考えと思い

ケアマネの城田さんにもこちらの状況を電話で話しました。。

父は水道の使い方に関してやっという事を聞いてくれだしたそうですが、電気の使い方や、そのほか定期購入の解約など様々な場面で混乱するらしく、協力的だったり、しかし、見当識障害も酷く、そんな時は暴言が出たりで困っているようでした。。

それでも私の状況を知った城田さんは「なんとかこっちで頑張ります。」と言ってくださいましたが、入院前に一言、「城田さんのいう事を聞きなさい。」と言っておかなければ。。と思って、父に電話をしてみました。


まず、事情を話すと。。

「愛情の欠落や。目を悪くするんは愛情の欠落なんやで。。あっちの方がうまい事いっとらんからや。。」

私は黙っているしかありませんでした。怒鳴りたくもない、反応もしたくない。

すると。。

「助けてやれなくてごめん。」と言った。。

自分で気づいているのだろうか?

関西弁と標準語のイントネーションの違いを!

{助けてやれなくてごめん。}

随分と上手なセリフのように聞こえた。。


「とにかく入院だからそっちへは行けない。ケアマネさんのいう事を聞くようにね。」とだけ言って切りました。


過去に起きた嫌な場面。泣いたり、叫んだり、痛かったり、とうとう狂ったり、いろんな感情に合わせていろんな場面が蘇り、そこに豊田さんの豹変や、職場で受けた嫌がらせや噂話まで加わり、未だ本当の事を認めない豊田さんの笑い顔までが頭に浮かび、気づくと、我が家が受けた医療の様々な出来事を思い出す。


処方ミスに医療過誤の母。そして死亡。

診断ミスでガンを悪化させた佳代さん。そして死亡。

飼い犬にまで処方ミスがあり、それは助かったけれど、

診断ミスを受けて強い的外れな薬を処方され、危うく寝たきりにされそうになったことがある私。。

全くもって医療には縁の無い一家。。


病名は違えど眼底出血で手術を受けざる得ない母と私。。


本当は大学病院なんて大嫌いなのに、生まれて初めて手術を受けざる得ない私は

あの時の母と同じように失明を免れようとしている。

本当に何の因果なのだろう。。


最後の手術に向かう母の姿を思いだす。。

「生きていられるかなぁ。」と涙声だった母の手を握った。。


今になってあの時の母の気持ちが手に取るように分かる。。

私は自分の両方の手のひらを顔の前に持って来て。

「無念だったでしょう。。」とつぶやいた。。

難波さんと話した時は前向きになれたのに、今日は全くダメ。。


次々沸き起こる思いは考えだけでは変わらない。。

目に悪いとは知っていても、泣き切らないと変わらない。


この日の夜、過呼吸になり、そこを尽きかけていた安定剤を何度か飲んだ。。

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