第肆話『時の少女』
「ん...」
体が重い...何時間か寝ていたように重い。
いや、実際寝ていたのか?
俺はゆっくりと目を開ける...。
「やっと起きたのね!馬鹿!」
と、俺の耳のすぐ近くで甲高い声が鳴った。
「この声...桜か...?」
ふと思った声を口にだし、視界で確認しようとする、が
ガバッと桜だと思う人が俺に抱き着いた。
「桜...なんだよな?」
最終確認をする。
「心配させて...この馬鹿...」
ふと一つのことが頭に浮かんだ。
「桜……背縮んだ?」
「縮んでません!」
バシッと頭を叩かれる。
「あ、そういえばさ……」
「…なに?」
明らかに桜と違う声が流れ、数秒の沈黙……
「真矢クン、真矢クン、この幼女は誰ですか?」
桜が思考停止しそうな……いや、実際して言った。
「私は…真矢の…嫁っ!(どやっ」
その謎の少女は自慢げに言った。
またも数秒の沈黙……
「真矢ク〜ン、いつの間にこんなに小さいお嫁さんを貰ってたのかな?(^ω^💢)」
桜が本気で怒ってる……。これは非常に……。
「いやー全く知らないんですがそれは…」
俺はありのままの本心を言った。
「真矢…私と逃げよう」
少女は親指をグッと出した…正しくキリッと効果音が鳴りそうなほどまでに…
「なんですって!真矢は渡さないんだから!」
意味不明なことを言う桜。
「…それはこっちのセリフ…」
どっちのセリフでもないと思う。
バチバチバチと2人の目線から火花が散ってきた。
「良い加減に落ち着け」
バシッと2人の頭を手刀で優しく叩いた。
「あう…」「む…」
と2人は声をこぼした。
「落ち着け、そして俺も落ち着く」
そして、俺が頭の中で整理をしているうちに日が落ちてきた。
「ふむ、もうそんな時間か、真矢帰ろ」
「そうだな」
そう返事をし、帰り道へ歩く。
一瞬学校の事を考えたが最悪明日に言い訳をしよう。
「で……だ、真矢クン」
桜が俺の家の前に来て急に言った。少し怒りの感情が入っている……。
……正直俺も嫌な予感はしてた。そう、してた。
ガチャっと玄関を開けた……
やはり、そこには先ほど時の少女が家の玄関前にいた。
少女は「ん?」と言いたそうな顔で首を傾げる。
「一応聞く……何でいる?」
苦し紛れの一言。
「どうして?昔から私、ここに住んでる…」
俺と桜の2人は顔を見合わせて同時にため息を吐いた。
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