懇親会と二つのドラフト

「ケモノプロ野球リーグの成功を祈って! 乾杯!」


 宴会場に野太い乾杯の声が上がり、グラスの打ち合わされる音が続く。


 ドラフト会議が終わり、数時間ほど個室で取材を受け続けた後、再び宴会場に戻ってくると、すでにオーナー同士での懇親会が始まっていた。先ほどの乾杯は俺の入場を見て、もう一度仕切りなおしだと上機嫌に言ったタカサカの呼びかけのものだ。


 タカサカ、二位以降のドラフトでもクジ運強かったからな……。


「お疲れ様です、ユウさん。インタビュー、長かったようですね」


 出迎えたイルマが、グラスに入った麦茶を渡してくれる。見ればイルマも麦茶を持っていた。他の大人は大体アルコールだったのだが。


「ありがとう。イルマの方もインタビューは受けただろう?」

「こちらは六球団合同でしたから、さほど大変ではなかったですよ。しかし――球団か。自分の所属をそう表現するのは、なんとも面映い感じがしますね」

「そうですか? 私はすごくワクワクしますよ」


 言って近づいてきたのは、女将のヒナタだ。こちらも手にはノンアルコールのオレンジジュース。


「お帰りなさい、ユウさん。ここにいさせてもらっていいですか? 酔客の相手は慣れてますけど、せっかく今日は自分の旅館じゃないんですし、ノンアルコール組に混ざりたいです」

「そう言うことなら、ワタシも混ぜてもらって構わないかな?」


 さらに続いてやってくるのは、ダークナイトメア仮面。こちらは――手に何も持っていなかった。


「……ノンアルコール組として?」

「というか、ノー飲食組だがね」

「……仮面、脱いだらどうだ?」

「次回までに改良するとしよう。立食パーティーで絶食、なんて洒落にならんからな? ハッハッハ」


 俺は素顔を知っているが……というか、素顔はダークナイトメア社のホームページで「このリンゴ、私たちが作りました」って感じの写真で公開されていたと思うが……本人がそれでいいなら、いいか。


 鳥取サンドスターズ担当のスナグチは、元甲子園球児ということもあって、野球好きのタカサカに酒と共に絡まれていた。スナグチも負けずに飲んでいるし、楽しそうだからいいだろう。

 シオミはヒナタの祖母、ミドリと一緒に静かに話し込んでいる。電脳カウンターズ担当のユキミは、一人で端の方で飲み食いしていた。あの痩せ型の体で、すごい勢いで食べている。どこに入ってるんだ、あれ。


「あれ、ライムちゃんは一緒じゃないんですか?」

「張り切りすぎて疲れたのか、寝そうだったから先に帰した」


 インタビューに同席して写真を撮ったり名刺を交換したりと、張り切って働いてもらった。気力に体力がついていかないのが不満げだったが、それは成長すれば克服できるだろうと諭してやっと帰っていった。


「彼女は優秀だな。ぜひ我がダークナイトメアの幹部として欲しいものだ」


 社名的に、誘われるライムが悪役に見えてくる。……リンゴ農園なのだが。


「今度、うちに一緒に遊びに来てくださいよ。ユウさんとライムちゃんだったらいつでも歓迎しますよ」

「忘れないようにしよう」


 無期限の割引券とやらを貰っているし、一度老舗の旅館を体験してみるのも悪くないかもしれない。


「しかし、伊豆とは意外でした。静岡県はサッカー王国の印象が強いのですが」

「あら、そうでもないんですよ? 静岡県にだって野球好きはたくさんいますし、プロのオープン戦を行う球場もあります。静岡市長が球団を作りたいと言っていたこともありますし、浜松市の方では新しく球場を作る話もあります」


 イルマの言葉に、ヒナタがスラスラと答える。


「なかなかうまくいってないようですけどね」


 ニコニコと笑って。


「そこへ先駆けて、私が球団のオーナーになるわけです。ふふふ、県民の方々が知ったら驚くでしょうね。いつの間にかプロ野球チームのホームになってるんですから」

「ゲームのですけどね」

「ゲームだとしても、よくできたゲームです。私、試合を見て感心しました。へたくそなことを除けば、あれはもう現実の野球じゃないですか」


 ヒナタがあけすけに言ったとおり、ケモプロの選手たちの評価はいまのところ「へたくそ」だった。エラーも多いし、戦術面でも稚拙さが目立つと。


「ですからオーナーになることにしたんです。本物と変わりないものだから。ああ、早くツツネ監督のもと、プレーのうまい球団になって欲しいですね」

「監督――?」


 瓦ノ下ツツネ。キツネの未亡人だ。ポジションはショートストップの九番打者。伊豆ホットフットイージスのドラフト一位指名選手。


「ええ、そうですよ」


 ヒナタは得意げな顔で言う。


「ツツネさんは監督になってもらいたくて、一位指名しました。しばらくはプレイングマネージャーをしていただきますが、将来的には監督に専念してもらいます」

「監督なら、もう少し下の順位でもよかったのでは?」

「そうとも女将。おそらく誰も指名しなかったと思うぞ?」


 イルマとダークナイトメア仮面が指摘するとおり、ツツネはよい選手とは言えない。打率も低いし、守備力も飛びぬけて高いというわけではない。


「でも『肉食ウォリアーズ』のチームメイトですから、それを目当てに指名する人がいたかもしれないでしょう?」


 ヒナタは二人を見てニコリと笑う。


「指名回数を増やすように要求しましたけど、チームに必要なほかの人材を優先して指名していたら、ツツネさんはドラフト終了後のランダム配分枠に行ってしまいます。それならいっそ、一位で指名したほうが気持ちいいじゃないですか。チームの顔になるんですし、それだけの価値はあります。ツツネさんはムードメーカーだし、チームメイトへの気配りができて、いいまとめ役になると思いますよ。それに」


 ヒナタは力強く言う。


「ツツネさん、着物が似合うと思うんですよね!」

「……ベンチではユニフォームしか着ないぞ」

「残念。アップデートで私服が公開されることを期待します」


 確かにオフに私服を着る予定はある。

 ――セクはらデザインの服だが。……着物ならダサくはならないか?


「波乱のドラフトにそんな意図があったとはね」

「女将もなかなか肝が据わっているな。ハッハッハ」

「あら、一番えげつなく虎さんを獲りに行った人たちには言われたくないです」


 やんわりとヒナタは笑う。


「それにあれの──本当の狙いは、兎さんでしょう?」

「む……どういうことだ? 確かに最後のほうで指名されたが……」


 ヒナタは「簡単なことです」と解説する。


「虎さんと兎さんはセットですから。別々の球団に行くようなことをしたら漫画のファンの方に怒られてしまうでしょう? 虎さんが一位なら兎さんは二位……と見せかけて、他の選手を獲りにいく作戦ですよ」

「……なるほど。してやられたな」

「そんなにうまくはいきませんでしたけどね」


 イルマは微笑みを浮かべて言う。


「実のところ、絶対取れと代表に言われていたのはダイトラではないのですよ」

「あら、やっぱり虎さんじゃなくて兎さんだったんですね」

「ええ。彼は少人数チーム故に、全試合に出場した経験豊富な選手ですからね。経験だけなら全球団一だと考えていい。その経験と──ハードスケジュールでも故障しなかった体を評価しています」


 肉食ウォリアーズは最終的には最下位だったが、後半戦になるにつれ失点は減っていった。肉食からドラフトで選出されるなら、その功労者の兎――ラビ太が筆頭だろうという予想があったとは聞いている。


「ダイトラを一位指名すれば自動的に獲得が約束される――そして余禄に大きな話題性もついてくる。よい手だと思いませんか?」

「私も上位指名は考えていたのに、ずるいです」

「これは失礼。ただ、せっかく人間同士の駆け引きが使える場面ですからね。……まさか似たようなことを考える球団が他に二つもあるとは思いませんでしたが」

「は……ハハハ! 高度な頭脳戦だったのだよ、うむ!」

「あら、そうだったんですね」


 ハハハ、ふふふ……と表面上は微笑ましいやり取りが続く。表面上は。


「兎さん一位ならともかく、虎さんから、というのは本当にしてやられた思いです。ねえ、ユウさん?」

「俺は、そちらの記者会見でイルマが発表したことのほうが驚いたな」

「ああ──話がまとまるのに時間がかかりましてね、連絡をするタイミングがありませんでした。申し訳ない」

「そうとも! ワタシも驚きだ。こちらも急いで手配しなければな……まったく、今年はプロ野球といい、ケモプロといい、ドラフトには驚かされることばかりだ」

「ああ、アレですね! プロのドラフト会議! すごいですよね、どうなるんでしょう?」


 ダークナイトメア仮面の言葉に、ヒナタはグイッと食いつく。


「蹴るんでしょうか? ドラフト一位――オオムラカナさん」



 ◇ ◇ ◇



 時はさかのぼって、10月25日。


 翌日26日に控えるプロ野球のドラフト会議の話題で持ちきりだったテレビ番組内のスポーツコーナーは、どの番組もその一角であるニュースを、おまけ程度に発表した。


 2009年、リーグ開幕時以来行われていなかった、日本女子プロ野球機構――JWBLでのドラフト会議の実施。

 女子プロ野球四球団で行われるそのドラフトで、全球団が同一選手を一位指名をした。オオムラカナ――棚田高校のノックの女神で、全国大会で打率十割を達成し、とぼけたインタビューから打撃の女神ならぬ『打撃のメガネ』と呼ばれるようになった、俺の幼馴染を。


 あるスポーツ番組のコメンテーターはこう言った。


「話題づくりでしょうね。女子プロはタイガ君を逃して以来、パッとしませんから。競技人口は増えつつあるのに球団数が増えないのがいい証拠です。全球団が一位指名する、しかもなかなか可愛い子が入れば、来客も見込めますからね。そういうことでしょう。確かに十割はすごいですが、所詮女子の大会での記録ですからねえ」


 他の番組でも、どこのスポーツ系メディアでも、大体がこんな調子だった。むしろ取り上げてさえいないところが多かったと思う。


 その翌日。10月26日。


 プロ野球のドラフトは大いに注目されていた。

 三年間甲子園で活躍を続けていた怪物打者。そして新星のごとく現れたもう一人の怪物。いや新星というか、埋もれていたというか。無名の公立弱小高校を率いて、四番ピッチャーでほとんどの試合を完封し自ら決勝点をあげる。そして甲子園決勝でついに怪物打者を全打席無安打に抑え――東北勢初の優勝校となったのだから、世間の騒ぎようといったらなかった。


 ドラフト一位指名は、怪物か、新星か?

 いったい何球団がどちらを指名するのか?

 ただそれだけに全野球好きの目が集まっていた。


 ――かくして一位指名のドラマが終わり、ドラフト会議が終了。テレビでの放送も終わった後に、もうひとつの事件が起きた。


 ドラフト会議後、球団の『支配下登録』ではない『育成選手』を採用するための育成選手選択会議が続けて行われる。


 支配下登録選手とは、要するに一軍と二軍だ。特に、一軍の試合に出る権利がある選手のことをいう。これには明確な人数制限がある。

 対して、育成選手は人数制限がなくいくらでも獲得自体は可能だが、一軍の試合に出ることはできない。年俸も支配下登録の選手が最低440万と定められているのに比べ、最低240万となる。二軍の試合にも五名までしか出ることができないため、一部の例外を除いて育成選手はほんのわずかしか球団は採用しない。


 その一部の球団だけが、育成二位以降も指名を続けるのが定番だったのだが――今回の育成選手選択会議は、八位指名になっても四球団が指名を続けていた。そして九位以降からは、いつもの球団が指名を終わり、普段はせいぜい二位どまりの二球団が指名を続ける。


 後に記者会見で正式に発表されることになったが、情報を持っている記者や野球に詳しいファンならばすでに知っていた。十二球団のうち二球団だけが編成している『三軍』。それを今年から新たに二球団が編成する、という情報を。


「第十三位指名。一巡目――」


 けれど、こればかりは誰も知らなかった。


大村オオムラ 奏奈カナ 外野手 私立棚田高等学校」


 女子プロ野球で全四球団からドラフト一位で指名された選手が、育成ドラフト十三位で指名されるということは。



 ◇ ◇ ◇


 夕方のニュース番組、そのスポーツコーナーにて。


「というわけで、本日はプロ野球評論家のマルオカさんに来ていただいております。マルオカさん、早速ですが今回のオオムラさんの件、いかがでしょうか」


「いや、非常に驚きましたね。まったく前例がないことです。私も番組に出るにあたって急いでいろいろ調べてきましたので、まず――視聴者の皆さんのために、プロ野球選手になる方法、というのを説明させてください」


「確かプロ志望届というものを提出する必要があるんですよね?」


「ええ、普通のね、高校で野球をやってる学生は、高野連に所属することになります。で、高野連からプロになるためには、届けを出す必要があります。届けを出して初めて、NPBからドラフト指名を受けるわけですね」


「指名を受けなかった場合はどうなるのでしょう?」


「NPB以外にもプロ野球というのはあって、いくつかの独立リーグがあるんですが、NPBから指名を受けなかった選手は独立リーグが指名可能になります。まあここでも指名がかからなければ、プロにはなれないわけです」


「なるほど。女子の場合はどうでしょう」


「実は女子の場合は、通常は、プロ志望届は必要ありません。日本女子プロ野球機構――JWBLが年に何回か行っている合同入団テストに参加し、合格すれば入団という形になっています」


「ではオオムラ選手は入団テストを受けたのでしょうか?」


「調べたところ、受けていません。むしろ、NPBの方のテストは受けたそうですが」


「それでは女子プロに入団できないのでは?」


「と、ここがひとつ面倒なところで。オオムラさんは男子野球部のマネージャーを兼任していたんです。そしてマネージャーは高野連に所属することになります。そうして高野連に所属している場合は、女子プロを目指す場合でもプロ志望届の提出が必要になります。もちろんオオムラさんは提出済みですね。で、先ほどの話にもありましたが、独立リーグ。プロ志望届を出すと、独立リーグからも指名可能になるわけです。そして女子プロ野球は独立リーグ――『扱い』ですね」


「『扱い』、というと」


「男子の独立リーグは日本独立リーグ野球機構という組織に所属してます。独立リーグ野球機構が日本プロ野球機構と、選手に関する取り扱いを決めているわけですね。ところが、女子プロ野球機構は、独立リーグ野球機構の所属ではなく、『協力団体』です。協力関係にあるわけですから、一応足並みは揃えているわけです。プロ志望届の部分などがそうですね。ですが、規則に縛られているわけではない」


「厳密には別の組織であると」


「そうです。NPBのドラフトより前に入団テストを行い、プロ志望届を出していない選手を獲得しているのは、本来ならおかしなことです。実際、男子の独立リーグでは入団テストはドラフト後に行っていますからね」


「なるほど。ということは女子のドラフトについても実際は制限がないと」


「そういうことです。2009年以来やっていなかったドラフト会議を急遽行ったのも、オオムラさんを指名するためでしょう。ドラフトで指名すれば『契約交渉権』が得られます。これは排他の権利で、交渉権をもたない球団はその選手と契約できませんし、選手も指名した球団と契約しなければ、来年のドラフトまで契約できません」


「しかしオオムラさんは男子と女子、双方からドラフトで指名されました」


「厳密に言えば、JWBLは日本プロ野球機構の傘下にないわけですから――まあ、どちらの交渉権も生きている、と考えるのが妥当ではないでしょうか。これはNPBの怠慢というか、驕りかもしれませんね。タイガ選手というすばらしい選手が女子から出てきた時点で、きちんとするべきだった。ところがプロ志望届なしでの入団を許すなど、女子プロを軽視していた結果がこれです」


「オオムラさんは今後どうなるのでしょう?」


「NPBとしても前日とはいえ、女子からドラフトがかかっているのを知って指名したわけですから、おそらくどちらの交渉権も生きている。そして一方を断ったとしても、もう一方の交渉権が無効になることはないでしょう。オオムラさんがどちらを選択するか、という話になるかと思いますね」


「オオムラさんの選手としての評価はいかがでしょうか。女子ドラフト全四球団一位指名、NPB育成ドラフト十三位指名ということですが」


「タイガ選手と比べるとNPBのドラフトは低すぎる気はしますね。まあ、タイガ選手は大学野球で実績がありましたが、オオムラさんは公式戦は女子の試合しか行っていないので、男子と混じった場合は未知数だと考えられているのではないかと」


「マルオカさんとしてはいかがですか?」


「女子の全国大会の決勝だけ映像がありましたので、それと大会のスコアを見ただけでの話になりますが、私個人としては非常に優れた選手だと思います。大会十割というのは男子でもない記録です。もちろん男子と女子では環境も違いますし、7イニングス制なので打席数も少ない……ざっくり男子の6割ぐらいです。しかし――ちょっとこの映像を見てください」


「全国大会の決勝での、オオムラさんの打席ですね」


「非常にシャープなスイングです。それからバットを見て欲しいんですが、これ、木製なんですよね。オオムラさんは全試合通して木製バットを使って――ホームランを打っている。これはひとつの判断基準になると思います。というのも男子でも女子でも高校野球では金属バットの使用が許可されていますが、金属は木製より飛ばしやすいんです。女子はプロでも金属バットを使いますが、NPBは金属バットは禁止です」


「ということは、それだけパワーがあるということですか?」


「パワーもあるでしょうが、それよりミート力でしょうね。木製はボールを芯で捕らえないと飛距離が出ないんです。そのため高校野球では木製バットで練習することはあっても、試合ではほとんど使いません。彼女はスコアを見るとそのすべてが長打ですから、バッティングセンスはすばらしいものを持っていると言えるのではないでしょうか」


「では、NPBに行っても活躍できる?」


「それはわかりません。甲子園の怪物だってプロでは苦労しますからね。しかし、女子プロに行けば向かうところ敵なしじゃないでしょうか。女子プロの本塁打王は年二本程度といいます。オオムラさんの大会本塁打数は、それを上回る三本です。これは甲子園でも難しい記録です――試合数を考えれば脅威的と言っていいでしょう。男子プロと違って、女子プロと女子高校野球では実力差はあまりないと言われているようですので……全球団が一位指名した気持ちも分かります」


「なるほど。マルオカさん、ありがとうございました。最後にオオムラさんを指名した球団の記者会見の模様をもう一度お送りして終了させていただきます」


 ◇ ◇ ◇


 ドラフト終了後の記者会見の模様。


「――ということで合同で入団テストを行い、三軍を作るための戦力を育成ドラフトで補充したわけです。これで四チームが三軍を持って、試合のスケジュールが作りやすくなり、選手層のレベルアップを図っていくことができます」


「その育成ドラフトで指名した十三位の女子選手について、意図を教えてください!」


「うちの入団テストを受験して、基準を満たしていたので指名しました」


「女子がチームに入ることについて、いろいろ反発もあるのでは?」


「タイガ選手という前例があるのに、うちができないわけがありません。監督と主要な選手の了解はとってあります。問題ないと考えています」


「オオムラさんは女子プロからも指名がかかっていますが、それは?」


「女子は女子、うちはうちということで。まあ今後はどうにかしてほしいですが」


「オオムラさんを獲得する予定はあるのでしょうか?」


「なければ指名しません。こちらの交渉権は有効だと考えています」


「オオムラさんに伝えたい言葉はありますか」


「……そうですね。ぜひ、チャレンジしてほしい。以上です」

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