第3話 幼少期 それ2
母親は、一度機嫌を損ねると人間性が豹変する。私は常に母親の顔色を伺いながら暮らし、危険を感じると近寄らないようにした。だが、「○○○、こっちに来て!」母親の私を名を呼ぶ声がする。心臓の鼓動が早くなり、今から起きるであろう『それ』を考えると逃げたくなるが、後のことまで考えるととても怖くて無理だった。「はい!」仕方なく返事をし母親の所へ行く
「なに?」「ちょっと座って!」
今から『それ』が始まるのだ。
豹変した母親のしつけという名の『それ』は半端ではない。深夜まで正座をさせられ怒鳴り散らされ、また精神的に追い込まれるのだ。また、何より恐ろしかったのは体罰である。ビンタをされ口を切るは日常的、酷いときは、着ている服を無惨なまでに力任せに破られ、火を着けたマッチを体につけられたことや線香をつけられたこともあった。最初は脅すだけだったが、次第に直接体につけるようになった。
「ごめんなさい!、ごめんなさい!」
泣いて謝っても無駄だった。
『それ』は母親の気がはれるまで続く…
近くに父親がいることもあったが、一切口を出さなかった。
ある日の夜、突然母親に言われた。
「家を出るから用意して!」
私達兄弟と母親はタクシーに乗った。
しかし、追いかけてきた父親に弟は連れ戻された。私はどこかのホテルに母親と1泊して家に戻った。その日の晩は、やけに雷が凄く豪雨だったのを覚えている。
母親の父親に対するパフォーマンスであっただろうか、段々と父親の威厳が無くなって行くように感じた。
この頃から、低血圧と言っていた母親は起きてくることは無くなり、朝食は父親が作るようになった。
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