第13話 幕間
私は昔から素直になれなかった。
梶木 翔に恋をしてから更にそれはひどくなっていった。
好きなのに素直になれず、特に気持ちもない同級生と付き合って気を引こうとしてみたりした。
彼は涙ながらに
「僕と結婚してくれるんじゃなかったの?」
と私と当時の彼氏?の前で私に聞いてきた。
彼氏?の方は浮気はダメだよ~とか言って立ち去ったがどうでも良かった。
ただただ彼が私との約束を本当に信じてくれている!
それが嬉しくて愛しくてもう浮気なんかしない!と言いたかった。
でも、私の悪いクセが出た。
彼はもう覚えてないのかもしれないけど私はハッキリ覚えている。
「私の邪魔しないでよ!結婚?バッカじゃないの!?」
紛れもなく当時の私が言い放った言葉だった。
それからも私は彼を見るたびに罵声を浴びせてきた。
内心では大好きで愛おしくてたまらないのに…。
そんなだから、自然と彼は私に関わらなくなった。
当然だ。立場が逆なら私だって関わらない。
中学に上がる頃には目も合わせてくれなくなった。
視界に入りそうになると目を背けてしまう。
私が近くに行くと自然な動きで立ち去る。
最後には私と関係のある人間とすら交流を持たなくなった。
思った。このままじゃ私の初恋は完全に終わる…どうしても仲直りしなきゃ!
ムリだった。
いつも私の天邪鬼が邪魔をして仲直りするどころじゃなかったし、一切真面目に相手をしてくれなくなったから。
でも諦めるなんて絶対に無理、生きていけない。
高校での3年に全てを賭ける…それしかない。
そこからは地獄と言って良かった。
翔が進学する高校を調べたら私の今の学力じゃ厳しい。
必死で勉強を頑張ったし、オシャレにも気を使った。
その甲斐あってか、なんとか同じ高校に進学できた。
同じクラスにもなれた。
困ったのはどうでも良い、顔だけの有象無象が虫みたいに言い寄ってきたこと。
そして、やはり翔と接点が無いということ。
どうしようかと本気で悩んだ結果、妙案を閃いた。
翔といつも一緒にいる高遠君…彼に近づけば一緒に居られる!!!
高遠君には悪いけど。私の恋路の踏み台になってもらいます!
因みに、規格外な美貌の少女が転校してきて猛然と翔にアピールし、翔と付き合い始めたと聞いて膝から崩れ落ちるのはもう少し先の話。
ううぅ…翔ぅ…絶対……諦めないからねっ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます