3:悪魔にだって事情はある。 サルフィ

「おいサルフィ、捜査の進捗はどうだ。」

...開口一番がこれとは。


数時間にわたって俺はアジト内部の反乱分子を探していた。

数百年生きてきた俺は大して生に執着はないが、ここにいて、あいつの指示に従っていれば大抵のことは保障されるし、何よりあいつが喜ぶ。

ただ今回は少し事情が違う。 相手は大きな動きをしていない上に、証拠はきれいに消されているのだ。


(くっそ、革命派はどこに居やがる)

<眼>をとばしてさがす というのは、便利であるがゆえに疲労も大きい。

そろそろ”成分”――俺がここにいるための力――も残り少ない。

しかし俺を縛る契約者...ミナセの言葉がなければかえれない。


そんなときだった。俺の<眼>と一緒にとばしていた<耳>が情報を仕入れて戻ってきたのだ。

聞けば次の新月になにやらコトを起こすらしい。


(これを報告して帰ろう。)


先ほどより少し軽い足取りで主のいる酒場へ向かった。

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