入学式に○○を卒業してみる
「憂鬱だ」
自分のクラスに行き、クラスメイト全員の自己紹介が始まった。
そんなことに対して何が憂鬱だというのか。と、言いたいだろうがコミュ症にとって、初めてみる人たちに対して自己紹介など、地獄でしかない。
人とは第一印象で今後の付き合い方がガラリと変わるものだからなぁ。
そして、遂に俺の自己紹介が始まった。
「初めまして、田中次郎です。
よろしくお願いします…」
あぁ、やってしまった。
コミュ症には何通りかの場合があるが、俺の場合は緊張している時は口数が極端に少なくなり、ほとんど喋ることができなくなってしまう。
俺のを
初対面でやってしまうと間違いなく嫌われる。「なんだあいつ?」と思われてしまう。
実際に今の状況がそうだ。
一人の自己紹介が終わったら拍手がなるというのに、俺の場合は先生が少し拍手してくれるくらいでしかない。
「ハアァー」
溜息がでる。
「初めまして、日比野由貴です。
これから1年間よろしくお願いします。仲良くしてねっ」
可愛らしい顔付きだけど、男か…。
社交性も高そうだし、ああ云うやつが友達多いんだよな。
「羨ましい」
おっと、羨望の声が漏れてしまった。
まぁ、ボッチとは関係ないことだな。
そういえば、ステータス確認は他人にも使えたよな、試してみるか。
ブゥン
ステータス
name:日比野由貴
age:15 sex:男
cond:健康
MP:0/0
身体能力 :3
器用 :8
知恵 :12
容姿 :15
才能 :10
話術 :59
etc...
LUC: 高
(獲得可能EXP1 )
ほー、本当に男だな。アニメとか漫画では男装した女子が、後々主人公にバレてなんやかんやあって、惚れる的な内容になるのだが…
まぁ、ありえないよな。
所詮は創作物でしかないんだから。
ってか、話術たかっ!
59とか俺のと比べたら……
おっと、目から汗が…
そんなことより、獲得可能EXPだよなぁ。日比野くんを殺せば経験値が1 入るってことだよな。
つまりは最初のレベルアップには3人殺さないといけないってことかな…
んー、なかなかにハードだな。
それに加えて一般人にはレベルの概念がないみたいだな。(適当にクラスメイトのステータスを見た)
存在の格は誰にでも上げられるって、訳ではないっぽいな
まぁ、上げられたら世の中殺人鬼で溢れかえっちゃうかもしれないからなぁ。当然といえば当然か。
考察している間に自己紹介が終わったみたいだ。先生の挨拶があったがけど
興味がなかったので割愛。
「誰にしようかな」
帰宅した俺は、支度した後、外出した。
そして今、俺は--誰を殺ろうか迷っていた。
出来るだけ良心が痛まないように、不良やDQNを中心にして探し回っていた。
そして遂に
「なにしてるんだ?」
コンビニで屯していた不良らしき人達に話しかけた。
「あ?だれだおまえ」
「こんなやつ呼んだか?」
「ちょっとこっち来いよ」
あ、意外と怖くないわ。
典型的すぎる不良でなんか安心した。
しかも、ぴったり3人。
一気に殺れるか?
そして、行き着いた先が……
「何処ここ?」
「ここはなぁ、前まで工場やってたんだが潰れてな。俺たちの集会所にしてるんだよ」
「まぁ3人しか、いねぇけどな」
「いいから、有り金全部出せや」
しっかり答えてくれるあたり根はいい奴なのかな?と、思わなくもないけど
今は関係ない
スッ
バチッバチバチッ
「ぎゃあゎぁあ!!」
《え?》
不良2人が間抜けな声を出した。
その隙に
「ぐわぁぁっッ!」
「ぁぁぁあッッッ!!」
「……スタンガンって本当に気絶するんだな」
そう、俺が持ってきていたのはスタンガン。何故そんな物を持っているのかというと
「スタンガンって自衛の為に持つのは禁止されてないからな。普通にア○ゾンで売ってるし」
さてと、経験値にしますか。
「頸動脈を切れば死ぬよな」
持ってきていた包丁で頸動脈をゆっくり切った。
「なんていうか、頸動脈ってゴボウみたいな感じだな。結構簡単に切れたし」
あとの2人も殺り終わり……
「別になんともないな。ドラマとかだとショックで吐いたりとかしてたのになぁ……。まぁ、なんとなくそんな気はしてたけども。てか、これで殺人童貞卒業だな」
そして、死体が音もなく消えていった
〈ててててってー〉
「うぉっ⁉︎ レベルアップか。なんか聞いたことのある音だな」
ドラ○エかな?
……寒気が
「確認するか」
ブゥン
ステータス
name:田中次郎
age:15 sex:男
cond:健康
Lv:2
EXP:3NXT:5
MP:4/4
身体能力 :8
器用 :7
知恵 :10
容姿 :8
才能 :13
話術 :3
etc...
LUC: 普通
スキル (スキルポイント :1 )
ステータス確認(詳細)
「正直そんなに上がってないな。
1番上がったのが器用か」
おそらく、EXP獲得時に使ったステータスが大きく上昇するのだろう。
身体能力は多分殴り殺せば、
器用は今みたいに丁寧?に殺せば、
知恵は多分罠などを使って殺せば、
容姿は……色仕掛け?使いたくないな。
才能は多分上がらないんじゃないか?
話術は……無理だな。うん
「それで、今回1番気になるのが」
(スキルポイント:1 )
「スキルか……。夢があるな。どうやって使うんだ?」
獲得可能スキル一覧(必要ポイント)
暗殺: 1
隠密: 1
一撃必殺: 1
短剣術: 1
「4つか。意外と少ないな。これもEXP獲得時にやったことが影響されるのか……。どんなスキルなんだ?」
暗殺: 人を殺す際に多少の補正が掛かる。(常時)
隠密: 気配が小さくなり、足音や吐息、様々なことに補正がかかる。
(受動)
一撃必殺: 急所に当てやすくなる。
(常時)
短剣術: 短剣使用時、補正がかかる。
(常時)
「暗殺は限定的だが、隠密はいつでも使えるのか。一撃必殺は曖昧すぎてよくわからん。短剣術は包丁なのにいいのか? まぁ、メイン武器が短剣と決まった訳じゃないから省くか」
この中で1番メリットがありそうなのが隠密かな。
それよりも、スキルがゲームでいったらアサシンみたいなやつばっかりだな。
「まぁ、普通に考えて隠密だな」
【隠密を獲得しますか?Yes/ No】
脳内に平坦で無機質な声が流れた。
「Yesだ」
【隠密を獲得しました】
ブゥン
ステータス
name:田中次郎
age:15 sex:男
cond:健康
Lv:2
EXP:3NXT:5
MP:4/4
身体能力 :8
器用 :7
知恵 :10
容姿 :8
才能 :13
話術 :3
etc...
LUC: 普通
スキル (スキルポイント : 0 )
ステータス確認(詳細)
隠密lv.1
「スキルにもレベルがあるのか。
MAXにしたら誰にも気付かれなくなるとかかな……。覗き放題になるな」
何がとは言わんぜよ。
「一応使ってみるか、〈隠密〉」
おっ、ちょうどいいところに雀が。
「そーっと、そーっと」
……この能力凄いぞ。いつもなら近くに行くとすぐに飛んで行くのに、
飛び立つ気配すらない。
「〈解除〉」
パタパタパタッ
近くにいた鳥が
たった今気づいたかのように飛び立っていった。
「これは使えるな」
……覗きに
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