第4話 幼少期 逆転
学校から帰ると、知らないおじさんが母親といた。中にはお小遣いくれる人もいた。不思議に思ったが、嬉しい方が強かった。
そういう時は母親の機嫌が良い。
さすがに父親も勘づいたのか、父親は母親が出掛けると、後をつけるようになった。
「お母さんは、男の人と遊んでいる。」
父親が言うようになった。
もう、父親がいるいない関係なく出歩くようになった母親の行動は分かりやすかったのだろう。
だだ、『それ』は相変わらず続いている。特に父親と母親の『それ』は一層酷くなっていく気がする。
突然、父親が私を名を呼ぶ声がする。
「○○○、来て!」
慌てて行ってみると、母親が包丁を片手に父親に向けている。
「殺してやる!」と息を荒らしながら。
普通なら、子供ながらに慌てふためくとこだが、何故かいたって冷静であった気がする。
「どうせ、やらない。」
「やれるものなら、やってみれば」と
数々の母親の父親に対するパフォーマンスだと思われる光景を見てきたからであろう。
こんなこともあった、同じように父親に呼ばれて行ってみれば焼け焦げたカーテン…
「家に火をつけてやる!」
とカーテンに火を着けたらしい。
さすがに、ゾッとした。
父親は何を言っても、何をしても母親には敵わない。完全に父親と母親の力関係が逆転したのだった。
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