【ゲストも来たよ!?】砂キチお姉さんとお散歩しよう【#14】 /砂キチお姉さんチャンネル
(ケモプロのVRモードの動画。野球場の前、ちらほらとケモノアバターが往来する。そこにジャンプしてカメラの前に入ってくる、ネコ系ケモノの女子)
砂キチお姉さん(以下、砂):みんなー! おっまたせぇ~! みんなのバーチャル砂キチお姉さんで~す!
砂:いやぁ~、この体にも慣れてきたなあ! 前のアップデートでオリジナルモデルの販売が開始されて、さっそく買うでしょ? 作り直すでしょ? オシャレアイテム買うでしょ? 調整するでしょ? もう時間がね、吸い込まれて……でもやっと、お姉さんらしくなってきたかな!?
砂:はい、それでは……あッ。気づいた? そう、後ろにあるのは? そう、我らが鳥取サンドスターズの聖地、コカ・コーラウエストスポーツパーク野球場! つまりィ~……ここはケモプロの中なのです!
砂:そう。聞いて! やっと使い方分かった! しれっと追加されてたアイテム! ビデオカメラ! これを使うとね、ケモプロ世界の中で動画撮影ができるの! いや動画実況とかはさ、画面キャプチャもできるし公式で配信機能もついたけど……ビデオカメラはVRモードで配信できるんだよ! ようするに現実のテレビ撮影と同じことができるってわけ!
砂:いや~いい時代になりました。……前置きが長かった。はい、反省。
砂:今日は! 4月2日のアップデートで追加された、選手たちが利用する施設を見て回ろう! という企画です! 運がよければ選手を間近で見れるかも? 超楽しみです! りーくんに会えるかな?
砂:さらに! 今日はスペシャルゲストをお呼びしています! お待たせしました、どうぞ~!
(カメラにテクテクと歩いて、ウサギ系ケモノの女子が入ってくる)
ふれいむ☆(以下、炎):こんにちは。ふれいむ☆です。
砂:うおおお! 怨敵ツナイデルスの公式実況者、ふれいむ☆さんだ~! ひゃ~! はじめまして~!
炎:ああ、ええ、どうも。
砂:うわぁ~、アバターもなんか……すごく……見事にBBAって感じです!
炎:ちょ、なんでよ!? これかわいいでしょうが、ウサギで!
砂:えー……にじみ出るおばさん臭……?
炎:くッ……服が悪いッ! 服がッ! ダサいのよッ! どれもこれも!
砂:中の人は美人なのになぁ~。
炎:ェッ……あ、ありがと……。
砂:いただきました! さ~、島根の公式実況者と! 鳥取の非公式応援Vtuberで! ケモプロの世界を探検してみましょ~う!
炎:あ、待ってちょうだい。もう一人いるのよ。
砂:へ?
炎:詳しい人がいたほうが盛り上がると思って……お願いしまーす。
(カメラにキツネ系ケモノの女子が入ってくる。他二人と比べて機械的な動き)
砂:うわっ、うわっ、聞いてない! お姉さん聞いてないよ!? はっ、はじめまして!
?:ドウモ。
砂:バーチャル砂キチお姉さんで~す! あなたのお名前は?
?:……カ……。
砂:んん?
三鷹(以下、三):ミタカ。
炎:ケモプロ開発者のミタカさんよ!
砂:えっ……えッ!? うわ、うわァ! いつも記事とかで見てます! 超かっこいいです! ええーっ! いいのかな開発の人来てもらって!? やっば緊張してきた!
三:ドモ。
炎:ミタカさん、なんでさっきから片言なの?
三:……ッタ。
炎:え?
三:酔ッタ。……さっきまでフルボディトラッキングして動いてたら……。
砂:ええ……? ケモプロで酔ったなんて話聞いたことないですけど……。
三:うるさい。
砂:あ、あははー。えーと、じゃあ今はデスクトップモードなんですね、だから動きが硬いんだ。うんうん。はい、みなさん、そういうことで! サプライズゲスト! ケモプロ開発者のミタカさんも一緒に! アップデートで追加された施設を回っていきまーす!
(場面転換。雑多な店舗ビルの立ち並ぶ駅前といったところ)
砂:到着~! ここが鳥取某所駅前です! うおー! 栄えているぞー!
炎:ちらほら歩いているケモノアバターがいるけど……あれはみんなプレイヤーかしら?
三:NPCだ。球場の店員しか用意してなかったが、町やその施設にはNPCを置くことにした。通行人がゼロだとさすがにな。
砂:あー、確かにNPCのアイコンついてますね! なるほど! ところでこの駅前ってどこがモデルなんですか?
三:どこでもねェな。実際に本拠地に近い駅をモデルにしようって話もまァあったんだが、地域格差がひどくてな。特に東京だ。実際の駅、店舗とコラボしようと思ったら膨大な量の契約が必要になって作業が終わらねェ。別に『龍が如く』を作りたいわけじゃねェし、許可取れなかった店舗に迷惑がかかるのもなンだからな、架空の駅ってことにした。
炎:なるほど……あ、あのクレープ屋、見たことあるわ! あれはコラボ店舗ですか?
三:ンだ。鳥取にゃねェヤツだけどな。架空だから配置は自由なワケよ。
砂:……なんか、ミタカさんって思ったよりワイルドなんですね。
三:あン?
砂:いやその、インタビュー記事と印象が違って……。
三:あァ……まァそりゃ、記事では話したまんまに書かねェだろ。……悪かったな、なんか。
砂:あッ、いえいえ! そういうことじゃなくて……あのその……。
炎:あー! ほらほら、あれ、選手じゃない? 来たわよ、砂キチさん!
砂:あ、はい! やった、ちょうどこちらにケモノ選手が来たみたいです! 今日はサンドスターズは休養日ですが……あーッ! クギネちゃん! ひゃあー!
(フェネック系女子とビーバー系女子、ラクダ系男子とラッコ系男子が連れ立ってクレープ屋の前へ)
炎:クギネ選手にカイリ選手。先発のニコブ投手と相方のラコフ捕手ね。
砂:ラコさん、あの会話ウィンドウは……おごり? おごる。女子二人におごる、さすがイケメン捕手。え? ニコくん便乗? 超空気読んでない。ラコさん……結局四人分支払い……あぁぁ……(崩れ落ちる)
炎:ちょ、どうしたの?
砂:ニコ×ラコが尊くて……ああーテーブルに行って囲んで食べてる……あぁ……。
炎:……プレイヤーも集まってきたみたいね。カメラに四人が映らないかも……。
三:ああ、選手中心モードにすりゃプレイヤーは透過して撮影できるぜ。カメラのオプションからだ。
炎:えっと……こう、あ、できた。じゃあ、ちょうどいい位置に動かして……三脚がなくても宙に設置できるのがいいわね。それに手ブレ補正ついてる?
三:まァな。トラッカーの精度が低くてもガタガタにならねェようにしてる。
炎:ちょっと砂キチさんが死んでるからその間に質問を……男女比1:1で移動してきたけど、ダブルデートとかそういう仕様なんですか?
三:目的地に誘う人数は決めちゃいねェよ。人望のあるヤツが人気の場所を提案すりゃもっとついてきたりするだろ……ただまァ、男女比が1:1になるのは多いケースだな。
炎:多いケース……というと、比率が偏ることも?
三:ある。複数人で行動する時は、基本的に自分の味方……共通点の多いヤツを用意するモンなんだよ。まァ今回誰がどう誘ったのかは分からねェが、異性に誘われた後、同性の味方を増やす……っていうのは良くあるパターンだ。もちろんそういうのを気にしねェAIもいるが。
砂:BLは! BLはないんですか!?
三:オマエ……あー……まァ、ある。
砂:ウオオォォォ!(音割れ)
三:正確に言うと、性差は判断基準のひとつであって、極端に異性だけ、同性だけを好むようなAIは稀だ。まァAIには自分の子を残したいという欲求もあっから、そこを重視するかどーかだな。その欲求が薄ければ同性でも構やしねェだろ。
炎:子供……結婚って、AI的にはどうなんですか? アタシ、現実じゃデメリットばかり目につくんですけど。
三:まァな。ケモプロでも別に結婚しなくたって同居はできるし、税金もねェから節税になるわけでもねェ。
炎:でも結婚はあるんですよね? 公式サイトに載ってるの見ました。どうしてなんですか?
三:あー……マズな、ケモプロは野球観戦を提供してェんだ。これを念頭に置いてくれ。
炎:はい。
三:だから選手が犯罪をしたとかのスキャンダルはいらねェ。暴力行為を含めて、できネェようにしてある。くだらねェ理由で出場停止や引退になってもつまらねェだろ? そのへんのリアルはいらねェよな?
炎:この間ダイトラがラリアットかましてましたけど……ラビ太に。
三:あれはチト乱暴なだけで暴行目的じゃねェからな。怪我させたら審判が処分を下したと思うが……あー、なんだったか。そう、とにかく、スキャンダルはいらねェんだよ。つまりだな、問題は――
炎:はい。
三:セッ(ピー)だ。
炎:は? ……は!?
砂:セッ……!?
三:婚前交渉とかめんどくせェんだよ。仕組み的にも、プレーヤー側の受け取り方的にも。アイツとコイツがヤッたとか別の日は違うヤツとヤッてたとか、そんなのでイチイチ炎上すんのもめんどくせェだろ? んだから、そこはゲーム的に、セッ(ピー)は結婚しないとできねェようにしてある。キスぐらいは恋人状態になればできるがな。
炎:な、な……。
三:つーわけでケモプロにおいての結婚のメリットは、セッ(ピー)ができることだな。なわけで、子供も結婚しないと作れない。養子も同じだ。あー、もちろん現実にはいろんな形の関係があるわけだが、これはゲームっつーことでひとつな――
炎:そういうんじゃないッ! も、もう少しこうッ、言い方を!
砂:生放送じゃなくてよかった……。
三:ヘェヘェ、悪かったよ。イイ感じに編集してくれや。
炎:そうしてちょうだい……。
砂:……ところであのォ、同性同士でもセッ……?
三:現場は見れねェが、結婚してりゃするぞ。
炎:聞くな! 答えるなァ!
(場面転換。アバターが集まっている焼肉店)
砂:はい! 今我々は情報を得まして! 焼肉店に来ています!
炎:ケモノ選手が肉を食らう……前々から話題になっていた場面よね。えーと人が集まってるからフレンド以外非表示にして……あ、いた!
砂:は~い! こちら、電脳カウンターズのイグマ選手とミカド選手で~す!
(酔っ払って爆笑しあっているアライグマ系おっさんとミーアキャット系男子)
砂:真昼間からできあがってま~す! お~! 肉も食べてる~!
炎:ある意味想像通りというか……今日は試合がないからいいけど、明日に響かないかしら?
三:ああ、苦労したな。アルコールを実装した当初は試合をすっぽかすAIが多かったぜ。寝過ごしちまってさァ。
炎:……い、今は?
三:学習したからホドホドにな……まァダメな時はNPCの球団職員が球場までは連れてくが、大抵使い物にならねェだろうから、スタメン落ちだろうな。
砂:あぶさんみたいにはいかないんですね~。
炎:ここはもう酔っ払いが騒いでるだけね……次に行きましょうか。
(中略。複数の場面を経て、野球場のスタンドへ)
砂:はい、球場に戻ってきました~! いや~、楽しかったですね! 振り返ってどうですか、ふれいむ☆さん! 私は全部良かった!
炎:ゴリラが図書館で哲学してたのは笑ったわね。それにしても……イグマとミカドみたいな飲んだくれもいたけど、意外とみんなオフでも練習してるのね。
三:まァ、野球が好きだってヤツじゃねェとなかなか上達しねェから、そういう集まりになってくるワケよ。
砂:あとは娯楽施設だと、スポーツ系のところが人気でしたね。ボルタリングとか、フットサルとか。やっぱり体を動かすのが好きってことですか?
三:そうだな。普段使ってない筋肉を使うとイイ刺激になんだろ? そういうのを求めてんだろうな。
炎:筋肉が考慮されるゲームっていうのもすごいですね……ええと、他はどうかしら?
砂:ナイルちゃんが発見できなかったのが残念だったなー……あの、選手の現在位置が分かるようになりません!?
三:あー……エリア間移動も行き先が分かるようにしてるから、ストーキングはできるぜ? バスに乗ったときは行き先表示されてたりな。ゲーム的に位置情報を出すかどうかは、検討させてくれ。
砂:課金するのでぜひ! ぜひに!
(ガキィ! という打撃音が響く)
炎:? ああ、今二軍の試合をやってるのね。
砂:おおう、どれどれぇ? お、サンドスターズの二軍と、ナイトメアの二軍かー……最下位争い……ううッ、頭がッ……。
炎:………。
砂:おや? どうしました、ふれいむ☆さん?
炎:見覚えのある背中が……ねえ、あれって。
(カメラ、内野席の最前列、フェンスにかぶりついている大きなトラ系ケモノの姿を映す。タイミングよく、ちらりと振り返るケモノ)
炎:だ――ダイトラ……!? あんた……ラビ太とかメリーちゃんはオフでも練習してるのに、優雅に試合観戦!?
砂:えぇ……ケモノ選手も観客席に来るんですか?
三:あァ……仕組み的にはな。プレイヤーのいない席になら座って見れる。ああやってフェンス前に行くのは満席時、それもどうしても観戦したい、という場合ぐらいになるはずなんだが……立ってると疲れるし……。
炎:どう見ても空席あるし……最下位争いの二軍の試合を……?
砂:わかりました。ついに二軍に追いやられるので、下見に来たんですね!
炎:煽ってくるとこ悪いけど、わりとそれはツナイデルスにとっても朗報だわ。
砂:そうですか~? セクシーとやって勝つときって、いっつもダイトラがマスクじゃないですか。
炎:あれは何の相性なのかしらね……大した活躍はしてないんだけど……。きっと周りがダイトラに任せてられないからって頑張ってるからじゃないかしら。
砂:そこんとこどうですか~、ミタカさん!
三:まァ研究したら何か分かるかもしれねェが……。
砂:しないのです?
三:……ダイトラだぞ?
炎:あぁ~……。
三:AIの頭の中身の解析ってパッとはできねェし……すげェバグでもない限りは、時間かけられねェな。
砂:なるほど。ああ、そろそろ時間です! お忙しいところ、ありがとうございました! ゲストはふれいむ☆さんと、開発者のミタカさんでした! また見てね! チャンネル登録よろしくぅ~!
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