第8話 関係の深さから可能な掛け合い
笑点をご存知だろうか。
NHKと落語界が誇る国民的人気番組である。
と断言すると少し語弊があるかもしれないから、少なくとも私個人がそれなりに好きな、NHKで見る数少ない番組の一つだ。
まぁ最近滅多にテレビ見ないんだけど。
先々代司会者圓楽師匠で逝去して何年立っただろうか。長い事仕事に忙殺され忘れ去っていたが、時代は進んだもので、合法なのか知らないが名場面集はニコニコ動画で視聴する事が出来る。
歌丸ジェノサイドで検索だ。
さてすぐ上で上げた歌丸師匠であるが、こちらは先代司会者となる。まだお亡くなりにはなられてないが相応なご高齢故の退陣であろう。
今回のは話はこの歌丸師匠に関する事である。
さてこの歌丸師匠、高齢で更に随分な細身である。よく番組内で死体よろしく扱いを受けている。かの師匠をそのネタでいじくり回すのが当代三遊亭圓楽、旧名楽太郎師匠だ。
ハゲだ死体だゾンビだ死にかけだ、事あるお題で歌丸師匠にブッコミ、歌丸師匠はそれを楽太郎のゲスと返す。笑点の様式美の一つである。
だが近年やっと知る事が出来たのだが、この失礼極まる相手の死すら匂わせるイジりも、両者の関係在りきであった。番組内では コノヤロウ 等と反目し合う不倶戴天とも思える二人であるが、実際は非常に仲がよく、歌丸師匠の懐に深く心酔したとされるエピソードも見る。
そんなエピソードを聞くに当たり、ようやっと私はココロのどこかにあった取っ掛かりを払拭し、素直に笑えるようになったかと思える。
まぁ時既に遅しで、歌丸師匠は勇退されてしまったのだが。
そしてここでようやっと本題である。
キャラのセリフ、掛け合いにもそういった関係と云うのは作用する訳だ。
キャラの過去、信頼度等を伝える事が出来た場合とそうでなかった場合、読む側の印象はどう作用するだろうか。
あるいは只の罵倒が、裏が存在するが故に感動の一文に変わる事があるのかもしれない。
それまでを追って来た物だけが解る、葛藤が、そうして描けるのかもしれない。
そういった意味でも、キャラを立たせる、育てる、他のキャラと交流させるというのも、また物語の一部であり、エッセンス足り得ると考えるのだ。
キャラの足取りが、物語へと昇華するのである。
歩き続ける事、書き続ける事。
それだけで紡がれる物語だってあるのだ。
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