ボーナスステージ


「こちらストーカー。尾行は順調だ。

 応答願う……巫山戯ふざけてる場合じゃないな」


 まぁ、間違ったことなんて1つも言ってないんですけどね。


 由貴(男)とのデートが終わった後、魔法少女を尾行。

 ……字面にすると相当やばいな


「それじゃ、人も防犯カメラも無いようだしそろそろ行くか」


 そーっと、そーっと……

 そして後ろから、一気に


 口を押さえる!

「んっ⁉︎」

 そして一瞬でスタンガンを

「ンンウヴゥゥーー!」


「ミッションコンプリートゥ、

 なんてね。てか、スタンガン有能すぎるな(笑)」


 そんじゃあ、運びますか……






 とある廃工場にて


「はっ!え?……ここ何処?私、映画見終わって帰ろうとしてたのに……」


「どうも。魔法少女さん」


 あ、魔法少女って口に出すの意外と恥ずかしいな。

 それに加えて目隠しされ、両手両足を縛られた状態の美少女……

 下腹部がぞわぞわしてきた。


「だれっ!? それより……なんで、私が魔法を使えるって知ってるの?」


「ん?もう少し隠すと思ったんだが、

 ブラフだとは思わなかったのか?」


「わ、わたしを誘拐して、そんな断定したような口調で喋られたら、

 もうバレてるんだなって思って……」


「なるほど。……聞きたいことがあってな、魔法を使うにはどんなことを成せばいい?」


「あ、あなたっ!魔法を使いたいって言うの⁉︎」


「そんなに驚くことか?魔法なんて超常の力、誰でも憧れると思うが?」


「あなた、魔法を覚える方法を知らないのね。やめておいたほうがいいわよ。いろいろな機関から狙われるようになるから」


「機関から狙われる?妄想の類か?」


「それなら良かったんだけどね。

 国が派遣した本物の機関よ」


「何故、そんなものが?」


 ていうか、機関て厨二病が舞い戻ってくるからやめて欲しいんだが……

 魔法とかある時点で手遅れだったか…


「当たり前でしょう?科学が発展して、そのお陰で安定した世の中が成り立っているのだから、魔法なんて非科学的な存在が介入なんてしたら

 恐ろしいことになるわよ?」


「確かにな。なら何故、お前は魔法なんてものを覚えたんだ?」


「仕方ないでしょう。遺伝なのよ。呪われた血族なの。大昔に断罪者と呼ばれた一族のね」


 なにそれかっこいい。

 ……とは思っても口には出さないようにしないとな。なんかシリアスな雰囲気だし


「ふむ、続けろ」


「可笑しな人ね。こんなことを知りたいなんて。まぁ、続けるけど断罪者と呼ばれる一族はね、その名の通り罪を犯した人を処刑する権利のある一族だったのよ」


「色々な断罪の仕方があったそうよ。

 木に括り付けて火炙りにしたり、

 足に重りを付けさせて海に沈めたり、

 森に全裸で放置して自然に還したり、

 他にも色々あったそうだけど私はしらないわ」


「そしてね、その一族は特殊な力があったのよ。

 火を使って人を断罪した者は火を操る力を……

 水を使って人を断罪した者は水を操る力を……

 自然の力を使って人を断罪した者は

 自然を操る力を……」


「そして、そういった力は遺伝するのよ。それでね、年が過ぎるにつれて、

 そういった断罪の仕方が疎まれるようになってね。

 国から消されるようになってしまったのよ。そして、何故かわからないけど

 その特殊な力は女性に遺伝しやすかったの」


「もう分かったと思うけどそれが、命を狙われる理由。昔は魔女狩りとか呼ばれてたらしいわよ」


「……なるぼどな。実に分かりやすかったよ」


 意外と俺の予想が当たっていたな。

 やはり殺し方に意味があったのか


「それで、わたしをどうするの?」


「最後に聞きたいことが。

 何故俺を機関の人間だと思わなかったんだ?」


「簡単よ。機関は魔法を使えるって人間を発見したら、即殺すのが当たり前らしいからね。わたしが生きている時点でその線はないと思ったのよ。

 逆に聞きたいのだけど何故わたしが魔法を使えるって分かったの?」


「それを答える必要はないな。

 それに……お前には此処で死んでもらうからな」


 この台詞、話を聞いている最中にすっごい考えてたんだよなー。

 言えてよかった


「な、なんで⁈聞かれたことは全部話したでしょう!」


「経験値の肥やしになってもらうだけだ」


 チャプン、チャプン…

 キュッキュッ、

 ジャバジャバジャバーーー


 ……誤解のないようにいうが、ガソリンを掛けているだけだ。


「な、なにをしてるの!やめて‼︎」


「此処には誰もこないよ。

 さようなら……エロース(笑)よ」


「その名前を呼ぶなあアァァーー!!

 熱いイィィ!!だれかぁぁーー」


「あ、すっごい臭い。

 本で見たことあるけど、人を焼いた匂いって本当に臭いな。それにうるさい」



 数分後


「お、消えていく」



〈ててててってー〉

〈ててててってー〉

〈ててててってー〉


「おぉっ!一気に流れたな」



 どれどれ


 ステータス

 name:田中次郎

 age:15 sex:男


 cond:健康


 Lv:5

 EXP: 33 NXT: 14


 MP: 32/32


 身体能力 :14

 器用 :13

 知恵 :15

 容姿 :10

 才能 :13

 話術 :5

 etc...


 LUC: 普通


 スキル (スキルポイント : 6 )

 ステータス確認(詳細)

 隠密lv.2



「レベル5か、一気に3つ上がったな。ん?スキルポイントの計算が合わないが……まぁ、多くて困ることなんてないだろう」


「しかし、あれだな。魔法少女は

 メタル系の奴らと同等と考えて良さそうだな」



 俺も魔女狩りやってみようかな……




「まあ、その前にスキル選ばないとだな」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る