会社の対応と利用者様

関本ちゃんとは良く連絡を取り合っていました。酒田さんのその後の情報も聞いていた。。酒田さんがフロアで介助の助けをしようとした時、内田君が横柄な態度に出て、それを酒田さんが叱責していたとか?「お前なぁ利用者様の前でそういう態度は無いだろう。。これじゃぁそのうち又刺されるぞ!北尾の言うことだって一理あるぞ!」。。しかし、内田君は益々ふくれっ面でその場を去ったそうです。

会社からの今回の一連の出来事の対処も聞いていました。私の事に関わった人たちは利用者様の事もないがしろにする行為に繋がっています。関わったそれぞれ全員に念書を書かせたそうです。今回の出来事に対する謝罪と共に次に同じような事があった場合責任を取って会社を退社いたします。といった念書だそうです。

これは宮本さんから聞いていて、要は君たちに次回は無いよ!という事だそうです。当然今後、よほどの事が無い限り会社での昇進は無いに等しくなるそうです。豊田さんに関しては本人が話をすり替えて認めない以上、どうしようもない。けれど、会社の印象としては限りなく黒に近いグレーという判定、特に事業所の社員の人の経験では彼なら言い出し兼ねないという意見も会社は拾っているそうです。これが黒なら今の社会問題も鑑みて大問題という事になるのですから、今後はこれ以上の出世は無い。。彼に高みは無い。。この会社に居ても意味をなさない立場になったと聞きました。


酒田さんが変わったという事は戻って仕事をした場合、酒田さんだけを押さえておけば私の仕事のしやすさと言う点で環境は随分変わるのだろうかと一瞬思いましたが、これだけ事業所を深刻な状況に追い込んだという点を考えれば、やはり会社に直訴というのは最終手段だったのだと勿論わかってした事ですが、あらためて自覚しました。それに豊田さんとは絶対に上手くはいかないという事もわかっています。勿論恨んでいるからということではありません。その時期は過ぎています。


少し前に関本ちゃんに「どうすんのよ。。これから。。」と聞かれたことがあります。「戻らないよ。本橋君の事業所へ行く。」と答えておきました。。彼女は「もう北尾さんと仕事できないのか~~でも、元気になったら定期的に飲もうね。」と言ってくれました。

私もこれからは彼女とは末永く友人で居たいと思っています。

それに渋谷ののんべい横丁のママが「あの子。。又連れておいで!」って言われたままですから、復帰したら一緒に行きたいと思います。。

ああ。。そういえば。。

一度目の出血の翌日たまたまママから電話があって飲みに行けないと事情を話していて、その後、私の目が最悪な状態だった頃、恩師から電話があった。。あの時、恩師はこちらの職場の事情を知らなかった。。私も話がややこしいのでそのうちに。。と思っていた。「何でだよ!麻衣子。お前さんは苦労ばっかりしているのに、なんだよあの親父~~。麻衣子の邪魔ばっかりしやがって。。」って。。泣いていた。。

全く渋谷に行けなくなっていたので、恩師にも私の今の目の状態を話して安心させないと。。。


五月に入って更に関本ちゃんから聞いたのは、利用者様の事。

「あなたのやるものは脳トレだって体操だって全部私はやりますから。」「あなた今苦労してるでしょ!やめちゃだめよ!」って言ってくれた服部さん。それからリハビリを真剣に頑張っていた園田さん他同じテーブルに座っている方々に私の状況を彼女は聞かれ、それまでの「知らないんです。」だけでは済まない突っ込まれように、「北尾さんは病気が回復したら移動になるかも。。」と苦しまぎれに彼女が言ったのだそうです。

その日、宮本さんが事業所に居たそうですが、

そうしたら、、園田さんが「ちょっと宮本を呼びなさい!」と言って宮本さんがやってくると、「あなたねぇ~病気になったのはあの子のせいじゃないでしょ!こんなに休むほど大病した子に何で新しい事業所に移動させるんですか!ここへ戻ってきた方が彼女だって仕事しやすい筈。あんな吉崎みたいな出来ない奴ばっかりこっちへ送り込んで。。本橋君だってそう。。北尾さんもそう。。あんなに出来る子を何でよそへ追いやるんですか!彼女は病気なのよ。。かわいそうでしょ!移動は許しませんからね。」と言ってくれたそうです。まぁそのテーブルでは、やんややんや宮本さんが叱られていて、宮本さんに後で「余計な事を言ってすみません。」って関本ちゃんは謝ったのだそうです。。


もう、涙が出るほどうれしかった。。私を心配してくださっているんだ。。

そう思うと、私が利用者様を支えているのではなく、私が支えられていたんだといろんな方のお顔が浮かんでは消えた。。

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