八月(4/終)

【ケモプロがこの夏失敗した理由】 / 匿名日記サービス 2018/08/31投稿


 はじめに予防線を張っておくが、この記事はケモプロを不当に叩くためのものではない。


 むしろ増田はケモプロが好きだし、だからこそこの夏のケモプロの展開をきちんと批判するべきだと思った。


 ケモプロが何か知らない人が見るとは思えないが簡単に説明しておくと、ケモプロは去年から開始した、インターネット上で催される、AIの野球選手たちによるオリジナルのプロ野球リーグである。


 名前の通り、選手はみなケモい。ケモナー大歓喜である。

 (というと特殊性癖向けに思われるかもしれないが、増田のようなケモナーでない人間が見てもフツーに魅力的なキャラをしている。デ○ズニーみたいな方向性?)


 今年の五月まで行われたペナントレースはとても盛り上がった。ファンが勝敗に一喜一憂し、応援コメントやイラストで盛り上がったのだ。


 けれど、その盛り上がりをケモプロは維持することができなかった。


 獣子園の決勝は盛り上がっただろ、とかケモプロファンは言うかもしれないし、確かに部分部分では盛り上がっていた。けれどそういう人たちはケモプロが好きすぎて全体が見えていない。データで見れば視聴者数の減少は明らかだ。


 この記事は、ケモプロの批判記事である。運営が盲目的なファンの言葉だけを聞くのではなく、批判にもきちんと耳を傾けているのだと信じて書くものである。


 それでは、ケモプロがこの夏失敗した理由をあげていこう。



・理由その1:放送されたのがプロ野球ではなかった


 ケモプロは去年の9月から今年の5月まで提供してきたのは、プロ野球だ。(最初の二ヶ月間は草野球だったが、出てくる選手は同じだ)


 思い返してほしいが、ケモプロも当初から人気だったわけではない。増田の周りでは誰も話題にしていなかった。


 それがペナントレース最終節に大盛り上がりしたのは、この8ヶ月間、ケモプロ選手たちがコツコツと人気を獲得してきたからだろう。「獣野球伝 ダイトラ」もよかった。おそらく一番多くファンを獲得しているのはダメ虎ことダイトラだろう。


 ダイトラ以外にも魅力的なケモプロ選手はたくさんいるが、これも勘違いしてはいけないがそれらは8ヶ月間かけて魅力を見出された者たちだ。出た瞬間から人気だったわけではない。


 こうして8ヶ月かけて築いた人気選手の出番を、ケモプロは甲子園ならぬ獣子園をやる、という理由で潰してしまった。


 ケモプロ選手のオフの様子が見れるって? それはあくまでオマケだ。増田は野球の試合が見たい。


 野球の試合自体は、獣子園予選、本選と提供されてきた。


 しかしそこに出場しているのは、これまで応援してきたケモプロ選手ではなく、全く知らないポッと出の、野球がへたくそなケモ選手である。


 これで視聴を継続するほうがどうかしている。


 百歩譲って地元の応援をするため追いかけてもいいが、予選中の出番は最大でもたったの3回。練習中の様子もなし。プニキ(高知の黄色い熊のケモ選手)ぐらいインパクトがなければ、どう人気を出せというのか。


 正直、獣子園なんてやってる場合じゃなかったと思う。ケモプロは季節なんて関係ないんだから、サマーリーグとでも称して短期のペナントをもう一回やればよかったのではないか。


 以上、まとめると「人気のキャラの出番を潰し、十分な人気が出る期間を与えていない新キャラを使った」というところが大きな問題点であると考えられる。



・理由その2:獣子園の平等が過ぎた


 甲子園ではよく、地域格差や学校の規模の格差が問題として叫ばれる。


 高校野球に詳しくない人は意識していないと思うが、例えば今年の鳥取の地方予選出場校は24校、東東京(西を含まない)は140校。鳥取は最大4回、東東京は最大8回連勝しなければ甲子園に出場できない。これが地域格差の問題だ。


 参加校数が少なければ実力にもおのずと差が出てくるものであり、実際鳥取は甲子園での優勝経験はない。どころか1956年を最後に、甲子園では2勝以上を上げたことがない(お隣も似たようなものだが)。


 学校の規模の格差、というのはまああまり言わないが、野球部にかける予算、人員の差(差と言っていいかわからないが)である。


 甲子園出場校でも部員数は30名程度のところがある一方、150名を越える部員を抱えている部もある。学校が野球部に投資する予算・施設も当然それぞれ違うし、有名校ともなれば全国から優秀な生徒をスカウトで集めてくる。


 甲子園は学生スポーツの大会であるが、決して平等ではない。スタート地点で大きく差があるのである。


 そして、だからこそドラマがあり、面白い。


 去年、日本を熱狂の渦に巻き込んだ天間選手の活躍は、これまで優勝した学校のない東北地方の、公立の、弱小高校だったからこそ注目された。


 これが甲子園常連の超強豪校だったら、あそこまで話題にならなかったろう(そもそも、全試合完投なんてさせなかっただろう。さすがに)。


 話がそれたが、肝心なのは、甲子園というのは平等ではないからドラマがあるのだということだ。


 ひるがえってケモプロ、獣子園を見ると、運営はそのことをまったく理解していないのだとしか思えない。

 (まあ、社長が現実の野球をあまり見ないそうなのでお察しだが)


 獣子園本選は厳密に1県1校。そしてどの県も予選は8校が出場。どの学校も1年6人、2年6人、3年6人の計18人チーム。


 いや、分かる。分かるよ。平等にしたかったとか、あとはリソースが足りないって言う話も記事で見たし。やりたいことは分かる。


 分かるが、こんなの面白くないだろう。ドラマは生まれないだろう。


 ここまで条件を揃えられたら、こんなのもう運ゲーだと言われても仕方ない。


 どこそこの高校が、あそこの高校を破った? そう、初期パラメーターが良かったんだね、いい選手が偏ったんだね、としか言えないだろう。これが現実なら、強豪が勝てば順当、弱小が勝てばその理由を探して盛り上がるというのに。


 こうした行き過ぎた平等に加えて、日程も悪かった。


 甲子園がやっている間、夜間の二試合に絞る、というのはまあ、わからなくもない。


 けれど甲子園の終わった21日以降も同じ時間帯、しかも一日一試合に減らし、さらに休養日で休みが3日も入るとはどういうことなのか。


 いや、これも理屈は分かる。各試合で最低中3日(決勝は2日だったが)の休養を取るのに必要なスケジュールだ。だからといって全試合消化に28日かけるのもどうなんだと言いたい。正直、間隔が空きすぎだ。


 もしかしたら甲子園の過密スケジュールとかに配慮したのかもしれないが、余計なお世話だ。監督が選手の状態に合わせて適切に登板を管理すればいいだけである。選手ごとに投げられる球数が違うというのは、天間選手がはっきり証明してくれている。


 以上。まとめると、正直初期パラーメーターに恵まれたプニキが無双するだけといった展開で、ドラマも何もない獣子園を、ダラダラと続けていたことが問題だ。まあ、日程を発表した以上変更が効かないとか、そもそもストレッチゴールで予定していたもの(しかも未達成)であるとか、情状酌量の余地はなくもないが……それでもなんとかして欲しかったものだ。



・理由その3:他のコンテンツが良すぎた


 単純に、そういうこともある。


 ケモプロが悪いわけではないが、野球というジャンルに限っても他が良すぎた。


 特に今年の甲子園は盛り上がった。ベスト8にいまだ夏の優勝のない北陸四県が残るとかアツかった。そして全員他地方と当たったにもかかわらず全滅するとかいうガッカリもあったが、それもドラマだ。


 去年は惜しくも準決勝で天間選手率いる山形に破れ、悲願の夏の甲子園優勝を阻まれた埼玉が、今年見事に優勝してみせた、というのも胸が熱い。去年エース対決で天間選手に敗れた、ひとりでも三|(さん)選手がマウンドで流した涙は忘れられない。


 100回記念大会ということもあったが、やはり選手たちのドラマこそが、今年の夏甲子園が盛り上がった理由だろう。


 さらにゲーム業界(いちおう、ケモプロはゲームらしいので)に限って言っても、ケモプロは存在感を示せなかった。ニュースを「ゲーム」「野球」で検索してみれば一目瞭然だ。


 ついでにいうと8月だけでも野球を題材にしたスマホ向けゲームが3つ、アーケード向けゲームが1つ発表されている。スマホ向けの方はダイリーグ以外は泡沫アプリの気配が濃厚ではあるが……というか、ダイリーグが前評判をひっくり返して面白いのも、ケモプロが話題にならなかった理由だろう。


 というかダイリーグは初報と完全に別物になった。正直すまん、獣子園をリアタイで追うのは諦めてβテストやってた。3週目にはログイン鯖満員問題も完全に解消したし、4週目の別シナリオ解放もよかった。明日サービス開始? もう? マジ? という感じだ。


 ダイリーグのプロモをケモプロは見習うべきだった。まあ、ダイリーグが新情報という強攻撃をバリバリ打ち込める状況で、ケモプロは獣子園という弱攻撃しか使えない状況では何もできなかったと思うが。


 それにしてもダイリーグの動きはかなりよかった。高梨Pってそんなにプロモ上手いのか? と過去の経歴あさっても失敗ゲーばっかりなので、まあ有能なブレーンがオーナー会社から寄越されてるんじゃないかなと思う。


 閑話休題。


 夏は学生が休みで、特にゲーム関連は売り時である。

 そんな中ケモプロは特に大きなニュースもなく、粛々と、事前に決められたスケジュールをこなしていくだけだった。それが存在感を示せなかった理由だろう。


 もう一度言うが、増田はケモプロが好きだ。獣子園はイマイチだったが、プロリーグは期待している。

 ただ……来月はドラフト、契約更改。再来月はキャンプ。ようやく定期的なプロの試合が11月のオープン戦となると……気持ちを維持できない人も多いんじゃないだろうか?


 ケモプロはこの夏、失敗した。

 秋以降、どうなるのか。正直、あまり期待できなさそうだ。


                  Permalink|記事への反応(59)|22:56



 ◇ ◇ ◇



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