繊細かつ本格的に作り上げられた創作民俗。読んでいるうちに、ドラゴンが飛び回り水と多肉植物で輝く城壁都市が脳内に浮かんできます。ドラゴンと人間との関係、都市の構造と特徴……よくぞここまで練り上げたものです。作者さまの想像力は素晴らしい!そして、AD時代の遺跡となった姿もまたロマン。世界観好きにはたまりませんね。
発掘隊の遺跡調査記録の形式で綴られる文章を読み進めるうちにこの遺跡が我々の世界の片隅に本当に存在するかのような気分になってくる。調査記録のページをめくる度に竜と生きた人々の日々の喧騒がありありと目の前に蘇ってくるモンタンドローにはかつて人と竜の営みがあったのだ。過ぎ去りし日々の影に思いを馳せながら次のページをめくろう。