年が1人。


「モガッ…ング…ニコか、手紙は渡して来てくれた?」

ガツガツゴクゴクと並べられた料理を口にかき込み、果実水や乳飲料を飲み干していくノーブル。


包帯だらけの頭部と眼を庇った腕、其処に銃撃を受けたということなのだが血は既に収まっている様だ。


「うん、それと水のお代わり持ってきたよ」


「そっ、ありがとう…あれで反省してくれないかなぁ、あの二人…っていうか誰も来ないね、もっと騒ぎになるかと思ってた。医者も来ないしな」


「え?えーと、きっ、きっとジャンテお兄様がノーブルの【竜体魔法】を信じて、人を抑えてるんだよ!」


「んー…まぁ、医者が来たら来たで面倒だしね、【眼】を防げたのは良いけど【鼻】も構造が複雑なのか治りが遅い部位だからなぁ…ご馳走様っと」

皿に残ったソースをパンで拭うと、それを口に放り込み空いた皿を重ねた。大量に飲み食いした割には皿や杯が綺麗に片付いている光景にニコはつまらなさそうな顔をする。


(ノーブルってお世話しがいがないなー…「あーん」とかやって見たかったのに…)


「ニコ?どうかしたの?」

食べながらも半目で訝しむ顔をニコに向けるノーブル。


「わっ!ッ何でもないよ?…えーと傷は綺麗に治るの?」

慌てたニコはノーブルに疑問を問いかけて誤魔化す。


「時間はかかるけど治るよ…それよりニコ、ちょっとおいで」

ニコを呼びながら、新品の包帯を水で湿らせるノーブル。


「?、なーに?…わっ!?」

傍までよると濡れた包帯を顔に当てられ驚くニコ。


「あんま動かないでー」

「なになに!?」

声は上擦っているが、抵抗はしないニコの顔に包帯の布を当て撫でていく。


「顔に僕の血が付いて…て、…あれ?えっ?」

「あっ、着替えと手は洗ったけど、顔にも…えっ、ってどうしたの?」

顔の血を拭き取った包帯とニコの顔をギョッとした顔で交互に見るノーブル。


「あっ?、うん、ニコの顔の入れ墨が僕の血と一緒に落とせた」

「えっ、嘘!ホント!?…あれ?もしかして、さっきの魔法が出来たのも…」

ニコは目を見開き、ノーブルに詰め寄った。


「ん?魔法?」

「ううん!何でもない!何でもない!でも、そっかぁぁ…取れるんだこの入れ墨…」

感慨深いのか入れ墨のある目元ニコの指を当てて噛み締めるニコ。


「おおっ!取りたいよな!ちょっと待ってろよ、包帯とって傷が開けば血がまた出ると…」

「えっ!いや、ダメダメダメェエ!?今じゃなくて良いから!大丈夫!大丈夫!」


「いや、でも女の子だし…」


「!…あっありがと…、でもホントに大丈夫だから!それにこの入れ墨にも助けられてることあるし」


「助けられてる?」


「んー、ほら【加護】持ちだけど、この入れ墨のおかげで不気味がられて人避けになって便利だから、と…とにかくノーブルは寝てて!」


「いや、それはそれでどうかと…一応、南部にいる時にニコの入れ墨について調べてたからさ…痛た…」


「えっ、私のことを…あっ、それより、まだ治ってないんでしょう?寝ないと!ほらほら!」


「…うん、食べ終わったし、寝るよ。…起きれないと思うから父上か兄上に送って貰うように頼んでおいて…ふぁ」

欠伸をしながらベッドに沈むノーブル。


「分かったよ、ノーブルはゆっくり寝てて良いよ?」


【今度はちゃんと私が隠すから】


ーーーーーーーーーーーーー


「入り込めましたが…困りましたね」

通路の前後確認をすると先の見えない永遠に続く通路の光景。


「下手に歩けば、元の場所に戻ってしまいそうですし…」

その場で立ち尽くすフィオ。


(神域の外からの一歩で一気に飛び込めば進めると思ったのは正解でしたが…)


「うーん……………ん?…ああ、そういえば」

口元に指を当て、考え込むフィオはポンッと手を叩く。


(良い機会ですし【神殿】勤めの【番人や巫女】の方々からノーブル様と共に教わった【竜体魔法】を使いますか)


「…頂きにて全て見せよ【カンヌ】」


目を瞑り、詠唱したフィオは自身の魔力を宿した【竜眼】を開ける。


(…さて、更に)


「…【レッドシーカー】」


【火系の索敵魔法レッドシーカー】の変質した魔力が【竜眼】と混ざる。


黒と赤だけの世界が広がる。そこに新たな色が生まれる。


紫が生まれ、青が生まれ、緑が生まれ、黄色が生まれ、赤いモヤでしか無かった【熱の色】が鮮明に形を作り出す。


「…むぅ」

頬を膨らませ、不貞腐れた顔をするフィオ。


(…これでも【ダメ】ですね、2人の反応は見つかりません、ノーブル様が言うには【神格】の上位と差がある【下位からの魔法】の効果が薄いんでしたっけ?)


「さて、どうしましょうか…あらっ?」


(何でしょう、この【点】……!)


「フフッ…ああ、成る程…フフフッ、手紙も貴方が…」

フィオは笑う。まるで探してたオモチャを見つけた子供の

様に明るい笑顔。


その笑顔に宿る瞳は【冥神を祀る聖女】を捉えるのであった。


ーーーーーーーーーーーー


「…寝てるよね」

ノーブルの寝ているベッドに両腕を組んで顎を乗せるニコ。視線の先には好きな人。


「…………」


「あれ?息してない?」


「………んー…」


「あっ、ちゃんと生きてる良かった…」

モゾリと寝返るノーブルにニコはホッと息を吐いた。


「…」


「…はぁ」


「…」


「…いいよね、少しくらい」

(…もうダメだ)


ニコは自分に言い聞かせると、少しずつ自分の顔とノーブルの顔を近づける。


「…はぁ…私の…はぁ…だもん…はぁ…」

(離れた4年間、私のことも考えててくれてた…)


ニコの唇とノーブルの唇が近づくにつれ、ニコの息は荒くなる。


「はぁはぁ…はぁ…はっ…ふっ…はぁ…いい…よね…」

(ねぇ、ノーブル…貴方への【好き】が溢れるの、止まらないの…だから)


首の力を抜くだけで唇が触れてしまう距離と体勢を羞恥心と罪悪感で耐えるニコは限界を超えた。


カチャリ


「ッ!?」

背後からの音に振り向こうするニコ。


「!?ヒョエッ!?ッ!?ハッ!?えっ!??」

しかし、無理な体勢がたたり腕と足が痺れ、ノーブルの掛け布団に頭から突っ込んでしまう。


「あっ、ここでしたか…フフッ、楽しそうですね」

ベッドに顔を埋めるニコの後ろ姿の滑稽さに微笑むフィオ。


「ノーブルは起き…てない……ふぅ…フィ…フィオ様」


「お久しぶりですねニコ様。ノーブル様は…お休み中ですか」

ノーブルが目を覚ましていない事を確認したニコはフィオに向き直る。フィオはノーブルの包帯だらけの顔に眉をよせた。


「…どうやって…」

「はい?」

首を傾げるフィオ。


「私がこの部屋を隠したのに…どうやって辿り着いたの?」

「そうですね、ノーブル様の血の匂いも跡も隠されていて全く分かりませんでした…」


「ならどうやって…」

「【火系の索敵魔法】です」


「?…嘘だよ…私とノーブルは恩恵で【隠蔽魔法】がかかってるもん、索敵の【魔眼】じゃ私たちの【熱の色】は見えない…」

「はい、ニコ様とノーブル様は【竜眼】でも見えません」


「…竜眼?」


「はい、恐らくは…ああ、やっぱり…【水差し】から落ちた、その【水滴】で大体の位置は特定しました」

ベッドの脇にあるテーブルの上の水差しを見ながらフィオは肩を竦めてニコに語る。


「!?あっ…ッ…でも無理だよ!?そんな水滴1つ1つ見るなんて【視覚】は使えないはずッ!」

ニコは自分のミスを指摘され悔しそうな顔をする。


「【火系の索敵魔法】を【竜体魔法】で強化しました」

「へっ!?」


「熱の細かい【形】もハッキリ見えますから、お腹の胎児の性別も分かりますよ?水滴の粒も見逃しません…石の床と水滴の熱が近くて見つける時間はかかりましたが…ノーブル様に会えたことですし、良しとしましょう」


「…フィオ様以外にも?」


「来れないでしょう。【竜体魔法】は【個】に特化した能力なので私以外に貴方の【試練】の突破するにはお城を破壊でもしない限りは無理でしょう」


「…そっか…、でも見つかっちゃった」

ニコが1番見つかりたくなかった相手。

ノーブルと婚約発表した相手。

フィオには敵わないと思い知らされた気持ちになり、ニコは落ち込んだ。


「いいえ、貴方がノーブル様の為に食事を運び、ヒントを残さなければ、私は辿り着くことも出来なかった…今回は私の【負け】です」


「…【負け】?」

「ええ、今回の件について、謝罪し、許しを得に来ました。が、ノーブル様を守る貴方を見て、考えが変わりました」


「考え…?」

「ノーブル様は、やはり【弱い】」


「!?あっ…貴方ッって人は!」

信頼する恩人への侮辱にニコは憤る。


「そして、私も負ける程の弱い…だから決めました」

「?…何を…」


「私がノーブル様を守れるほど【強く】なれば良いと決めました」

「ッ!?」

「前々から私は思っていました。自分は【ズルい】な…と、弱くてはいつかは失ってしまう、だからノーブル様と共に強く…強く、強く!」

「ヒッ…!」

フィオに迸る魔力に圧倒される。【神格】では無い【力】の差にニコは涙目になりつつも反論する。


「か、勝手だよ…貴方はノーブルで【遊んでる】…ッ!」


「あら?好きな人とは遊ぶものでは?【隠してる】貴方もノーブル様が好きなのでしょう?」

「!?…ううッ…!」

図星を突かれ、憤怒では無く羞恥で顔を赤くし、俯いてフィオから刺さる視線を外す。


「?、何を恥ずかしがるのです?」

ニコを不思議そう顔を見つめるフィオ。


「私は【竜神を祀る】、強き者と【挑み】【制し】【遊ぶ】ことを望みます」


「貴方は【冥神を祀る】、何を望むんですか?」


「…!」


「私に教えて下さい」


「…ッ」


「さぁ」


「帰って…」

フィオの疑問に応えず、ニコは俯いたままボヤく。


「えっ?、!?…キャッ!」


ドプンッといつ間にか溶けた【冥王剣】の液体が【黒い水溜まり】となってフィオの足元に存在していた。


「帰って!!」

「それは!?ノーブル様の…!?ひゃっ!?」

顔を真っ赤にして叫ぶニコに反応して【黒い水溜り】が膨れ上がる。

フィオは完全に体勢を崩し、抵抗も出来ず【黒い水溜り】に落とされた。


暗転するフィオの視界。


(落ちてる?…分からない…暗くて…冷たい?………いえ、だんだん明るく…ッ!?)


トポンッ!っと暗闇の中に這い出されたフィオ。


「!?ッキャッ!わっ!?」

軽く受身を取って、タタンとステップと小気味良い音を混ぜて立ち上がる。


「…ここは?」

警戒しキョロキョロと辺りを見渡す。


「っと…えっ?えっ…ええと…此処は【王の間】でしたっけ?」

並べられた鎧や武器、調度品や剥製など見覚えのある広間。

後ろには【冥王の爪】が液状に溶けている。しかし、徐々にだが元の形に戻ろうとしていた。


(えーと…1番近い所に落とされた…コレが冥王の…)


「…フフッ」

少女は笑い出す。


(というより…【炎神】の影響でここまでしか繋がらなかった…ということでしょうか……)


「ふふふっ…あはッ」


(私が!いえ、私も!ノーブル様とお父様と同じ様に【冥王】と、【魔王】と挑める!!)


武器と鎧と魔物に囲まれた部屋で笑う彼女は【魔王】と言われても誰もが頷いてしまう迫力があった。


「あははッ!!」

この笑顔に【竜神】は微笑んだ。


彼女を気に入り【加護】を与えた。


「あはははッ、面白いです!あはッ…遊びましょう?ニコ様!次の私は【負け】ませんよ?」


フィオは後にエンヴァーンの実子か確認をする為の【神信魔法】にて【竜神の加護】が確認され【竜神を祀る勇者】として【竜王】の称号を手に入れる。


各国からの婚約者争いは更に激化させ、争いを生み出す【魔性の王】としてガルダ王国を湧かせる一端となる。


フィオルデペスコ=トーン=ガルダ


9歳

誕生・夏の始め


Deity.171

剣王と巫女の愛娘

冥王に挑む者

竜神を祀る勇者

山神を祀る剣王の弟子

勇者の伴侶

竜神の加護

山神の恩恵

冥神の畏怖

Equipment.32

王族の特注ドレス

竜鱗のヘッドドレス

Miracle.81

劫の章

竜の業

ーーーーーーーーーーーーー


「ええええええええええええええッ!?」


【黒い水溜り】に落ちたファオに混乱するニコ。


「あわわ、ノーブルの武器が勝手に…何で!?…というかフィオ様が!?ど…どどど、どうしようー!?」


それで良いと【冥神】は微笑んだ。


この王城で起きた怪奇現象から【冥王】の再来と言われ、ハーディス家がガルダ王国だけでなく各国からも恐れられる事となる。


グリジオカルニコ=ロッソ=ハーディス

7歳

誕生・春の終わり


Deity.164

ハーディス家の養子

冥神崇拝の生贄

冥王を宿す者

竜王を拒む者

冥神を祀る聖女

冥王より帰還し縁

勇者の伴侶

冥神の加護

海神の恩恵

竜神の玩具

Equipment.510

冥王ケロベロス

青金剛の墨

貴族の特注ドレス

Miracle.48

隠の鎧

冥の業

ーーーーーーーーーーーーー


(いつまで寝たフリしてようかなぁ…2人して煩いし)


困り果てているニコに背を向けて彼がベッドに潜った。


2人の【魔王】が現れた所で彼にとっては【親しい女の子】の言い争いでしか無いのだ。


フィオは探知魔法で安全は確認済み。


ニコが【冥王剣】の能力を使っても驚かないのは、理由を知っているため。


その【器】の広さに【海神】は溜息を吐きながらも優しく微笑んだ。


ノーブル=ロッソ=ハーディス

8歳

誕生・夏の終わり

【勲章】

冥王大十字勲章

剣王十字勲章

Deity.188

ハーディス家の次男坊

大海を知る鰐

暗殺に悩む者

静穏を求む者

剣王に挑む者

竜体を望む者

妖精を育む者

海神を祀る勇者

冥神を祀る聖女の寄る辺

竜神を祀る勇者の寄る辺

森神を祀る妖精の宿り木

海神の加護

冥神の恩恵

竜神の祝福

森神の祝福

Equipment.71

帝国の銃剣・レイピア型

腕時計オベリスク

赤竜の血

貴族の寝間着

Miracle.82

海の業

隠の兜

劫の章

竜の鱗

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これにて少年の物語は一旦終わりとさせていただきます。

設定を詰めて、繋ぎ合わせただけの作品。大量の誤字脱字に半泣き赤面しながら書いた作品。

思ってた以上に楽しかったです。「あっ、コイツ凄い楽しそうだな」みたいな気持ちが伝われば感無量です。修正は未だ続けています。

ここまで目を通して下さった方に感謝を。ありがとうございました。

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