第127話 後悔 4

恵一は何故だか背筋が寒くなるのを感じた。


「あいつも…桂壱も知ってるんだ。星弐が岡山を殺す予知夢のことを。俺、桂壱の中で未来をたから」


萌は焦りからなのか、一息にそう告げた。


「それで桂壱けいいち君は僕に事故を起こさせたのか?体を乗っ取ろうと思って」


「わからない。でもそうかもしれない」


「お前と目が合った事を覚えてて、文化祭をきっかけに僕たちにくっついて来て……それで段々お前の力を知って行ったんだとしたら、桂壱君はラジオを聞いて『夢が現実になった』と思っただろうな」


「俺もそう思う」


「二人ともその辺りはどうでも良くない?で、場所は。萌は何処どこに行きたいの。急ぐんでしょ? 」


アレクシの言葉に萌はベッドから腰を上げた。

シンとした部屋にギシリと不安をあおるような音が響く。


「墓場だ。桂壱の。早くしないと星弐が桂壱の後を追って死ぬ」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る