2:中堅の苦難 ミナセ

「おいサルフィ、捜査の進捗はどうだ。」

この質問をするのももう何回目になるだろうか。

相手ももううんざりしているのだろう。顔に書いてある。

「今のところうごきはありません。」

簡潔な言葉で返してくる部下...否、使い魔は、そうしてすぐに消えた。

新たに何か見つけないと契約は解消だといったからだ。


―――売れ残りの彼をもらったのはもう1年も前の事だ。

人間との契約のなかで精気を得て生きている彼らは人間との契約によって命をつないでいる。

”売れ残り” というのは死刑宣告にも等しい、だからこんなところにもホイホイついて来てしまうのだろうが...


何にせよもうこれ以上仕事をする理由はないだろう。

今日はみんなして飲みにいってしまった。

――俺は仕事してんだがなぁ...

今文句を言っても仕方がない。机の上の書類を丁寧にそろえると、俺は酒場へと向かった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る