第25話

奏という女の子を僕は妄想していたころの話。

夢の中に一人の少女の幻影を作り出した。彼女の名前は奏。まだ幼かったころの妄想の話をする。

「奏~今日はどこに行く?」

「さぁどうしよう?」

「どこにしよう?」

「公園にでも遊びにいく?」

「そうしよう。そうしよう」

僕らは公園で遊んだ。長い間二人で遊んだ。あまりに遊びすぎた。

「さぁまだ遊ぼう」僕がそういったのを思い出す。

「もういい」奏がある日急に真面目になってそう告げた。

「なんで?」

「夢の国?」

「違うよ。公園だよ」

「もういいの」

さっと奏の熱が冷めてしまった。遠くへいく奏が雪の中に消えていく。

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短編集3 m @miniminiBIG

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