新居の裏口が異世界に繋がっていた件
ファイアー
プロローグ 新居購入
俺の名前は「唐竹浩二」。
アラサーになった、しがないサラリーマンだ。
そんな俺の子供の頃からの夢は「一軒家を持つこと」だった。
親や周りからは小さい夢だと言われてきた。
だが、俺は一軒家に憧れていた。
「おい、唐竹、今月の給料明細だ」
そして俺は、上司に給料明細を渡された。
その給料明細と、今の貯金額を合わせると、ついに家を買えるほどの貯蓄に到達した。
高卒で就職して、今の今までどれだけの苦労をしてきたかわからない。
でも、その苦労が今日、やっと報われるのだ。
そして次の日は土曜日。休みだった。
俺は、翌日、不動産屋に行くことにし、心を弾ませていた。
「おい唐竹、だいぶとテンションが高いじゃないか。どうしたんだ?」
こいつは小学校からの幼馴染であり、親友でもある「共川 智安」。
昔からこいつのあだ名はともとも。
小学校からのあだ名だ。安直だが、本人も嫌っているわけではないので、ともともで呼ぶことにしている。
「ともともか。いや~、実は、ついに貯蓄が一軒家を買えるほどになってな。明日、不動産屋に行って、家、探すんだ」
「お前が一軒家だと!?結婚もしてないのに買うのか!?」
「結婚してなくてもしてても買うのは自由だしいいじゃん!子供の頃の夢が叶うんだぜ!?」
「は?お前、子供の頃からの夢って、一軒家買うことかよ!ちっせぇ~www」
「おい、草生やすな!これでも至って真面目なんだぞ!!」
「おっとおっと、すまんすまん!笑っちまった」
「まぁ、お前だから許すけど、他のやつだったらぶん殴ってた」
「おぉ~、怖い怖い!元ヤクザさん!」
「ヤクザって呼ぶんじゃねえよ!」
「とりあえず、明日家探すから、もし買ったらお前に連絡して、家に招待してやるよ」
「おう、わかった!せいぜい、ボロ屋だけは買うなよ!」
「当たり前だ!」
そう、俺は高校時代、ヤンキーの頭を名乗るほどの実力者であった。
もちろん、ともともも俺と同じヤンキーで学校全体で2番目の強者だった。
だが、高校2年の夏、親と先生から
「今のままだと就職もできないぞ!」
ていう風に言われてしまい、我に帰り、ヤンキーをやめ、勉学に励み、このように就職でき、一軒家を買う目標を達成できたんだ。
あの時の先生と親に感謝しなきゃな。
そして俺はその日、仕事を早めに切り上げ帰宅した。
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「ただいま~」
ただいまなんて言っても誰もいないんだけどね。
俺は一人暮らしのマンション生活。家では寂しさを紛らわすために、オンラインゲームをプレイしている。
食事を食べ、お風呂に入って、早速PCを起動し、俺の好きなオンラインゲーム「グランド・フューチャーズ・オンライン」を起動した。
「グランド・フューチャーズ・オンラインはメンテナンス中です。6月22日17:00~6月23日19:00終了予定です」
起動すると、そこにはメンテナンスの概要が出てきた。
「はぁ?メンテナンス?ふざけんな...しかもこんなロングメンテ、このゲーム始まって以来だぞ...」
半日メンテナンスは結構あったが、1日以上のメンテナンスは始まって以来だった。
「仕方ない、明日に備えて、早めに寝ておくか...」
俺はつけたばかりのPCをシャットダウンさせ、ベッドに体を横たわらせ、そのまま深い眠りについた...
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「ふぁあぁぁぁ...朝か...」
時計を見ると午前8時。10時間くらいは寝ていたようで、寝すぎで体が重い。
俺は眠たい自分の顔を水で洗い、リセットさせた。
そして俺はリビングに行き、テレビでニュースを見ながら、ご飯を食べた。
そして俺は不動産屋に行く準備はできたのだが、まだ朝の9時、不動産屋も開いていない。
そこで俺は、ともともにメールで連絡をとった。
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ともとも、おはよう。10時半くらいから、不動産屋に行くつもりなんだが、お前も一緒についてくるか?
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そしてメールを送信した。恐らくあいつのことだからメールは返ってこないだろうなと思っていたが、今日は返ってきた。
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おう!今日は俺も1日フリーだし構わんぜ。お前の家の購入のセンスとか見て嘲笑ってやるから、覚悟しておけ(^ω^)
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「くっそ...あいつめ、ふざけすぎだろ...」
でも、このメールがともともらしいといえばともともらしいと言える。
「とりあえず集合場所と時間を送っておくか」
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とりあえず集合場所は、渋谷駅前に10時集合でいいか?
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「送信っと」
そして俺はメールが返ってくる間に、支度を済ませた。
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オッケー了解!とりあえず今から俺も支度するから、集合場所の方に向かうわ。
ちょっと遅れるかもしれないから、その時はすまん!なんか奢るから!
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あいつ、奢るってほんとだろうな...そう思いつつ、メールを返した。
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奢るっていうの、信じてるからな。嘘だったらどうなるかわかってるよな...?
とりあえず、渋谷駅前でな!
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「さて、俺も行くか...」
そして、俺は渋谷駅前に向かった。
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そして渋谷駅前に着いた。
「遅いぞ、浩二!」
「おー、ともとも先に来てたか!待たせてすまんな!」
「いや、待ってないから、大丈夫!」
「そうか。じゃあ、不動産屋向かうぞ」
「おうよ!」
そして、俺たちは、不動産屋に向かった。
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「到着~!」
俺たちは不動産屋に到着した。
「この貼り紙に出てる家で、いい物件、ないかな...」
そして貼り紙に出ている物件をざーっと眺めていると、一際目立つ物件があった。
「な、なんだこの安い物件!?」
その物件は、庭付きのとんでもない豪邸物件だったのだが、値段がなんと800万円だった。
「この物件、絶対怪しい気がするけど、浩二、どうするんだ?」
「こんな豪邸物件でこの安さ、即買いだ!!!」
「そういや、こいつ興奮すると人の言葉が全く聞こえないタイプの人間だったな...」
何かしらごちゃごちゃと言っているともともを横目に、俺は店内に入った。
「すみません~!外に貼ってある800万の物件って、まだありますか?」
「あ、ありますよー!でも、あの物件、かなり曰く付きの訳あり物件なんですけど、大丈夫です...?」
「えーと、具体的には?」
「具体例には、そうですねー...安くて購入を決定した方々が、ものの1週間で、家を出て行くようなことが、今までに10件ほど連続でありまして...」
「おい、浩二、やめとこうぜこの物件...絶対なんかあるって...」
「いや、曰く付きだろうがなんであろうが関係ない!こんな豪邸物件でこの安さの物件は2度と出会えないかもしれない!」
「こいつ、本当に頭おかしいだろ...」
何か言っているともともを横目に俺は、購入を決断した。
「すみません!この物件にします!」
「後悔なさいませんね?」
「はい!」
「それでは、この契約書にサインをお願いします」
「わかりました」
そして俺は契約書にサインをした。
そこには「この訳あり物件で何かしらの事件が起きたとしても、我々不動産屋は一切責任を負いません」
という注意書きもされていた。
だが、俺はその注意書きがほとんどアウトオブ眼中だった。その結果が、後にあんな結果を招くとは思いもしなかっただろう。
「確かにサイン、受け取りました。それでは、物件の所在地のマップと、鍵をお渡しします。それでは、良い新居生活を!」
「はい!ありがとうございました!」
そして俺たちは不動産屋を後にした。
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「おい浩二、あの家でよかったのか...?絶対危ないって...」
「でも、買っちゃったものは仕方ないだろ!もう、行くぞ!!!」
「なんだよそれ!おい、待てよ!!!」
そして俺の新たな新居生活が始まろうとしていた。
あんなことが新居で起ころうとは...
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