閑話
「どうしたものか……」
行方不明者続出に加えて新宿での爆発事件、さらには息子の学校で教師の突然な焼死……
「わからないことが多すぎる。
何故、短期間でこんなにも行方不明者がでるというんだ。
新宿の爆発事件では見つかった死体はたったの数十人程度だというし、
教師の方もまったくわからん」
不確定要素すらもなく、完全にお手上げ状態の事件だがどうもこれだけに終わらない気がする。
「だがなぁー、防犯カメラも爆発に巻き込まれてその時の瞬間はわからないし誰がやったのかもいっさいわからないし、単なるテロ活動だとしても
統一性がなさすぎる」
「更には息子のこともあるからな」
息子の友達が家族ごと全員行方不明になった。
目の前で教師が死んだらしいというのにあまり動じなかった息子があんなに
取り乱すとは……
「このまま行けば東京オリンピックは中止になりそうだな。
スランプ氏にも『日本は平和ボケしすぎている』とか言われても仕方ない」
どうしたものか……
「お父さん。今大丈夫?」
「あ、ああもうそろそろひと休憩いれようと思っていたところだ」
「急な話で驚くかもしれないけどさ、
僕……警察官になりたいんだ」
「……そうか。お前がそういうなら親として応援しよう」
「ありがとう、お父さん。
それでさ……何か事件のことでわかったことがある?」
「今のところわかったことは非常に少ない……。いや無いといってもいい」
「そっか。なら僕も将来それに携わることができるかな」
「できるさ。お前ならきっとな」
「うん。ありがとう」
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「まさか先生の焼死に加えて次郎君が行方不明になるとはねぇ」
昨日、学校で話し合った人が次の日にはいなくなっていた。なんてどこの創作物語よ。
「でも、残念ね。
昔から価値観が変わってるって言われ続けていたけど、初めて賛同してくれる人に会ったっていうのに」
まぁ、それよりも最近面白いことが幾多も起こってるわね。
大量に人が行方不明に……
集団失踪でもないらしいしいったい
どんな目的があって犯人はこんなことをしてるのかしら
「高校を卒業しても解明されていなかったら私が解き明かしてみようかしら。楽しくなってきたわね」
……そういえば由貴君は大丈夫かしら?友達って言っていたけど復讐的なものに駆り出されないといいけど
人が死のうが興味をそそられないっていうのに人の心配は一応私にもできたのね……
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「奴の手掛かりは何か見つかったのか?」
「未だ不明のままです。おそらくは魔女ではないという点も考えた方が」
「魔女ではない?魔法を使った形跡が残っていたのだろう?」
「そうなのですが、現代において魔女があんな行動を取る必要性がまったく理解できません」
「魔女なんぞの考えることなど
誰にもわからんだろう。
魔女以外に魔法が使えるとしたら大問題だしな」
「確かにそうですが、あの付近に魔女らしき気配など……」
「気配でも消す魔法を使ったのではないか?俺の仕事じゃないからわからんが魔女の探索は引き続き任せたぞ。
俺は少し出掛ける」
「了解しました」
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