大学病院の診断

月曜の朝、午前中にかかりつけ医の診断書及び紹介状と本院の方の先生からの診断書を持って大学病院へ向かいました。飛び込みでも数日後に予約を入れていた為、待てば確実にこの日に診察及び検査が受けられるとの事で長い一日の始まりです。


よくある視力検査。から始まりました。眼鏡屋さんなどでやる顕微鏡みたいなのを覗いて、遠くに気球の見えるのを焦点としてする検査と学校などでやっていた片目を隠して見えるかどうかの検査。。この時、私の右目は全く見えていませんでした。昔は両目ともに2.0。昨年の健康診断では左が1.5.右は1.2ありました。左は変わらず。。でも右は判定不能。。瞳孔を開く目薬を差されて、その後、二時間は待たされたでしょうか?やっと順番が来て。私の担当医は助教授の上川という先生になったと知りました。。

まず、かかりつけ医からの画像を見て、「一か月早かったら、元通り治してあげられたのに。病気の始まりはね。。数か月前です。。」と言われました。

この時、え?一週間ちょっと前じゃないの?とかかりつけ医が言った事とどのように違いを理解したらよいのかわからなかったのですが、今、考えるに、この病気。。。一旦視野が欠損するとそれ以上の回復は無いというのが定説で、上川先生のおっしゃったのはまさに病気の始まりであって、かかりつけ医の言った事は閉塞が起きた時期で病気の始まりではないという事で、一週間前と言う判断と数か月前という判断の違いになったようでした。


「数か月前って何か月前ですか?」と聞くと「先生は一年ではない数か月です。。」

「では半年前?」と聞くと「そんなに前じゃない。」「一~二か月前?」と聞くと、「それは短い。」だそうで、整理すると、

この二月二十七日からさかのぼって、三~五か月前。が病気のはじまりであり、閉塞が起きたのがかかりつけ医にかかった二月二十二日からさかのぼって一週間前、で出血が二月二十一日。大量出血が二月二十五日。で、一か月早く来ていたら視野欠損なく治してあげられたという事のようです。

そして、この日の前日の画像はありません。そのうえで先生は私の目を機器を通して見て、「わぁ~~ちょっと待ってください。画像を撮ります。それでないと何も言えない。。申し訳ないけれどもう一度目薬をさします。」とおっしゃって目薬をさされ、待合で待たされました。

一時間程待ったでしょうか?呼ばれて二種類ほどの機器で画像を撮られました。

その後待って、診察室に呼ばれた。

「申し訳ないが、治療のやりようがありません。これだけ出血していたら何もできない。。お気の毒です。」とおっしゃった。

咄嗟に言いました。

「何とかならないのでしょうか?私。。こんな歳ですけれど、やりがいのある仕事をやっと見つけたんです。右目はダメなんですか?何とかならないんですか?」もう、半泣き状態でした。

上川先生は教授と相談するそうで、私にもう一度待合室で待つように言いました。


再び診察室へ呼ばれ、「たった一つ可能性があるとしたら目にガスを入れる手術をして、そのガスは上に上がる性質があって、手術後一週間ほど下向きで寝てもらいます。そうやって血の塊をどかせば治療可能な状態になる可能性があります。ただ、確実ではないけれどどうしますか?」


。。。。やるしかない。。。


入院は一週間~十日。。で、やるとしても諸々検査があります。

この後、血液検査をして、もう一度目薬をさし、今度は血管に薬剤を入れて時間を見計らい、先ほどとは別の機器で検査をしました。絶対に頭を動かしてはいけないそうで、ベルトで固定された上に看護婦さんが更に私の頭を動かさないように押さえつけての何事か?といった検査を受けて、手術可能と判断されたのがすでに夕方遅くになっていました。ギリギリ入院予約には間に合ったのですが、循環器科に行って薬を変えてもらわねばなりません。。入院予約は翌日でも大丈夫なようでしたので、入院までの足りない止血剤を処方してもらって会計を済ませ、急いで今度は循環器科病院へ行きました。

午後七時閉院のギリギリセーフで病院へ駆け込み、事情を話し、再びお薬の変更を申し出ました。

流石に先生も「後、二段階くらいしか強い薬は無い。でも、事情が事情だからね。」と言って入院中の日程分までの処方箋を書いてくださいました。

薬局も滑り込みセーフ。。混んでいて四十分はかかるというので、その間、同じビルに入っているレストランで食事をして、時間を見計らい、薬を受け取りに行き、すぐに飲みました。

それから帰宅。。すでに遅い時間でしたので、宮本さんへの報告は翌日にする事にして、帰ってきた旦那さんに結果を話しました。。

私は努めて明るく話したのですが。。

自室でベッドに入ると。。

母親のかつての病気の事。職場での事。後藤所長とのやり取り、父親の事。そうなってくると昔のこと全部がランダムに頭をかすめては消えて、この日は疲れていたのに、神経がたってしまって中々眠れませんでした。



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