第4片 様子がおかしい!?
「えっ? 駿くんの意識が戻ったんですかっ!?」
事故があってから一週間後、駿くんのお母さんから電話で連絡があった。今しがた、駿くんが意識を取り戻したそうだ。受け答えもハッキリできるみたい。ようやくこれでひとまず安心と、私は胸を撫で下ろした。
ちなみに彼は数日前から呼吸や血圧などが安定していて、すでに一般の病室へ移されている。だから今日の面会時間から話をすることができるらしい。
当然、私は全ての予定を放り出して、駿くんの病室へ飛んでいった。
――いよいよ駿くんと面会する。
病室のドアの前に立ち、私は緊張しながらノックをして中へ入った。
視線の先には、こっちを真っ直ぐ見ている駿くんの姿。上半身を起き上がらせ、パチクリと瞬きをしている。
あの澄んだ瞳、匂い、雰囲気、驚いた時に唇を噛むクセ――
精悍でカッコイイ顔つきは包帯で一部が隠れてしまっているけど、彼は間違いなく駿くんだ。幼いころから隣で見続けてきたんだもん、人違いなんてするわけがないよ。
意識が戻ったのを実感して、なんだか瞳が潤んでくる……。
「駿くん、私のこと分かるよね?」
私は必死に嬉し涙を堪えながら、ゆっくり駿くんに歩み寄っていく!
すると次の瞬間――
「
駿くんは敵意に満ちた目で私を睨み付け、窓ガラスが震えるほどの大声で怒鳴った。そして奥歯を噛みしめ、体は怒りに震えている。
その迫力と威圧感に、私は思わず肩をビクッと震わせて立ちすくんでしまった。
これはいったい……どういうことなの……? わけが分からない……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます