何もない
何もない
私には、何もない
大切なものがない
守るべきものも、守りたいと思えるものも
守ってほしいと言ってくれる人もいない、知らない
金もない
田舎育ちが十代の終わりに東京に出てきた
夢もない
かつて抱いた憧れと野心はとうの昔に朽ち果てた
趣味もない
趣味を持とうとはすれど、いつもすぐに飽きて
特技もない
いつも履歴書の欄を埋めるのが苦痛だった
何もない私には、何もない
自分に自信が持てないの
一端に仕事をこなせこそすれ
人に勝るところなんてない
一体何を糧に生きていけばよいの?
多くの人が解いた課題に、未だ太刀打ちできず
歳を重ねるほどに、自分の無力を感じるの
何もない
本当に何もないのよ
明るい未来も、誇れる過去も、語れる
要らない物で溢れた部屋の片隅で
私は今日も泣いているのよ
メンヘラ女が吐き捨てたコトバ、または詩のようなナニか 速水大河 @taiga
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。メンヘラ女が吐き捨てたコトバ、または詩のようなナニかの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます