第3話 ドタバタ初日、ワガママ幼馴染!

『えっ?たっくん?』


『確かに今、そう言ったよね?』


楓さん!?まずい流れが来てますよーー!?


あ!?たっくんって呼んじゃいけないんだったよ!?ううん…なんとか誤魔化さないと…


『な、なんだ。拓真くんじゃない?昨日はありがとう。い、一応礼を言っておくわ!』


って、そうだった。戻るってこういうことなんだよなぁ…


『あ、いえ。いつものことですし。』


『うーん?気のせいかな?』


『そ、そうよね?だって楓と拓真くんじゃ釣り合わないもの。』


悪かったですね!イケメンじゃなくて!かっこよくなくて!どうせ釣り合わないですよ!ええ!そんなこと俺が1番よく知ってるんですよ!でもそこの幼馴染がその考えをぶち壊してきてから期待しちゃうんですよ!色々!い!ろ!い!ろー!


『そ、それじゃあ、また頼む時はお願いね♪拓真くん♪』


『はい、じゃあまたの機会に。』


そしていつもとは違う?月曜日が始まった。


昼休み。LaIN(無料通話・無料メールアプリ)の通知音が鳴った。


『ん?楓姉かな?』


以下、スマホ画面ーー


『朝はゴメンね!私から地雷踏んじゃってー!』


『あはは…気をつけてね。楓姉。』


『むぅーっ!たっくん?呼び方戻ってるよー?』


『えっ!?ああ!ゴメンね。学校って意識し過ぎて忘れてたよ〜♪』


『LaINの時もかえちゃん♪って呼んで欲しいんだよ〜♪だから気をつけてね?たっくん♪』


『ああ、分かったよ。かえちゃん♪じゃあまた放課後ね。』


『うん!じゃあまた後でね!』


ーースマホ画面、終了。


キーンコーンカーンコーン…


あ、もうチャイムが鳴っちまった。


『おーい!拓真!次移動授業だぞ!早く準備しろよ!』


『あーっ!しまった!待ってくれ!すぐ準備する!』


『はぁーっ…ったく。しゃあねぇなぁ…』


その後、なんとか移動授業には間に合いました。あ、ちなみにさっきのやつは俺の一番の親友、神城 悠人。小学校からずっと助け合ってきたやつです。ちなみにイケメンです。モテてます。でも、彼は彼女を作ったことはないそうです。何故なんでしょうね?今度聞いてみよう。


さて、あっという間に放課後。約束通り、かえちゃんにLaINで一緒に帰れるか聞いたら仕事が残ってるそうなので、手伝いに行くところです。


生徒会長であることを忘れそうになるよなぁ。あんな姿を見てしまってるから。そんなことを考えながら俺は生徒会室の前に着いたのでドアをノックしてみる。


『すいません。2年3組の一条 拓真ですが。生徒会長はいらっしゃいますか?』


『あーっ!一条くんじゃない!久しぶり!』


『あっ!胡桃先輩!お久しぶりです!体育祭の準備期間以来ですね!』


『ホントだねー!今日はどうしたの?また楓にこき使わされるの?』


この人は美坂 胡桃。この学校の風紀委員長だ。明るくて、優しい。学園のアイドル的存在でもある。


『ちょっ!?胡桃!失礼ね!拓真くんは、幼馴染だからいろいろ助けてもらってるのっ!』


元々は絶対違うと思うけど…その言い訳を昨日より前からしてきてないよね?かえちゃん?さすがの俺も一昨日まではそんな感じには思えない奴隷感だったよ?


『あはは、まぁ少しはこき使われたりしましたけど、いろんな手伝いに来て胡桃先輩や裏方の人にお礼を言われた時は嬉しかったですし、嫌という程ではないからいいですよ。』


嘘ではない。


『へぇーっ!拓真くんそんな風に思ってたんだー!意外だね!普通なら逃げてもいいのに。』


『俺にとっては逃げても無駄だと思うんですが。』


『…あはは、確かにそうだねぇ。楓に目をつけられたらもう終わったも同然だもんねー。』


こりゃ駄目だ。芝居だったとはいえかえちゃんの独裁政治感が出過ぎてる!とにかく、なんとかしないと!


『胡桃先輩。あのぉ。なにかお手伝いできることないですか?』


『ううん。もう終わるからいいよ?』


『終わりそうなら俺がやりますよ。というかやらせてください!』


『う、うん?じゃあお願いね。それじゃ帰らせてもらうから、あとよろしくっ!バイバイ、拓真くん♪』


ぐっ!?あの人…最後にウインクしてきた!俺にとっては効果抜群です。ってそうじゃないだろ!


『ふぅーっ!ゴメンね。かえちゃんのことバカにしてるふりとはいえ、胡桃先輩を追い出すのに時間かかって。』


『うえーんっ!たっくんひどいよぉ〜!嘘にしてもひどいっ!』


ええっ!?だって…あなた一昨日まではそうだったでしょ!確かに言い過ぎかもだけど、それだとこれまでのかえちゃんのことをどう説明するのぉ!?俺も手に負えないよ!


『わ、悪かったよ!とりあえず…一緒に帰ろ?じゃないとまた誰かに会っちゃうかもしんないから。』


『うん…』


無言…それが10分続きます。


『あのぉ〜?かえちゃん?どうしたら機嫌なおるかな?ゴメンね。俺もう分かんないから直接聞いちゃった。』


『じゃあ、手、』


『手?』


『手ぇ繋いで?』


えぇっ!?だから初日!まだ初日だから!せめてもうちょい時間を下さい!で、でも…また泣かれたら…ええいっ!くそっ!


『分かった。ただし、今日だけだよ?』


『うん!』


はぁー…もう頭ん中ぐちゃぐちゃ。誰か助けて…嬉しい分、その2倍、3倍大変な状況に遭うんだけど!そして、住宅街に戻ってきて、2人とも家に帰りました。手は手汗でびしょ濡れです! 初日からすごく大変です!もういろいろともちません!誰かぁぁぁぁ!ヘールプッ!!



続くーー。



作者より…

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