【PR】「ケモノプロ野球リーグ」本日情報公開!観戦するのがゲーム? クラウドファンディングも行う、その挑戦的な内容を聞いてみた。

 野球ゲームの老舗といえば例の会社が思い浮かぶだろう。だがまったく別の、今年設立されたばかりの会社が、新しいタイトルを引っさげて野球ゲーム界に乗り込んできた。

 いままでの野球ゲームといえば、実在の選手を操作して試合をすることがメインだったが、本タイトルでは実在の選手はいない。それどころか、操作もしないという。

 ではいったい何がどうゲームなのか? 開発・運営会社の(同)KeMPBに話を聞いてきた。本誌独占のインタビューをここに公開する。


(事務所の画像)

※KeMPBの事務所。事前に「オンボロですよ」と言われたが本当だった。


(ユウとミタカの画像)

※KeMPBのメンバー。右が三鷹飛鳥氏、左が大鳥遊氏。なんと大鳥氏は現役の高校生でもある。


|あの『監督すべき子供たち』のcontuguu氏が参加する開発会社


本誌:

 本日はよろしくお願いします。あの「監督すべき子供たち」を作ったcontuguuさんの新作情報ということで伺いました。こちらの方が……?


大鳥遊氏(以下、大鳥氏):

 申し訳ありません。contuguuは都合が合わなくて。こちらはAI技術担当の三鷹です。


三鷹飛鳥氏(以下、三鷹氏):

 よろしくお願いします。


本誌:

 そうですか、残念です。KeMPBは大鳥氏が現役高校生ながら設立された会社で、contuguuさんはその専属メンバーということでよいでしょうか?


大鳥氏:

 ええ。contuguuがメインプログラマーをしています。


本誌:

 失礼ですが、大鳥氏は前歴が確認できませんでした。どうして会社を作ることに? しかも高校に通いながらですよね。


大鳥氏:

 contuguuとは旧知の間柄で、ゲーム制作について相談を受けていたのです。それで今回のゲームを作るにあたり、その規模の大きさから法人化が必要になりました。他のメンバーには開発に専念してもらいたいので、必然的に私が代表になった形ですね。


本誌:

 なるほど。失礼ですが、年下が代表だとやりづらいこともあるのでは?


三鷹氏:

 毎日生意気なことばかり言われますよ(笑)。


大鳥氏:

 自分でもそう思います。


三鷹氏:

 こういうところですよ、わかります?


本誌:

 なるほど、わかりました。


|野球が好きだけど好きじゃない人向け? ケモノプロ野球リーグとは


本誌:

 さっそくですが、新作ゲームのコンセプトについて教えてください。なんでも、野球ゲームなのに操作はしないそうですね?


大鳥氏:

 はい。選手も監督も操作しません。それらはAIで自動的に動きます。


本誌:

 チーム運営をするわけでもない。


大鳥氏:

 そうです。プレイヤーの皆さんは観戦をします。これまでの野球ゲームでも観戦モードはありましたが、その結果はプレイヤー間で共有できませんでした。このゲームでは、ひとつの試合結果をプレイヤー全員で共有する形になります。イメージとしては、別世界の野球中継が配信されるものだと思っていただければ。


本誌:

 なるほど。NPB、MLBなどに続く、新しいリーグの放送が始まると。しかし、それは「ゲーム」なのでしょうか? 確かに試合のことを「ゲーム」とは言いますが。


三鷹氏:

 詳しくは後でお話しますが、ゲーム的な要素もありますよ。


大鳥氏:

 そもそも今の野球ゲームは、自分のようなライトプレイヤーには難しいのです。操作も、対戦環境もですね。しかし、野球は好きです。とはいえ、プロ野球に熱心なわけでもない。となると――自分には野球を楽しむ場がない、ということに気づきました。そこで楽しめる場を新しく作ろう、という発想から開発が始まりました。


本誌:

 確かに、自分も野球は好きですがプロ野球ファンの談義に混ざれるほど詳しくないですからね。なるほど――分かってきました。


|人間味あふれる選手を作るため、コストをかける


本誌:

 ではゲーム内容について詳しく聞いていきたいのですが。


大鳥氏:

 ではゲーム画面を見ながらお話しましょう。


(ゲーム画面)

※ケモノ選手たちが野球をするゲーム画面。いろいろな視点で楽しめるという。


本誌:

 いわゆるケモノですね。だいぶ顔はリアル寄りですが。


大鳥氏:

 彼らが野球をします。


本誌:

 なるほど。選手の頭の上に出るこの「フキダシ」のようなものはなんでしょうか? 野球っぽいアイコンが出ているものもありますが。


大鳥氏:

 これは現在の選手の思考ですね。本タイトルではすべての選手に独自のAIが乗っていて、自身の判断で野球をするようになっています。


本誌:

 というと? AIは普通のゲームでも使われていますが……。


大鳥氏:

 例えば普通のゲームではストライクゾーンは厳密に判定されています。AIの側ではそれが分かっているのに見逃しや三振をするのは、そのように調整されているからです。本タイトルでは、投げたボールがストライクかどうかは、バッターのAIと審判のAIがそれぞれ独自に判断をしています。


本誌:

 それぞれ独自に?


大鳥氏:

 バッターから見てボールだと判断して見逃しをしても、審判のほうではストライクに見えたから、判定はストライクで取られる、ということですね。たとえ本当はストライクゾーンを通っていなかったとしても。


三鷹氏:

 補足すると、ゾーンの判定には深層学習を使っています。投球の映像を何度も見せて解析して判定できるようにしているのです。距離情報は各AIには渡さず、あくまで映像から判断させています。


※深層学習については「こちら」の記事がわかりやすくまとめている。


本誌:

 ええ……いや、待ってください。なんとなく仕組みはわかります。しかし、おそろしくコストのかかる方法を取っていますよね? そこまでしなくてもいいのでは?


大鳥氏:

 確率でストライクゾーンの判定を誤る、としたら、その確率を設定した側に文句をつけますよね。そういういかにもゲーム的な設定では、人間味がでない。


本誌:

 人間味、ですか。


大鳥氏:

 30%の確率でヒットを打つ、と設定された選手が打率3割1分でシーズンを終えたら、「乱数がそれほどぶれなかったんだな」と思うでしょう。しかし、よく分からないけど打率3割1分でシーズンを終えた選手だったら、乱数のせいだけとは思わないんじゃないかと思うんです。


本誌:

 まあ……そうですね。


大鳥氏:

 そういう理屈の分からなさのため、深層学習を導入したのです。


三鷹氏:

 AIの判断力に関しては、こちらが設定したものはありません。ストライクゾーンも、ボールの落下位置の予測についても、すべて個別に条件を設定して学習させています。


本誌:

 そこまですれば、個性もあるでしょうね……なるほど……。


三鷹氏:

 またAIは記憶を持っています。このシーンで解説すると、バッターは前回外角高めを投げられているので、記憶にそれが強く残っている。それを元にキャッチャーの配球を読んで、内角低めのカーブを予想していますね。


本誌:

 バッターの予想が見れるということですか。


三鷹氏:

 今回はバッターの予想が表示されていますが、キャッチャーも、ピッチャーも前回の投球や相手の調子をみて思考しています。全部表示するとごちゃごちゃになるので、思考の強度などをパラメータ化して選択し、飽きさせないよう表示していますよ。


本誌:

 なるほど……今度はバッターとキャッチャーの両方で表示されましたね。バッターが低めのスライダーを予想、キャッチャーの要求も低めのスライダー……あっ、空振りましたね。高めにすっぽぬけたから? あっ、キャッチャー怒ってピッチャーに投げ返しましたね。なんでだろう?


三鷹氏:

 低め狙いだったことがわからなかったんじゃないですか。空振りは偶然助かったものだと。


本誌:

 なるほど、ヘボキャッチャーですね。


大鳥氏:

 どうでしょう。人間臭く見えてきましたか?


本誌:

 あっ……確かに。


|UGCも想定。実況者募集中!


本誌:

 なるほど。魅力の一端が見えてきた気がします。これを放送すると。


大鳥氏:

 ゲームクライアントとWebでの視聴ができるようにします。見逃し配信もしますよ。


本誌:

 その二つの違いはなんですか?


三鷹氏:

 プレイヤーが応援のため、アバターを送り込んでリアルタイムに観戦できるのがクライアント版。Web版はアバターの操作はできません。視聴専用ですね。


大鳥氏:

 どちらも視点変更は同じようにできます。


本誌:

 なるほど。観戦客としてのアバターですか。


三鷹氏:

 ゲーム的な要素として、チームの応援は選手の精神面に影響しますよ。


本誌:

 というと、応援が多いほど選手の能力が上がる?


三鷹氏:

 一概には言えません。応援が多いと緊張したり、張り切りすぎて空回りするかもしれません。まあ、基本的には応援が多いほうがいいようになっていますが。


本誌:

 人間臭さを追求してますね。視点変更はどのような視点があるのですか?


大鳥氏:

 一般的な野球中継で放送されるカメラの視点、すべての観客席の視点を選べます。変り種としては、ベンチ内からも見れますよ。


本誌:

 それは面白そうですが、多いと選ぶのが大変そうですね。


大鳥氏:

 テレビ放映のように自動で切り替わるカメラも用意しています。ただそれでは物足りない、自分で画面を作りたい人は、ぜひ切り替えをこだわってもらえれば。


本誌:

 というと、ユーザーがゲーム画面を配信することも想定していますか?


大鳥氏:

 はい。成績もリアルタイムで見ることができるので、自分で画面を編集して野球中継のようなことをやってほしいですね。


三鷹氏:

 というか、公式の放送では実況音声は載せないので、ぜひお願いしたいところです。


 ※インタビュー後、正式に問い合わせをし、案内をいただいた。ゲーム画面の編集配信はすべてOKとのこと。ニコ生主、Youtuber、いそげ!


|開幕は四球団? クラウドファンディング次第では十二球団にも!?


本誌:

 ところで、放送は無料で見れるんですよね?


大鳥氏:

 はい。放送を見るにあたっての課金は一切必要ありません。


本誌:

 でも収入がないと会社は成り立たないですよね。失礼ですが、そのあたりはどうなっているのでしょう?


大鳥氏:

 オーナー権と、広告収入と、応援課金がメインです。


本誌:

 広告収入は、球場の広告と同じと考えていいですね。


(ゲーム画面)

※本誌でも広告枠を都合していただいた。バックスクリーンに燦然と輝く本誌の名!


本誌:

 応援課金というと?


大鳥氏:

 試合を見るだけなら無料ですが、アバターに応援グッズを持たせるなどの要素が課金方式になっています。


本誌:

 なるほど……オーナー権というのは?


大鳥氏:

 現実のプロ野球を題材にしているならすでに各チームにオーナーがいてチーム名も決まっていますが、これは架空の世界なので。各球団のオーナー権を、企業・団体に年間契約で販売しています。


本誌:

 なるほど。すでに決まっているのですよね?


大鳥氏:

 ええ。四球団決まっています。島根出雲野球振興会様がオーナーの、「島根出雲ツナイデルス」。鳥取野球応援会様がオーナーの、「鳥取サンドスターズ」。衣料品チェーン店のセクシーはらやま様がオーナーの、「東京セクシーパラディオン」。


本誌:

 セクシーパラディオン。


大鳥氏:

 略して、セクパラです。パラディオンはギリシャ・ローマ神殿における守護の木像ですね。


本誌:

 な、なるほど……もうひとつは?


大鳥氏:

 「青森ダークナイトメア」です。


本誌:

 ダークナイトメア。


大鳥氏:

 りんごの品種名とそれを販売する会社名でもあります。


本誌:

 強そうですね……。


大鳥氏:

 強そうでしょう。


本誌:

 ええと、島根、鳥取、東京、青森でしたか。では四球団によるリーグでしょうか?


大鳥氏:

 クラウドファンディングが成功しない場合は、そうなります。


本誌:

 クラウドファンディングを行うのですね。


大鳥氏:

 はい。本来想定している形を実現するためには資金が足りないため、クラウドファンディングをやろうということになりました。資金が集まれば、球団数は増やせます。


本誌:

 なるほど。


※以下が予定されているリワードとストレッチゴールの一覧だ。

 5$……ベータテスト参加権と、正式サービス開始時に好きなチームのアバター用ユニフォーム一着との引換券配布。

 10$……5$のものに加え、応援キャップ、タオル、メガホン、ジェット風船x10(消費アイテム)配布。

 20$……10$のものに加え、始球式に自分のアバターが登場(人数制限あり)

 50$……20$のものに加え、獣子園に参加する学校名の命名権(ストレッチゴール達成後、人数制限あり、審査あり)

 25,000$……チームのオーナー権を獲得(人数制限あり、法人のみ、審査あり)


 ゴール……50,000$(達成しない場合、四球団リーグとして開始)


 ストレッチゴール

 150,000$……二軍の試合放送

 200,000$……獣子園の放送

 400,000$……十二球団のリーグに

 800,000$……獣子園の予選放送


|何十年と続いて運営していきたい。KeMPBの展望とは


本誌:

 サービスですが、ぶっちゃけたところどのぐらい長く続ける予定ですか?


大鳥氏:

 止めるつもりはありません。


本誌:

 というと……?


大鳥氏:

 終わる予定はないです。


本誌:

 それはまあ、始まる前ですからね。


大鳥氏:

 何十年と、それこそ自分が死んだ後も続くようなものを作るつもりです。


本誌:

 だ、大丈夫ですか。開発者がそう言うゲームほど長続きしないジンクスがあるような気がするんですが。


大鳥氏:

 プロ野球は今年で八十周年でしょう。


本誌:

 それは三年前ですね。


大鳥氏:

 そうですか。ともかくたくさんのファンに支えられて長く続いているわけです。野球にはそれだけのポテンシャルがあると信じています。ですから、ずっと続けられるよう、応援されるものを作ります。


本誌:

 なるほど。本日はありがとうございました。


 若き高校生が率いるだけあって、若さのパワーにあふれた内容だった。ケモノプロ野球リーグ。略してケモプロ? ケモリーグ? すでになかなかの完成度に見えた。ベータテストは九月から開始される。いち早く視聴したい人、六球団リーグにしたいひとはさっそくクラウドファンディングに投資しよう。あっ、編集長、うちで1チーム買うのはどうッスか? ダメ?

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