世界最強の弱点

美織

第1話

いきなりですが、私は氷室京香ひむろきょうか。17歳の女子高生__のはずだったんだけど…。


 私、交通事故で死んじゃいました♪


そして、私は『スパイフル』というに転生してしまったのです…。

ですが、その異世界で私は『ヒムロ キョウカ』として、パーティーを組み、魔王討伐を目標に異世界生活を始めたのです!


では、私のパーティー、『Sprout《スプラウト》』のメンバーを紹介します。


…そこ、『かいわれ大根』って言わない。


まずは、頼もしい回復役の『アローン・ジェニファー』。金髪の男性で、ここ『スパイフル』の住人。見た目はチャラいですが、かなり奥手で、かなり器用です。料理や裁縫はそこら辺の女子よりかなり上手です。


次に、可愛い魔法使いの『ハナビ=ストラー』。彼女も『スパイフル』の住人。私と同じ女の子でボブのふわふわしている子です。

甘いものに目がなく、美味しいおスイーツショップなどに詳しいです。


そして最後に、私と同じ転生者の『ミナト マモル』。(『湊 みなとまもる』)

私と同じ剣士で、魔法なども初級編なら使えます。いつも冷静で指揮官的存在です。


そして、今現在、私達『Sprout』は、魔王戦に望もうとしているのです!


「頑張りマしょうネ!キョウカ!」

「キョウカ!頑張ろっ♪」

「期待してるぞ…」


 皆が思い思いの言葉を私にかけてくる。


「「「世界最強の本気を見せてみろ!」」」


「うんっ!」


 そして、私達は魔王へと駆け出した。


 ザシュッ 「あっ……」


「「「…………」」」


 ハナビがガッカリした口調で呟く。


「………。あのさぁ、いくらキョウカが世界最強でも……。これは……、ねぇ?」


 アローンもハナビに同調する。


「………。これはアンマリデスヨ。」


「あはは…。やっぱり?」


 マモルが呆れたように言う。


「やっぱり?じゃないだろ。お前さぁ…。」


「「「開始10秒で瞬殺はいくら魔王でもない(だろ。)(よね?)(デスヨ。)」」」


「…ごめんなさい。」


私も倒すつもりなんて無かったんです。というか、倒せるとさえ思ってなかったのですから。一発斬撃を食らわしただけで倒れるなんて…。誰も予想しないじゃないですか!?


「まぁ、結果がこれとはいえ、私達、遂に魔王討伐を果たしたんだね。」


「お疲れ、キョウカ。…過程がどうであれ、結果は……ね?」

「本当、すいませんでした。」


「……。とりあえず、家に帰ろっか!」


そして私達は自宅へ帰っていくのであった。めでたしめでた……


「いや終わらないから!」

「キョウカ、頭トチ狂ったか?」


マモルは余計なことを…。一発げんこついれてあげました。


 そして私達の家へ。


「あー、やっぱり野宿より自分達の家が最高!」


 ハナビがベットにダイブする。気持ち良さそう…。


「そうイエば、皆さんはコレからドウスルんデスか?」


アローンがソファーに座りながらそう聞く。だから私は前々から考えていたことを口に出す。


「私、スイーツショップ、したいな?」


 皆が口をあんぐり開けて固まる。


「「「・・・」」」

「ダメ…かな?」


 ハナビが急いで答える。


「良いと思うよ!すっごく良いと思う!」


 …わざとっぽい。


「まぁ、ボクたちもサポートするので、心配はナイでショウ。」


 アローンが考えながら賛成してくれる。


マモルが「俺は…。」と言うとギョッとした顔をしたので、後ろを振り返ってみると、アローンとハナビが目をうるうるさせながらマモルを見ていた。


「しゃーない。俺も手伝うよ。」

「ありがとうっ!マモル!」


ハナビが私に向かって親指を立てて来たので、私も親指を立てて返す。


「じゃあ、お店の名前はどうする?」


「「「「・・・」」」」


 皆で考える。


「…。お菓子屋さん《スイーツショップ》だから…。甘いもの…。はっ!『きゃんでぃ』は!?」

「ハナビ、イイ案なノですガ…、寂しクナイでスカ?」

「でも、可愛いと思うよ!」

「キョウカ、ありがとう!」

「ふふふ。って言うか、マモルも何か考えてよー!」


「……。俺の甘いものの基準が綿菓子だから…。って、キョウカ、なに見てんだよ。」

「マモルって、結構な甘党?」

「うるっせー。」


「それデマモル。結局ナンなのデスカ?」


「いや…。『コットン CANDY』とか、どうかなっと…。…なんだお前ら、その目は。」


「「「その案、異議無し!!!」」」


そうやって、私達のお店、『コットンCANDY』を作る計画が始まった。


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