あたらしいのりもの
@skunk-nation
第1話
「ちょっと寄り道してもいいかな?」
突然ボスが言い出した。
「いいですよ」
「いいよー」
二人が答える。
「じゃあ行こうか」
そう言うと、進路を変え着いた先はだだっ広い駐車場だったが、壊れたバスが数台隅に放置されているだけだった。
「バスを駐車したりパーク職員が乗り物を停めていたんだ。整備工場もあるからバスの点検をするよ」
ボスがそう言いながら建物に付いたが、半壊している。
「アワワワワ…アワワワ…」
フリーズしている。
「ボスぅー」
「ラッキーさん…」
「ピコン!ガチャガチャガチャ」
まだ壊れていない方のシャッターをボスが開ける。
そこにはバスではなくパーク職員が放置していった、古びてホコリの被った一台の乗り物があった。
「ボスぅこれもバスなの?何かカクカクしてる」
「屋根も低いし、車体が地面に着きそうですね」
二人が乗り物を観察している。
「キュキュキュキュキュキュブォン…ボボボボボ…」
ボスがエンジンを掛けると凄まじい音と共に二人が驚く。
「うわぁ!びっくりした。もうボスぅー。すごい音、怒ってるみたい」
サーバルちゃん達が驚いている横でボスが。
「これは乗り物の一種でスポーツカーと言って速く走るんだ。でもこれはドリフト使用だね」
…ドリフト…知らない言葉に二人は?マークが浮かんでいる
「乗ってみよう」
そうボスが言うと三人が乗り込む。
「危ないからベルトを締めてね」
「ブォン!キュキュキュキュキュ」
ベルトを締めるとタイヤを空転させて一気に走り出した。
シートに押し付けられる初めての感覚に驚くかばんちゃん。
「はやいはやーい、誰も追いつけないよ」
サーバルちゃんは窓から見える景色を楽しんでいる。
「じゃあいくよ」
その瞬間車体が斜めになった状態で滑り出す。
「キュキュキュキュキュ」
スキール音が響き後ろから白煙があがっている。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「どうしたんですかラッキーさん」
驚く二人にボスが
「これがドリフトだよ」
何故か得意気に聞こえる。
駐車場内を何周も走り回って楽しんでいたら。
「パンッ!」
音とともに制御がきかなくなる。
その先には放置されたバスがある。
「ぶつかるぅぅぅぅぅぅぅ」
言いながら、二人は反射的に身構える。
「キキキキーッ」
いつもとは違う冷静なボス、なんとかバスの手前で止まった。
「滑りすぎて、タイヤが破裂したみたいだね」
あっさりしすぎだ。
「これも楽しかったけど、やっぱりいつものバスのほうがいいや」
「そうだね。ゆっくり景色も見れていいね」
そう言いながらバスに乗り込む。
「じゃあ、行こうか」
おわり
あたらしいのりもの @skunk-nation
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