ウィルス

流民

第1話

どうも風邪をひいたみたいだ……

まだ熱は無いようだが酷くなりそうな気配。

薬も無く、ただじっとしているしかない。

最初はそうでも無かったのだが、ちょっと前くらいから段々熱が上がってきているようだ。

 身体のだけでは到底治りそうもない。

 こういう時は何もせずにじっとしているに限る。

 しかし体調は良くならず、ここ数時間熱が上がってきてしまっている。

 身体でウィルスが段々と繁殖しているようだ。

 ウィルスに身体を侵され熱は下がりそうにない、身体からはそれを冷まそうと汗が流れるが、今の所は全く効果が無さそうだ。

 いったいいつからこんな悪性のウィルスが繁殖しだしたのか……

 今までは身体には殆ど害の無いウィルスばっかりだったのに、このウィルスは違う。

 身体のあちこちで火が焚かれているようだ、それを冷やそうと身体からは汗が 流れるが殆どその効果はない……

 私の身体は汗まみれになり身体のあちこちに水溜まりのように汗がたまっている。

 時折身体を動かして汗を払おうとするが、いつも失敗に終わる。

 何とか減らそうと努力しては見るが、どんどん増えるばかりだった。このままウィルスが増え続ければやがて私の身体自体が持たずに死んでしまうかも知れない。

 いったいどうすればウィルスを死滅させる事ができるだろう……しかし私は何も出来ないままただ汗をかくしかなかった……熱で疲れた身体はやがて知らぬ間に眠りについていた。

 そしていったいどれ位眠りについていたのか、気がついた時には身体中は汗で水溜まりができ、その汗の効果か身体は氷のように冷たくなっていた。

 いきなり繁殖し始めたウィルスだったがどうやら死滅したようだ、だがもとからいた殆ど害の無いウィルス全て死滅してしまったようだ……よかった熱が下がって。

 これからは、悪性のウィルスが繁殖しないように身体に気をつけなければ……

 しかしウィルス達は何処に行ってしまったのだろう、ほんとに死滅してしまったのか……

 あるいはどこか違う身体に飛びたって行ってしまったのだろうか……もし何処かに飛びたって行ってしまったのなら、そこの身体でも同じ事を繰り返してしまうのだろうか……

 考えただけでもゾッとする、あの賢くも愚かな、ウィルス達がまた違う身体で同じ事を繰り返すのかと思うと……しかし私の身体はもうなんともない、何処か違う場所で同じようなめに合っている身体があるかと思うと可哀想だが、私には何もすることが出来ない、何故なら私はただ回っていることしか出来ないのだから……


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