第3話
3
翌日。
オレとカホは、いつも別々に登校してるけど。
今日ばかりは、一緒に学校へ来た。
教室に入る瞬間が、一番緊張した……。けど。
何ごとも無い、いつもの様子に感じられる。
(ウチのクラスじゃなかったのかな?)
(いや。まだ、わかんねーぞ)
カホと、こそこそ話す。
心配だけど。
フツーに、HRが始まった。
もし、先生たちに知られたら……。
出席停止ぐらい、喰らいそうだ。
いや。
動画も見つかったら、えらい騒ぎになるのも、目に見えてる。
震えが、いろんな意味で走るよ。
油断した、オレたち。
いやいや、オレが。
一番、責められるべきだろう。
カホは絶対に、守らないといけない。
提案したのは、オレなんだから。
悪いのは、オレだ。
もし、誰かが拡散したら。
ぜってーに許さねえ。
授業中・休み時間・放課後。
なにも起きなかった。
その方が、嵐の前みたいで。
余計にびくつく。
冷や汗が流れるよ。
帰りも、カホと一緒にした。
方向はバラバラだけど、オレは彼氏だからな。
務めってモンだろ。
「なにも、起きなかったね」
「ああ。でもまだ、わからないけどな」
「不吉なこと言わないでよ」
「それもそうだけど」
だけど、無事にカホの家の前まで来た。
難しい言葉を使っちゃうと、杞憂ってやつか?
「じゃな」
「うん、ばいばい」
オレも帰路についた。
でも、あれだけのことをやっておいて……。
本当に、もう大丈夫なのか?
思いは乱れる。
仕方がないよな。
今は、もう。
嵐が来ないことを祈るしか無いんだ。
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