第62話 誇り高き勇者は荒ぶる神の名を受けて

雷羽が新たに手に入れた力、森羅万象の書の力は俺たちのチームの中で間違いなく陰陽師との戦いでまごうことなき切り札となった、そしてそのことは柚希達勇者の一族のチームにもその情報はすでに伝わっていた、1つのチームを全滅させた1人の勇者の一族の男が剣を携え立っていた、そう彼、彼こそが荒神来斗、伝説の勇者だ、また彼のもつ力じたいも非常に強大でその気になれば間違いなく神にも悪魔にもなれるからだ、彼は勇者の血と能力の他にも神妖である荒神である雷神の力を受け継いでいるからだ、奇しくも氷河と雪羽の力とも本質的にはあまり違いはないのだが、勇者の一族の女の子が来斗に「感じてましたか?錬金術師の子が新たな力を生み出したこと?」と問いかけると来斗は空に飛び上がり着地すると「ああ、柚希もいずれはあの頂きにきっと辿り着く」と言った、そしてその頃俺たちはしばしの戦いの間の休暇を皆それぞれに楽しんでいた、際羽と柚希は剣術の修行を霊羽と俺は川で釣りを雷羽と遥香は川遊びを楽しんでいた、そしてそんな中、遥香は雷羽にある問いを投げかけた「森羅万象の書の力だけどその後はどうなの?うまく扱えてる?」と雷羽に遥香は「まだなんともね少なくとももう闇の錬金術師の禁書の力で変身しても暴走はしなくなったかな?」と疑問そうに答えた、そして時同じくして勇者の一族のチームは陰陽師のチームとの戦闘に入った、戦闘経験が浅いものを狙う陰陽師達だが一陣の風とともに怒りの雷撃が陰陽師達を襲い青白い火花を飛び散らせて爆発し戦闘不能になった、そして空には飛行能力で飛び上がり激しい落雷とともに立つ変身した来斗の姿があった、青色と金色、そして背中には赤色のマントに身にまとい、まさにその姿は誇り高き勇者は荒ぶる神の名を受けてといったところだった、六芒星の光弾を陰陽師達が放ったその瞬間、来斗は手に持った剣で次々と爆発とともに次々と薙ぎ払いそしてそのまま剣で火花とともに斬り裂き爆発の炎とともに1人の陰陽師を戦闘不能にした、また六芒星の光弾を来斗は片手の手のひらで爆発とともに防ぎ、そして右手に炎の竜巻を作り出して放つと陰陽師達を一網打尽に戦闘不能にした、そしてそのまま金色の光をまとわせたニーキックと回し蹴りでその残りの陰陽師達を次々と蹴散らした、そして次第に夜が明けていく決闘のルールでは基本的に一対一の戦闘が基本だが俺や氷河のような飛び抜けた力を持つ者には大勢で挑むことも正式に許可されている、荒神来斗、彼にもどうやらそのルールが適応されていたようだ、柚希も雷羽の宿した森羅万象の書のもつその強大すぎる力をどこか危険視はしている、何故ならそれは存在と無の地平線を軽々と容易く飛び越えてしまうほどの力だからだ、もちろん精霊三体変身のそしてその先には雷羽が生み出した森羅万象の書と同様の力が待っている、そしてそれは同時に勇者の一族であり鬼の一族、童子の力をその身に宿す柚希もいずれは必ずその力に辿り着くからだ、そして柚希は自分の手の震えを感じていた、それはその力を自分がうまく使いこなせるのか?というか単純かつ率直な疑問が彼女の中にずっとあるからだ、雷羽は柚希のその手の震えを気にして「大丈夫、闇の錬金術師の禁書の暴走した力も今はちゃんと使いこなせる、そして私はここにいる」と柚希を励ました、そしてその瞬間、赤色の光弾が雷羽と柚希の2人めがけて飛んできた雷羽は全身を黒色で包み薄水色の竜巻とともにその赤色の光弾を防御し爆発させ闇の錬金術師の禁書の力で変身した、柚希も同時に青色の光とともに勇者の鎧に身を包みそして変身を遂げる、どうやら俺たちのチームの中ではどのチームからも雷羽はまず倒さねばならないような相手のようだ、雷羽は剣を逆手持ちに柚希は日本刀を構えたまさにその時、上空から俺たちに奇襲を仕掛けてきた複数のチームに向けて雷撃が放たれ青白い火花ともに殆どが戦闘不能になった、雷雲を切り裂いて変身した荒神来斗が俺たちのチームのもとに加勢に駆けつけたのだった、来斗めがけて飛んできた赤色と青色の光弾、そしてそれに気づいた雷羽は逆手持ちにした剣に青色の光と薄水色の光をまとわせて一振りで衝撃波とともにその赤色と青色の光弾を瞬く間に遮断した、そして雷羽はまるで獣のように飛び上がり逆手持ちにした剣や手足に薄水色の光をまとわせながら次々と他のチームの生徒達を火花とともに薙ぎ払う、柚希も負けじと赤紫色の光を手に持った日本刀や手足にまとわせて次々と他のチームの生徒達を倒していく、来斗はその目に宿した能力を色として認識できる能力を持つ柚希は能力の色は赤紫色、そして今の雷羽の能力の色はダークブルーと薄水色に来斗のその目には写っていた、そもそもの話、今の雷羽と柚希、来斗を相手にした時点でここまできたらもうどこにも逃げ場所はないというのが今の他のチームに突きつけられた現実だった、来斗は「出雲先生は彼がどんな力が育つのか興味を持っている以上は俺たち勇者の一族は黒斗達の敵ではない」とそう来斗に雷羽の力の存在を伝えたのは出雲先生だったのだ。

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