第9話 帰り道…俺の失態。

はぁー…俺のほうが高校生としての一般的な過ごし方とかを知らなかったんだなぁ…それにしてもやっぱこんなに可愛い幼馴染は俺にはもったいないんじゃないのかねぇ…


『…くんっ。たっくんっ!』


『はっ!?』


『もぉっ。ちゃんと私の話聞いてるのっ?』


『ご、ごめんっ。ちょっと、考え事してたんだ…』


『むーっ…ダメなんだよっ?女の子といる時は、他の事で気をとられるなんて、嫌われちゃうよっ?』


すいませんっ。今頃になって、俺もう幼馴染じゃないほうが貴女とやり直せる気がしてならないんですよ。この中途半端な感じから抜け出すのは俺の下手な例えでいうとRPGで両者共に瀕死の状態であと1発喰らわせたら勝てそうなのに先手をとれずに痛恨の一撃を喰らわせてきてそれをひらりとかわすくらい難しいと思うんですよ……ねっ?分かり難かったでしょう?下手でしょ?


でも、こんなシュチュエーションを味わったことのない人にすれば今の俺の発言は確実にその人の逆鱗に触れていることになるのでしょう。とすれば、やはりこの関係にあることはとてつもなくラッキーなのですね。うんっ!やっぱ今の考え捨てるっ。


『かえちゃんも…?』


ちょっと拗ねたように聞いてみた。


『むぅぅ…その聞き方はずるいよっ!で、でも、あんまりひどいといくら私でも嫌いになっちゃう…かも?』


『なんで疑問形?』


『うぅっ…だってたっくんのこと嫌いになるとか考えたこともないからいまいちわかんないんだもんっ。だから濁した言い方になっちゃうのは当然なのっ!』


『そ、そうなの?』


『そうなのっ!』


おいおい今度はあっちが拗ねてしまったぞ。うわぁ…可愛過ぎんだろ…上目遣いで見つめないでくれっ!だってもう俺の心臓が鼓動をどんどんと早めて…こんなの、すぐにバレてしまうっ…!


やっぱりまだ俺には女の子耐性がなさ過ぎる。どうにかしてこのかえちゃんのスキンシップともいえる密着の仕方に慣れないと、デートのたびに俺は寿命を削っていかなければならなくなってしまうっ…!


『天ヶ瀬、天ヶ瀬〜です。鳴咲学園は最寄り駅です。』


アナウンスで降りる駅に着いたことに気づく。


駅を出てすぐーー。


『楓?それに拓真くん?』


『あっ、胡桃先輩。どうも。』

『く、胡桃っ!?』


なぜかかえちゃんは俺の背後に回る。


『おーっ?もしかしなくてもデートしてきたのかな?ん?んーっ?』


近いっ!近いっ!なんでスポーツ系なのに巨乳なんだっ!?無防備にも開放感のかたまりともいえるノースリーブなんて着てくれちゃってっ!身体のラインがくっきりと出てしまってるじゃないかっ!


『ま、まぁそんな感じですかね〜〜あははっ。胡桃先輩こそ今日はどうしてたんですか?』


『私?私は今日は競泳水着を見に行ってたんだけど…なかなかいいのがなかったのね。デザインは気にするし胸のサイズも考えるとなるとかなり条件が厳しいからねぇ……てか拓真くん?話聞いてる?』


胡桃先輩の水着姿かぁ…一度見たことあるけど出てるところは出てるし締まってるとこは締まってるから、まさにぼんきゅっぼんって感じなんだよなぁ…


『おーい、拓真くん? エッチなコト考えたでしょ〜?』


上目遣いってヤバイな!?DT童貞を殺しにきてる感じがするし。ましてや可愛いんだからさらに危険度が増すよね。


『すいません。先輩の水着姿を思い出してました。というかなんか暑くなってきましたねぇ…』


『もうっ、拓真くんってば相変わらずエッチなんだから…まぁでも春も終わりかけだし、確かに暑くなってきたよね〜。』


『いやぁ…先輩が魅力的なものでつい…。』


『またまたぁ…ほんと人のこと褒めるの上手いんだからぁ。勘違いされても知らないよーっ?』


『勘違いって…そんなことされたことありませんよ。てかなんか暑さが増してませんか?』


そう言い終わる前に胡桃先輩が俺から逃げていくように離れていく…


『あはは…その理由は後ろを見ればすぐわかるよっ…じゃ、じゃあ私はこれで…』


『えっ?ちょっ、先輩!まだ話の途中じゃないですかっ!』


『また今度話そうっ?ねっ?私、用事思い出したからそれじゃねっ!』


『明らかに怪しいなぁ…ねぇ、かえちゃ…』


その直後、俺が目にしたものはこの先一生忘れられない、忘れてはならないものになるのであった…



続くーー。



作者より…

『感想をお待ちしておりますm(_ _)m』

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