第7話 冒険Ⅱ

「前回のあらすじ、LEDなみに光る虎猫に遭遇しました」


「貴様、何を言っている!!」


全身の毛を逆立てて威嚇してくるLED虎。

だが相手は粗大ごみサイズの黒髪ショタの超絶美少年。

もし第三者がいるならきっとLED虎に殴り掛かることだろうこの状況、何故か俺は微塵もの恐怖も感じてはいなかった。


「ごめんごめん、で、要件はなんだっけ?」


「我が娘に何をしたと聞いているのだ!

返答次第ではただじゃ済まないぞ!」


娘というのはさっき眠らした白い猫のことか。あれやっぱりメスだったのか。

何もいやらしいことはしていないのだが何故かドキッとした。

というか心当たりは白い粉しかない。

だがあれに依存症はないはずだ、

おかしいな。


「何もいやらしいことはしていないぞ?」


半ば自分に言い聞かせるように呟いてみる、目は泳いていないはずだ。

そもそも相手は猫で僕の正体は植物だ。

植物に交尾はできない。

だがLED虎は僕の正体を知らない。

ここは事後ではないことを伝えなければ。


「本当だ!あんたの娘を寝とった覚えはない!まだもふってさえいない!」


「何を訳の分からんことを!!」


何故か怒鳴られた。

周囲の空気がビリビリして風が強くなっていく。

頭に血が上って血圧が上がったためか、LED虎の腹の怪我した部位からドバドバと血が流れ出した。


そう、このLED虎、どう見ても危篤なのだ。


「あの、本当に大丈夫なんですか?すごい血なんですけど」


「ふっ、敵の心配とは随分と余裕だな!この雷公にかかれば、こんな傷、屁でもないわ!」


「ほい」


白い粉をかけてやった。

俺の奇襲が功を奏して、弱りきっていたのも相まってLED虎はなんの抵抗もなく気絶して倒れ込んだ。

フハハハハハハ!!!

これで目が覚めた時にはおぬしも俺様の奴隷だぜ!!

フハハハハハハ!!

会話イベントを飛ばさないであげただけでも感謝して良いぞ!


おっと、白い粉使いすぎたか、、、


もう何度目かもわからない眠りに俺は再びついたのであった。

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マンドレイクでも無双したい!! 並行双月 @parallel-moon-2

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