第1話 新居の裏口が異世界に繋がっていた

俺は「唐竹浩二」。

しがないサラリーマンだ。

そんな俺が、高卒から就職を果たし、今年30歳。ついに子供の頃からの夢だった「一軒家購入」の夢が叶った。

しかも豪邸で低価格!

願ったり叶ったりだ!



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「おー、着いたぜ!!」


「で、でけぇ...でかいってのは知ってたけど、ここまででかいとは...」


そして俺たちは新たな新居に到着した。そこは、不動産屋から歩いて40分ほどで、若干木々に面した場所で、とんでもない敷地面積だった。


「早速中に入ろう!」


「ちょ、お前もうちょっとゆっくりだな...」


「もういいじゃん!この家、俺たちの家なんだから」


「そ、そうだけどよ~...」


そして俺たちは鍵を開け、玄関に入った。


「玄関広っ!?」


ドアを開け、玄関に入ると、前の家のリビング1部屋分の広さのある玄関だった。


「おい、浩二...これ、お前一人じゃ絶対広すぎるぜ...」


「そ、そうだな...」


そして、俺たちは恐る恐る部屋にお邪魔した。


「お邪魔しまーす...」


「いやもう浩二の家なんだから言わなくていいじゃん」


「でも、あの玄関の広さで前の家とのスケールの違いに気づいて、俺の家じゃないみたいな感じがするんだよ...」


最初はどうってことないでしょ!と思っていたのだが、玄関の大きさのスケールの違いに度肝を抜かれ、呆然とした状態だった。

そして、その呆然の状態ながらも、部屋の構造などをしっかりと確認した。


「1階部分で5部屋、2階部分で4部屋、3階で2部屋、1階と2階にお風呂場、1階奥にキッチン...」


「こうして考えてみると、とんでもない物件買ったなこれ...」


「ああ、そうだな...この物件10人でも余裕そうだ...」



「お前、俺と一緒に住むか?ルームメイトみたいな感覚で」


「い、いいのか!?」


「別にいいぞ。こんなに部屋あるし、絶対1人じゃ生活するには無理あるしな」


「やったー!助かるぜ!俺、未だに実家暮らしで、親に迷惑かけっぱなしだったからな!恩に切るぜ!浩二」


「いいんだって!俺たち、親友だろ?」


「こ、浩二~~...うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」


「おいおい、いい年になって泣くんじゃねえよ...」


「すまん、俺、以外に涙腺が弱くてな...」


「いや、その情報いらんよ!誰得情報だよ!」


「まぁ、とりあえず家の構造とかは全部見終わったな?」


「いや、一箇所だけ見てないところある!」


「ん?どこだそれ?」


「キッチンの奥の裏口だよ」


「あんなもん、確認しなくてもわかるだろ、裏口だぞ?裏口は裏口以外の用途はないでしょ」


「まぁでも、どこに出るとかを把握することに損はないんじゃないか?」


「まぁ、そうだな、もしも犯罪か何かに巻き込まれた時に、にげれるからな...確認するか」


そして俺たちは、裏口前に行った。


「ここだな...開けるぞ...」


「おう...」


こんな喋り方をしてるけど何かしら怪しいものがあるとかじゃなく、至って普通の裏口だ。


そして、裏口を開けた。


「う、うわぁっ!!!な、なんだこの光!?」


「目が痛い!!」


至って普通の裏口に見えていたが、戸を開けると、そこには眩しすぎて目が痛いほどの光が俺たちに差し込んでくる。

だが、その光にも慣れてきて、どんどん光の正体が見えてきた。


「な、なんだこの光の道は!?」


そこに広がっていたのは、現実の屋外の景色...ではなく、明らかにありえないであろう光の道が通っていた。


「まさか、曰く付きの訳ありって、ここのことか...?」


「とりあえず、通ってみるか...」


「そうだな...」


そして俺たちは、その光の道へと入っていった。



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「しかし、なんだこの道は...明らかに現実のものではないよな...?」


「だよな...」


俺たちは裏口に入ったはずだ。なのに、今通っている道は、明らかに現実のものではない、光の道。

こんな話、ファンタジー小説でしか見たことないわ。


そうこう言ってるうちに、目の前に一本のはしごが見えてきた。


「は、はしご...?いきなり現実的になったな...とりあえず登るか...」


「そうだな、怖いけど登るか...登らなきゃ話にならんしな...」


そして、俺たちははしごを登った。


「お、光がなくなってきた!空が見えてきたぞ!ん...空が見えるっておかしくね!?」


「まぁ確かに、裏口から入ったのに上を眺めて空が見えるっておかしい話だよな。それだったらなんではしごがあるんだってとこだけど」



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そうこう言ってるうちに目の前の光から抜け出し、ようやく出ることができた。


「な、なんだここ...?」


そこは、限りなく続く広い平原、俺たちが知らない飛行生命体などがいた。


「ここって、異世界なのか!?」


「多分、そのようだな...」


こんなにもあっさりと異世界という風に認めたくはないが、現実では見たこともない生物と、広がる限りの平原、そして現実世界よりも澄み渡った青い空。

どうやら俺たちは異世界に来てしまったらしい。


「まさか、今まで1週間以内に10人以上連続でいなくなったのって、異世界のこっちの世界でやられたとか...?」


「その説はあり得そうだ...」


となると、俺たちもいつでも死と隣り合わせってことだから、自分の体は自分で守るよう徹しないといけないのか...


それだけでも十分驚いたのだが、もう一つ、驚く点を見つけた。


「そういえば、さっきから俺たち、見えてる視点が低いのと、声、高くないか?」


「確かにそうだ...って、えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」


「はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?な、な、なんで俺たち二人の姿が幼女になってるの!?!?」


二人がお互いを見合った時、なぜか俺たち二人は、幼女になっていた。


「ま、まさか、幼女ってことは、上は!?流石にないか...でも若干の胸の膨らみと、女の子独特の柔らかさ...絶対これ女体だ...」


「あっ...ん...」


「おい、お前、何女の声出してんだ」


「すまんすまん、下についてるか確認するだけで感じるとは...下についてあるゾウさんのお鼻がないってことはやっぱり、俺たち二人幼女になってるってことか...」


俺たちは豪邸の怪しい裏口を通ると、異世界に到着し、さらには幼女の体になっていた。

これからどうなる!唐竹、共川!

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新居の裏口が異世界に繋がっていた件 ファイアー @faiaa565

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