【ケモプロ】2019年度ペナントも熱い! ケモノプロ野球ドラフト会議兼発表会まとめ!【詳報版】(中)

・鳥の時代、到来


 アメリカのBeSLBによって運営されるビーストリーグ。2020年度ペナントレースからの本格稼動となっているが、すでに6球団は決まっており、さらに言えば選手も『研修生』として配属されている。来年のドラフトで獲得できる人数は限られているので、ビーストリーグはそれまでの一年間、この『研修生』たちが練習して力を蓄えるわけだ。


 (画像:選手たちの練習の模様。まだ無地のジャージを着用している)


 研修生の中には今まで見たことのないタイプの選手がいることに気づいただろうか。そう、冒頭の動画にも映りこんでいた、鳥類をモチーフにしたケモノ選手たちだ。

 現在のケモノプロ野球には、哺乳類をモチーフにしたケモノ選手しかいない。それでも筆者が知らなかったような珍しい動物がモデルとして出てきたりとバラエティに富んでいたのだが、二年目からは鳥類がモチーフのケモノ選手が登場することになる。まずはビーストリーグの研修生、そしてアマチュアリーグ……高校・大学生(日本のみ新入生に限る)から鳥類のケモノ選手が登場する。


 アメリカ人として鳥類を設定しなかったのか、という質問が飛んだが、大鳥氏によるとケモノ世界に種族の差はないという考えとのこと(つまり獣と鳥の間でも子供が生まれるらしい)。しばらくはビーストリーグに鳥類が多めになるだろうが、そのうち均衡化されるだろうと予想しているそうだ。



・ビーストリーグはすでに始動している! 6球団を一挙紹介!


 さて、それではどんなオーナーがビーストリーグの球団を有したのか、発表のあった順に解説していこう。



 (画像:Fresno Lemon Eatersのロゴ)


 Fresno Lemon Eaters|(フレズノ・レモンイーターズ)。カリフォルニア州フレズノ郡フレズノ市にある、Straight Lemonade|(ストレート・レモネード)社がオーナーの球団だ。レモネード飲料を作る会社で、社長のFrank Greene氏(以下、フランク氏)は農園も経営している。


 (画像:レモンをまるかじりするフランク)(画像:レモン農園)

 /*フレズノ周辺に大規模な農場を抱えているが、こちらはモントレー郡アップランド市にある小さな農園。フランク氏が先祖代々受け継いだという。


 カリフォルニア州といえばシリコンバレーだとかロサンゼルスのハリウッドだとかが思い浮かぶと思うが、中部あたりは普通に農場があるようなところでもある(そもそもアメリカの州はどこもデカいので、州全域にわたって都会というところはない)。

 ストレート・レモネード社はそんなカリフォルニア州の真ん中で、グリーン・レモンという品種のレモン(名前はグリーンだが熟せば普通に黄色い)を収穫し、ストレートで(つまり何も加えずに)絞ってレモネードを製造し、販売している会社だ。このグリーン・レモン、実はかなり甘い(似たような甘いレモンにその名も『スイートレモネード』というレモンがあるが、別種とのこと)。ノンシュガー飲料としてシェアを伸ばしているらしい。


 なお、ストレート・レモネード社の参加に伴い、ケモプロ内でもレモネードが販売されるようになるとのこと。もちろん、生絞りのストレート・レモネードだ。



 (画像:Boise Blossumsのロゴ)


 Boise Blossums|(ボイシ・ブロッサムズ)。アイダホ州エイダ郡ボイシ市の外れにあるBlossom Land|(ブロッサムランド)という遊園地を運営する、Coyle Amusement|(コイル・アミューズメント)社がオーナーだ。


 (画像:周囲を目隠しされているジェットコースター)


 アイダホ州の観光地として最近名を上げてきているのがブロッサムランドだ。正直なところアイダホ州といえばポテトでありポテトといえばアイダホ州で、パッとした観光地はこれまでなかったのだが、ブロッサムランドがそれを変えた。祖父から廃業寸前のブロッサムランドを遺産として引き継いだ、一人の天才少女によって。


 (画像:チェルシーがラボで機械いじりをしている様子)


 Chelsea Coyle氏(以下、チェルシー氏)はブロッサムランドを引き継ぐと高校を中退して経営の改善に乗り出した。正直ダサい外観、イケてないマスコット、ブロッサムと言うわりに花壇のひとつもない寂れた遊園地(※公式サイトの記述どおりです)に、AR技術とVR技術で付加価値を与え、それに見事に成功した。VRジェットコースターは連日長蛇の列の人気コンテンツだ。VR映像を見ながらジェットコースターに乗るとか、考えるだけで震える。


 今後のケモプロとの取り組みでは、ケモプロ内にブロッサムランドが建設されるという。そこへ遊びに訪れたケモノ選手たちを、ARを通して現地でも確認できるという仕組みだそうだ。つまりケモノ選手たちと一緒に遊園地で遊んでいる気分になれるというわけで、筆者はぜひロージィお嬢様がクソダサメリーゴーランドに乗っているところを激写したい。


 なおブロッサムランドは今後他の地域でも展開するとかで、ブロッサムランド・ジャパンがやってくることにも大いに期待したい。



 (画像:Anchorage Hammersのロゴ)


 Anchorage Hammers|(アンカレッジ・ハンマーズ)。アラスカ州アンカレッジ自治市に事務所を構える、Darell & Partners|(ダレル・アンド・パートナーズ)という建築設計事務所がオーナーだ。


 (画像:白いワイシャツで腕を組むダレル)

 /*というかこの画像の方が有名だと思う。


 Darell Grimes氏(以下、ダレル氏)といえばどこかで名前を聞いたことがあるんじゃないだろうか? 筆者もあまり詳しいわけではないが、若くして世界で活躍する有名な建築家だ。


 (画像:複数の大型建造物)

 /*たぶんこういう建物も見たことあるはず。


 ダレル氏は今後、ケモプロ内の建物の設計にも関わるという。スタジアム、学校など、様々な建築物がダレル・デザインになるわけだ。大学で建築学科に通っていた友人にそのことを話したら食いつきがすごかった。いずれ公開されたら、友人と共にVRモードで鑑賞して記事でも書きたいものだ。



 (画像:Wilmington Yozoraのロゴ)


 Wilmington Yozora|(ウィルミントン・ヨゾラ)。オーナーはYozora Airways|(ヨゾラ・エアウェイ)。本社はデラウェア州ニューキャッスル郡ウィルミントン市にある、LCC(Low-cost carrier、格安航空会社)だ。デラウェア州は会社法などの関係で会社の本拠地に選ばれることが多い州で、アメリカで二番目に小さな州でありながら、アメリカ上場企業の5割が本社を置いているというまさに「企業の州」だ。

 人口より会社の方が多いなんていうネタもあるが、社長のMarcel Scofield氏(以下、マルセル氏)は生まれも育ちもウィルミントンということで、地元愛に溢れる人だということは知っておいてもらいたい。


 (画像:マルセルと飛行機)


 ヨゾラ・エアウェイについては、日本で運行しておらず、アメリカでも貨物中心でやってきた航空会社なので知っている人は少ないだろう。最近はLCCとしても運航を開始し、ユニークなスタイルで話題を呼んでいるらしい。なんでも機内食が和食らしいのだが、リサーチがそこまで及ばなかった。


 ケモプロとの取り組みの話だが、ケモプロ内のケモノ選手たちはリアルタイムに移動している、ということをまず思い出していただきたい。バスや電車、そして飛行機でスタジアムを移動しているのだ。そう、飛行機でだ。アメリカの広大な土地を行き来するなら、飛行機は欠かせない。ケモプロに登場する飛行機は、ヨゾラエアウェイのものになるわけだ(まあ自前で機体を作っているわけではないので、内装とかペイントの話になるが)。



 (画像:Hoboken White Bearsのロゴ)


 Hoboken White Bears|(ホーボーケン・ホワイトベアーズ)。ニュージャージー州ハドソン郡ホーボーケン市に本社を構える、Toyward|(トイワード)がオーナーの球団だ。動画ではアメリカの埼玉、なんて言われていたが、大都市ニューヨークの隣でベッドタウンで……というところを見ると、まあ、埼玉かもしれない。

 埼玉は置いておいて、ホーボーケン市というとプロ野球発祥の地として有名だ。1865年に、エリシアン球場で行われた試合が最初のプロ野球の興行といわれている(諸説あり)。そんな土地にケモプロ球団のホームができるとは感慨深い。スタジアムのデザインには、まず間違いなくエリシアン球場の要素が盛り込まれるだろうと予想しておこう。


 (画像:おもちゃ売り場で売られるトイワードの製品)


 さてトイワードというと日本では幼児用おもちゃで有名だろう。大人になった我々にはイマイチわからないセンスだが、幼児にはバカウケらしい。輸入品ということもあってややお値段はするので、祖父母や親戚がプレゼントするのにぴったり、といったところか。

 そのトイワードが東京に直販店を出すというから、おもちゃ業界は戦々恐々だろう。アメリカのトイワードは観光スポットにもなっていて、店舗のアクティビティは子供にバカウケ、インスタにもバエバエという感じで大人気なのだ。


 (画像:落書きされるジョージの顔写真)

 /*そもそも社長のGeorge Hayward氏(以下、ジョージ氏)の顔写真に落書きさせるアクティビティという時点でヤバい。


 幼児向けのケモプログッズも出す、という話もあったので、子供を野球漬けにしたい親御さんも注目かもしれない。



 (画像:Bismarck Catsのロゴ)


 Bismarck Cats|(ビスマーク・キャッツ)。ノースダコタ州バーリー郡ビスマーク市に巨大なデータセンターを構える、Brighthost|(ブライトホスト)社がオーナーだ。


 (画像:ノースダコタ州の自然の風景)


 動画ではアメリカの千葉県と言われていた。ノースダコタは、千葉なのか。


 筆者は千葉県民だが、それはさておいて、ノースダコタは千葉というよりも立地的にも新潟とか北海道の東側と言った方がいいと思う。というか、日本版Wikipediaのノースダコタ州の関連項目に千葉県って入れたやつはいったい誰だ? 確かに魔夜峰央先生の漫画「パタリロ!」でネタにされているが、いきなりそれを抜きにして関連項目にすることはないだろう?


 (画像:Hakocatsのロゴ)


 話を戻してオーナー会社だが、ブライトホストといえば最近勢いのあるクラウドサーバー事業者だ。データセンター事業も行っており、アメリカ向けのサーバーはこちらのサービスで提供されるとのこと。とはいえ日本の方で知名度があるのは、おそらくHakocats事業のほうだろう。猫の動画を24時間放送していることで有名な映像ストリーミング配信サービスだ。


 (画像:箱に入ったモフモフの猫)


 アメリカ国内では普通に豊富なチャンネルと、特に力の入っている日本アニメの翻訳チャンネルが人気だそうだが、日本の猫好きには24時間猫を映し続けるHakocatsチャンネルのほうが有名だ。このためにアカウントを取っている人も少なくないと聞いている。

 Hakocatsは後述する「ケモプロ内コンテンツ」にも関わっていく。そう、Hakocatsチャンネルが見れるようになるのだ。猫好きはぜひ記事の最後まで注目して欲しい。



 (画像:農場で撮られた集合写真)


 以上がビーストリーグに参加する6球団である。ちなみに、カリフォルニア州以外はメジャーリーグの球団をもたない州となる。特にアラスカ、ノースダコタ州はマイナーリーグのチームすらない(千葉にはプロ野球チームがあるが)。プロ野球のない地にバーチャルの野球をもたらすケモノプロ野球リーグは、果たしてアメリカで受け入れられるだろうか。

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