第4話
私とヒロは関西だけど、
京都と大阪でかなりお互いの家が遠かった。
十代の遠距離はフットワークが軽いせいか距離なんてへっちゃらで距離が会うまでの心拍数をあげてくれた。
付き合ってから毎週土日はヒロの家か私の家に近い大阪の繁華街でデートを重ねた。
デートの帰りには決まってヒロはこう言った。
「今日はどれだけ好きになってくれた?」
目を細めて微笑んだヒロをみてるうちに自分がどんどんヒロの事を好きになっていくのが分かった。
だけど、
調子に乗らせるまいといつも少な目に手を広げて「・・・こんぐらいかな今日はあんまり」と、
嘘をついてヒロのがっかりした顔を見る事を密かな楽しみに私はしていた。
いつだったかな、
混雑した駅のホームで待ち合わせした時のこと。
いくら待ってもヒロ来ないし、
イライラして、
「一体どこにおるんよ~!待ちくたびれたわ!早く来てよ!!」
と眉間にシワ寄せながらキレて、
「今、どこにおるんよ!!
!あんたは!」
勢いよくヒロに怒鳴りながら電話掛けているとヒロが、
「後ろ。」
って…「えぇ~""」真後ろに立ってて驚いたことがあった。
ヒロは時々サプライズのイタズラを仕掛けては、
からかって楽しんでた。
私もそんなヒロのことが好きで、
ヒロと会うデートの日の時間はあっという間に一日が過ぎて24時間ぢゃなく48時間になればいいのにとか本気で考えたりしていた。
プラトニックLOVE。
無邪気で濁りの無い時間。
好きって気持ちだけで他は何も要らなかった。
黄昏時の駅のホームの大きな柱にもたれてるヒロに、
サプライズ。
私からキスをした。
ヒロには教えてなかったけれど、
初恋と初kissをヒロに捧げた。
ドキドキして心臓が口から飛び出てきそうで、
甘くて爽やかで世界で一番幸せだと錯覚する程に新鮮で鮮明なkissをした。
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