城壁都市の防城戦
城壁都市の市民兵たちは、主に
侵略に対して防衛をすることを重きに置いた城壁都市得意の籠城戦である。
アトランテス王国軍も、守りに固い城壁都市への攻めについては数々の対策を練って開戦を迎えた。アトランテス王国軍は、破城槌や投石機による外壁の破壊を目的とした攻城兵器の強化の他、長期戦を念頭にいれた築城、水源となるエムロード湖への干渉を試みた事が分かっている。
数々の作戦が検討される中で、もっとも戦火が集中したのは、玄関とも言える城壁都市外壁である。リッシーオワル草原に面し敵と対面する外壁上の戦闘は、
第二次城壁都市侵略攻防戦においては、敵国第一波に対して、城壁都市外壁弓兵5千による一斉掃射が確認されている。
平時より兵役で外壁を守る守備兵の錬度は高く、巨人兵により
彼らが巨人に対して過剰に混乱しなかった理由は、普段から大きなドラゴンと向き合っているためだろう。
アトランテス王国軍は、正門破壊による正攻法を主軸に捉えたが、壁上からの攻防と、
城壁直下に穴やトンネルを掘り侵入と壁の崩壊を誘うため、工作兵が都市外壁下を採掘したが、接触により爆発・有毒ガスを発生させる
死傷者の危険が多い
平野に出て敵と同じ目線で戦う
アトランテス王国軍は過去の城壁都市戦について調べ上げ、ドラゴンの戦力を計算。彼らを足止めするために
第二次侵略攻防戦の
もっとも死傷者を多く出したのが
ドラゴンとは違い長時間滞空する能力や空の上での小回りが利かないことから
市民兵たちは、どの作戦や戦場においても、隊を乱す反乱や撹乱に動じず不屈の精神で立ち向かった。その精神力を支えたのは彼らの友であるドラゴンの存在や、ホームグラウンドである城壁都市本国においての争いであった点が上げられる。
度重なる
研究者間では実質的に総大将としての立場にありながら、自ら戦線に飛び出したことを誤った判断であるとする者もいる。
人間側の指揮官相当のドラゴンマスター・また騎士団・魔法院のトップが健在であったため政治的な問題はなかったのが幸いであった。
最近発掘・分析された側衛官記録を見ると、クラウンミルは氷結王フールスキャップへ「城壁都市の象徴」としての継承を進めていたことが分かってきた。老齢の貴婦人は、最初からこの局面で体を張って都市を守り抜くつもりでいたのかもしれない。
私は絶望の中で、象徴たる彼女が意地と勇気を見せてくれたのだと解釈している。大切な友のために命がけで愛する都市を守りたいと思う気持ちは、彼女が強く心に宿し続けた思いだからだ。
遙か遠い過去となってしまった、たったひとりの彼女の騎手、エムロードのアンゼルを思い続けた日々は、この時のラスト・ダンスで大成したのだと思う。
城壁都市の象徴である
(*1)外壁は城壁都市内を葉脈のようにめぐる水楼閣と比べて、2~3倍の厚さを有していた。巨大な石壁は発掘調査でいくつも確認されているが、巨大さから移動することができず、そのままに残されている。
(*2)アトランテス王国では生者との合成により、死者の蘇生を試みる技術も研究されていたことから、
味方が敵に回ることで精神的打撃をも与えようとしたのだろう。だが実際には味方が死体兵として現れた記録はない。
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