偉い蝶④

大きなピンクの蝶も、水色の蝶たちも、そこで初めてお互いの羽の色に気が付きました。


大きなピンクの蝶はニヤリとして、いつものように水色の蝶たちをバカにするように言いました。


「なんだ、汚い羽の奴らか。捕まったの? だっさいね!」


いつもならいじめられた蝶たちは何か言いたそうな顔をしながらも黙ってうつむくはずでした。


しかし、水色の蝶たちは一瞬きょとんとした顔はしましたが、すぐにみんなでかたまってこそこそと何事か小声で話し始めました。


しばらく話すと、水色の蝶たちは大きなピンクの蝶に背を向けて、飼育箱の奥の方に飛んで行ってしまいました。


大きなピンクの蝶はおや、とは思いましたが、その時はそこまで気にしませんでした。

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