今日は遊ぼうか


 今日は子供達を従業員達に任せて久しぶりに遊んでこようか。


 うちの孤児院は40人程度の少ない子供達を養ってはいるが人外の身体能力で癇癪を起こされたら大変ということで、あまり俺は休みを入れたことがなかったが今日は一日中遊べる。


 といっても、妖術で分身を作りそいつらに任せることもできるのだが血脈が薄れていても人外ということもあって感づかれる可能性があるということでなかなかに実行できなくていた。


 だが先日、久しぶりに友人が俺に会いに来てくれたということで、サプライズプレゼントでも差し上げようと思い休暇を入れた次第である


 まぁ、相手には気づかせていないのだが……




 なんて、考えているうちに目標を発見、ついでに尾行開始。


 なぜこんなにも簡単に発見できたのかというと暗殺スキルがレベルアップしたことで対象をマーキングすることも可能になったからである。


 暗殺スキル、マジ有能……


 と、自分のスキルを自画自賛してみたが意外と恥ずかしくなってくるな。


 ナルシストの感性がわからん……



 と、まぁ俺の尾行対象は皆さんご存知の日比野由貴さんなんですが外回り中なのか1人であるきまわっていますね


 コミュ能力が高いのだから誰かと一緒に外回りするのでは思ったが、

 誰かと待ち合わせているようだ。


 まあ、警察の服をきていない時点でわかっていたのだが……


 お相手はガールフレンドかな?

 遠くから見た感じ上の中くらいのべっぴんさんだが


 近づいて確かめてみよう。


 こ、この人はっ!?


 羽鳥さんですね。

 わかっていました……

 というより合わせたの俺だし……

 まあわかっていただろうけど……



 どうやって合わせたのかというと、

 まあスキルの力でチョチョイっと

 細工をしたら簡単にできましたよ。


 詳しく話すとーーアドレスを交換していたみたいなので行方不明者についての話があります。と2人に送っただけなんだがな


 どんなことを話しているか近づいてきいて見ましょうか。



「由貴くん、行方不明者についてなにかわかったことでもあるのかしら?」


「え?羽鳥さんが呼び出したものですから羽鳥さんの方から話があると思ってきたのですが……」


「なにをいっているの?呼び出したのは貴方じゃ?……携帯を貸してもらえるかしら?」


「あ、うん。どうぞ」


「どれどれ、……なるほどね」


「なにかわかった?」


「いいえ、勘違いしてたみたい。

 行方不明者についてはなしがあるのは本当だからカフェにでも行かない?」


「うん、わかった」




 カラン、コロンーー


「良い雰囲気のカフェだね」


「ええ、わたしの行きつけのカフェよ。なにを注文する?」


「カフェラテかな」


「そう。じゃあわたしはカフェモカで」


「承りました」



 カラン、コロンーー


「……おや、この前の刑事さん」


「あ、孤児院の方。先日はお世話になりました」


「いえいえ。行方不明者についてはなにかわかったことがありましたか?

 周辺で誰かが誘拐されるなんて怖いですから聞きたくて……」


「大丈夫ですよ。

 相席しますか?」


「良いのですか?デート中だと思ったのですが」


「えっ!?違いますよ。えっと、古い友人みたいなものです。

 羽鳥さんもいいですか?」


「別にいいわよ。一般人の意見も聞きたいと思っていたとことだから」


「では失礼して。あ、あとわたしの名前は鈴木と申します」


「僕は日比野由貴です。よろしくお願いします」


「羽鳥よ。よろしく」


 うんうん。一般人だと思われているようだ。よかったよかった


「それじゃあ、そろそろ話を始めるけどいいかしら?」


「大丈夫ですよ」


「どうぞ」


「まず始めに言うけど誘拐された人に一切の統一性がないことから愉快犯だと思われているけど完全に証拠がないことから犯人は相当やり手の誘拐犯が殺人犯だと思われるわ」


 妥当だな


「でもね、今言ったように完全に証拠がないことから犯人の特定は今の所不可能よ」


「えっ」


「でもね、2つほど証拠になり得るかもしれないものがあるのよ」


「それはいったい?」


「約10年前にあった高校の教師が焼死したことと、新宿で起きた爆破事件よ」


「ああ、あれは衝撃的でしたね」


「その犯人は同じだと羽鳥さんは思うのですか?」


「ええ、間違い無いと思っているわ!」


「それまたなぜ?」


「それはね」


 ゴクリッーー


「勘よ!」


「……勘ですか」


「ええ。信じて無いでしょうけど昔から私の感はよく当たるのよ」


「はぁ、」


「しかもね、爆破事件では明らかに死亡者が少なかったのよ。まるで誘拐されかのように消えていて死体が数人分しか残っていなかった」


「!?」


「だからね加害者ついてじゃなくて被害者について調べて見たのよ」


「なるほど」


「それで、最近知ったのだけど高校の教師や爆破事件にあった人の死体を調べて見たら普通の人とは違う微弱な電波らしきものを観測できたの」


「それで?」


「……それだけよ」


「ええー」


「で、でもね被害者の統一性がなかったわけじゃないでしょう?」


「それはそうですけど……」


「なかなかに面白い話でしたけどわたしにはあまり理解できなかったので、

 そろそろお暇させてもらいますね」


「あ、わかりました」


「大変そうですが、犯人探しがんばってください」


「ええ、ありがとう」


「ではまた次の機会に」


「?」



 カラン、コロンーー



 ヒントを与えたとはいえ羽鳥さんは中々するどいな。


 特定できるようにがんばってもらいたいなぁ。楽しそうだ


 久しぶりに友人と話せてよかった。




 ……頃合いかな

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