第2話 鳥の声も茂みの掠れた音も

「よし、じゃあ一つ詠んでやろう」


 オジサンはおもむろに立ち上がり、僕の方に歩いてきました。


 眼下のグラウンドからは、同級生たちの遊び声が遠耳に聞こえます。


 なのに、僕とオジサンの周囲だけは、とたんに静かになりました。

 鳥の声も茂みの掠れた音も、何もかもがこの場を去っていしまいました。

 ついさっきまでいたのに。


「坊主」


 オジサンはそういって、僕のすぐ前にしゃがみ込みます。

 僕はなんだか途端に怖くなってしまったのですが、身体が動きません。


 オジサンにナニか変なことをされるんじゃないか?

 僕はそんな不安な気持ちでいっぱいでした。


「いいか、よぉく見ておけ」


 そういってオジサンが股間から取り出したモノは……、

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