第36話 奇妙な夢 5
上体を起こし、周囲を見渡すと、見慣れた自分の部屋だ。
やはり、先ほど見たものは夢だった。
そうとわかると、頭の中も素早く整理できるというものだ。
萌はぐったりした気持ちながらも京平達を出迎えるため、部屋を出て階段を降りていった。
「お待たせ〜」
玄関を開けるとコンビニ袋を提げたリョウマと京平が立っていた。
ついさっき別れたばかりだが、また二人に会えたことに心底ほっとする。
「お邪魔します」
「お邪魔しま〜す」
二人を二階の自分の部屋に案内すると、リョウマが口を開いた。
「萌、聞いたか?
南ヶ丘はうちの学校のすぐ近くにある高校だ。
「いや、知らない」
「俺も家帰って知ったんだけど、結構若かったぞ。ネットにも載ってるってさ」
京平に差し出されたスマートフォンを覗くとニュースのトップにそれらしい記事が確かにある。
受け取ってページを開いた。
-マンション敷地内に男性遺体
住民が発見。飛び降り自殺か。
10月3日午前5時ころ新宿三丁目の鉄筋10階建てマンションの敷地内で、男性がうつ伏せに倒れているのを、同マンションの会社員男性が発見。119番通報した。
男性は全身を強く打ち死亡しており、警察は遺体の所持品から、死亡したのは神奈川県で教員として働く
現場の状況から新宿署は自殺の可能性が高いとして調査を進めている-
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