第7話 「」をつける
近況ノートで小ネタを消化するクセが付いたせいで、こうして明文化するのを疎かにしてしまう昨今。
そう思うとツイッターはホンマ魔性やでぇ。
ま、ツイッタでは滅多に呟かないんですけどね。
某ポエムサイトみたく自ら呟かなくてもツイッタには様々な人々の叫びと祈りが渦巻いている。
ウチはそれにそっとクリックを置いていくだけで済む。
しかし問題はポエムらないとウチの心の中のポエマーが衰えていつか衰弱死するかもしれない点。
思った事を文に起こして飾る。響きとリズムを意識して、よりよい表現を模索する。ポエムというか詩、限られた文字数は以外とシビアなのだ。
という脱線。
さて繰り返しになるが私には遠い昔、辺境のファンサイトで師と仰いだ方が居る。あの当時の私では到底敵わない程の文章力と作品に、思わずコメントをしたのが始まりだった。
結局2通程で終わったコンタクトであるが、彼の師が残した言葉は、今も私の心の中に金言として刻まれている。
「格好つけるなオチつけろ」
である。
当時の私は若かった事もあり、物語にヒロイック的な悲壮感を醸し出す事にいっぱいで、心理描写に傾倒したのもこの頃の名残である。
従って物語は比較重い内容を、薄っぺらい文章で綴るというのが当時の私だった訳だ。
要するに酔っていたのである。
私で言えば悲壮感に。
このサイトでもたまに見かけるが、あるものは勇者、英雄に酔っている者も居るだろう。
それの何が悪いって、見えてない事だ。
全体が。
自身が身をもって潰れた事のある者なら理解もしてくれようが、ドハマリしている時は兎角回りが見えない。心がそれを拒否しているかの如く、目の前の事に集中してしまうのだ。
集中は悪い事ではないが、スポーツにおいても過度の集中は厳禁とされる。
不慮事態は起こるものだからだ。そして、
あー、いかん、言葉が思いつかない。多分集中しすぎてトランスで脳が停止してる。
そう、つまり柔軟性を持った臨機応変とでも言おうか、応用が効かないのだ。
私の個人的な体験談であるが、私はプロットを綿密に組み立てる事はしない。つまり大概は行き当たりばったりだ。故にキャラが半ば勝手に物語を紡いでいると言っても半ば過言ではないだろう。
しかしそうしていると当初思い描いていた着地点から大幅にズれる事がままあるのだ。
そこで、昔の私だったらば無理矢理にでも想定した着地点へと軌道修正をかける。そうして物語の論理性に矛盾と穴が大量に生まれて行くわけだ。
比較して今はもう、成るように成れといった心境であるので、むしろプロットを修正する始末である。
まぁこれらは先に行った金言とは無関係に見えて、実はそうでないと考える。
要は「遊び」の問題なのだ。余裕と言い換えてもいいだろう。
「遊び」とは主に工学などで言われ、反応しない部分を指す安全装置の一種だ。クラッチの遊び、と描くとAT主流の時代では通用しないかもしれない。ならばブレーキの遊びと言えば繋がるだろうか。車のブレーキには、ほんの僅かにだが踏んでも効かない深さがあるのだ。足を乗せた程度では発動しない程度、これが遊びと言われる。
また接合部に置いて熱膨張が影響しないように設けられた隙間の事でもある。
つまり少しの事が即ち影響を及ぼさない為の余裕。
上記の脱線で言うならば心の遊びとでも言おうか。
この結論に至るには、言葉を真に受けたとして、果たして物語をオチだらけにすれば良いのかという疑問から始まる。
ギャグ漫画や喜劇であれば、一見してオチの連続であるように感じられる。
しかしオチにはフリが必要で、高度なオチを用いる為には仕込みが居る。その仕込みは例えば世界観であったり、キャラであったり、人間関係の構成であり、そして何よりオーディエンスを惹き込む事が必要である。
これが相手が子供であればあるいは、箸が転がっても笑う年頃とも揶揄されるように単純で下品なモノを出せば解決するかもしれない。
だが大人を相手にするとそう事は単純ではない。
想像して来るからだ。野暮な事に。展開を。
それを打ち破ってオチをオチたらしめねばならぬのだから、さぁ大変だ。
スタンダードなオチであるならば十分に惹きつけねばならない。むしろ読者が望む展開を綺麗に大きく美しく決めねばならぬだろう。
裏をかくならさぁ仕込みだ。ミスリードを誘い、他のキャラで惹きつけ、読者の隙を狙い、むしろ隙を生み出さねばならぬ。
それを、愉しむ部分、という事なのかもしれない、と今はそう考える訳だ。
文章という物語は観測者が居なければ土に生まれたひび割れにも大差ない。観測者を意識する、それが始まり。
自分の中で格好つけても仕方ない、という一応の締め。
まぁ勿論、まだまだ思考の余地はあるのだが、それは私の脳内で。あるいはアナタの脳内で。語り合ってもいいかもしれないが、共通の理解は多分無理じゃないかな。
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