第2回 語感と意味とイメージ
1回と似てますが考えてみてください。
あなたは、人の名前を見て相手の外見や性格を想像したことはありますか?
個人的な話で申し訳ないですが、わかりやすそうな例があります。幼いころ、親戚の電話番号が書き留めてある帳面を見て、「美保さん」という名前が気になっていました。
自分の名前に近いですし、美しいなんて字が入っているのですから、未就学児の脳では清楚なお姉さんが浮かんだものです。
ところが、小学校で「~美」と書いて「~よし」という先生と出会ったうえに、あるとき、年賀状などの整頓で親が話をしていて、あの名前をさして「よしやすさん」と呼んだのです。
「美保さん」は当時既に亡くなっていて会うことはなかったのですが、彼は私から見て祖父に近い年代のおじいさんだったのです。
このとおり、漢字に騙されたり、漢字がいかついと怖い人を想像したり、ザとかツァとかダとかあるとドイツぽいと思ったり、あると思います。
名前を付けるときに考慮しますか? このキャラは優しそうに見せたいからひらがなの名前にしようとか、あのキャラは強そうに見せたいからシンよりはガンとかドンだなとか。この作品の人物名はドイツっぽい名前にしようかイタリアとかフランスにしようかとか、悩みますか?
もちろん、あえてギャップをつけるのも楽しいと思います。年齢不詳のキャラクタが弦衛門て呼ばれててすごく歴戦の剣士みたいだと思ったら、物語が進んで相対し、フードを外したら歴戦だけど少年兵だった!こんな小僧に負けたのかオレは!とか、傲慢なおっさんキャラや油断しきった魔法使いのおじいちゃんにぶつけるとオイシイと思いません?
有名な話だと、『ハリー・ポッター』シリーズの人物名にはいろいろ由来や意味が込められていて、綴りから英語やラテン語で調べると性格や立ち位置などが表現されていることがあるというのがあります。
そこまで頑張らなくてはいけない、ということはないというか、そうそう居ないと思います。まずは主人公や鍵となるキャラから、気負わずにやってみると発見があって楽しいと思います。
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