第二次侵略攻防戦

第二次侵略攻防戦

 城壁都市の発掘と調査、図書館の資料解読によって日々明らかになっていく都市の姿がある。中でもひときわ研究者が多いのが、都市の存続をかけて他国と戦った「侵略攻防戦」(Deuxième invasion Guerre offensive et défensive)だ。

 研究者を惹きつけるのは、膨大な人の動き、戦争から分かる都市国家の底力、城壁都市のシンボルでもある、あの城壁たちがどのように活用されていたのかを知ることができるからだろう。


 都市では現在分かっているだけでも大きくふたつの戦が行われてきた。

 B.D1500~1200頃?の「第一次侵略攻防戦」、B.D300頃の「第二次侵略攻防戦」である。どちらも地域全体を揺るがす大きな大戦であり、数万単位の兵士が動員された。B.D期の大陸の戦争においては、5本の指に入る大戦争になる。

 城壁都市はそのどちらの防衛戦にも勝利を収め都市の独立を存続させた。負け知らずの都市国家であったのである。その勇姿を図書館に残された資料と遺跡たちが現代の私たちに語りかけてくる。

 こと多くの資料が残されている後者の「第二次侵略攻防戦」について、当時戦争に関与した図書館司書、ドラゴンマスター側衛官2人の記録を引用掲載しながら、戦争の側面を眺めていきたい。

 すべての記録をさらうことができても、当時を生きていた人の思いまで忠実に読み解くことはできない。誰が正義で誰が悪であったのかも、視点を変えれば変わっていくものだと私は思う。


 注目したいのが、城壁都市は長い歴史の中で一切の侵略行為を行わなかったという点である。すべてにおいて「侵略に対する防衛」によって生じた争いとされている。

 二度の防衛大戦に勝ち、大陸でも一目置かれたであろう城壁都市、なぜ滅んだかを知るための秘密が隠されているかもしれない。

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