第46話 迷いながら 悩みながら 悔やみながら 決めればいいさ

学園武闘祭に正式に対魔士が参戦することが決まり伊邪那美家の対魔士である私、伊邪那美祭羽は色々と迷い悩んでいた、日本刀を振るいながらも私はどこかで悩んでいた、学園武闘祭への参加は対魔士の養成学園の先生が選んだ選択だ、それに比べて私はいや私自身はむしろ何もない空っぽだ、自分にずっと嘘をつき続けているにちかい、そして同じ日本刀を持っている彼女、武蔵十夜が私に歩み寄ってきた、十夜は私に「ちょっと手合わせしないお互いに変身能力は使わずに」と言って木刀二本を地面に突き刺した、私は手に持っていた日本刀を納め地面に突き刺した木刀を抜いた、十夜も地面に突き刺した日本刀を抜き手にとったお互いの日本刀はちゃんと納め置いているが、十夜からも迷いや悩みは感じられた、そしてお互いの剣技がぶつかりあうなか十夜の悩みと迷いが理解できた、そしてそれは下級妖怪に戦いで遅れをとっていることだった、そしてそのことに関しては確かにだが漆黒の銀翼に所属していた黒斗、霊羽、雷羽、神威の4人比べて十夜と天音の2人は下級妖怪との戦闘経験がこれといって全くないからだ、そしてお互いに息を切らして寝転びながら空を見上げた十夜は私に「私もあんたも焦る必要はないんだよ、みんなそれぞれに答えを探しているんだし」とそう、走り屋たちは走り屋たちなりの答えを探して、黒斗達も黒斗達なりの答えを探している、そしてもちろん私達、対魔士も対魔士なりにあるはずの答えを探している、そして心のどこかでモヤモヤしていること気づいた十夜は私に「迷いながら 悩みながら悔やみながら決めればいいさ」と言って立ち上がり去っていた、そしてその言葉は今までモヤモヤしてそして空っぽだった私の心に光が射したようにそう感じた、あるはずの答えを探すのは難しいことであり簡単なことでもある、不思議だが見上げた青空が青く澄みきっていくそして私は立ち上がり歩いていた、まだまだ迷っても悩んでも悔やんでもいい、そして対魔士としての私も完璧であって不完全なのだから、そう人は誰しもが必ず完全完璧じゃない不完全なところがあってこその人なのだ、だからこそ果てしのない道の中で皆がそれぞれに答えを探す迷いながら悩みながら悔やみながら、そうだと言うことを私は伊邪那美家という言葉を盾にして逃げていたのだろう、でももう逃げない、もう嘘の支配はいらないから、霊羽が伊邪那美家に戻らない理由は嘘やしがらみ、いざこざが家で絶えないからだ、そしてそれは伊邪那美家の対魔士となった時から私は感じていた心のどこかで胸に突き刺さった棘みたいなものがあったからだ、そして私以外の対魔士の誰もが家や何かしらのしがらみやいざこざに揉まれている日々を過ごしている、答えはあるようでないそしてそんな答えを求めて皆それぞれに強くなる、私は昔、黒斗から言われた言葉を自然と思い出していた「いいか、お前を信じるな、俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ」という言葉だった、八咫烏になぜ彼が適合者になったのかは今思えばそのことを不思議と納得できる言葉だった、そう思っていると一人でたたずむ八咫烏に私はでくわした飲み物を二人で飲みながら私は八咫烏に「あんたは黒斗に能力を移植して正直どうだったの?」と聞いた、すると八咫烏は嬉しそうに笑うと「お前はつまらないことでがんじがらめになりたいのか?違うだろ人ってのはぐるぐると螺旋で回るドリルみたいなもんだ、つまづいて失敗して負けてさらに強くなる、成長ってのはそんなもんさそしてその進化はやがて天も次元も突き抜けるからさ」と言った、確かに十夜は今まで以上に心身ともに強くなっていたそしてそれは紛れもなく昨日までの自分を飛び越えた証だ、そして私は八咫烏に「そうね、家のしがらみとかいざこざなんて正直どうでもいいわね、私が私自身がこの学園武闘祭楽しまないと」と八咫烏は「どうだ、少しは気が晴れたか?まだ答えは出せないだろうけどそれでいいんだ、そのうち答えには勝手にたどりつくさ」とそして八咫烏は私に「人間ってのも妖怪ってのも最初はみんな空っぽなんだよ、そこに意味を求めるからこそ面白いんだよ」とそう、人間だろうと妖怪だろうと最初は何もない空っぽの存在だ、そこに意味を求めるからこそ面白い、空っぽだからこそ無限の可能性がある、そして答えは焦らずにじっくりとたどりつけばいい、ただ、それだけのことだった、そして歩いていると私に天音が「お〜い!祭羽〜!」と手を振りながら駆けてきた、私は「あなたが鶴崎天音さんね」と返した、天音は「そうだよ!悪いけど拳法の稽古の手合わせ頼める?」と私に質問した、霊羽は拳法の腕は3分の一人前だが私はそれなりの心得がある、天音はそのことを知っていたのだ、そして私はその誘いを私はこころよく引き受けたのだった。

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