第20話
俺は、浴室から出て、服を着てると、台所に向かい、オムライスをレンジで温め直していた。
電子レンジの前で反芻する、町田さんの身体を…全てを見てしまった。
町田さんの身体…それは筋肉質で無駄な贅肉がなく、彫刻のモデルの様だった。恐らく学生時代スポーツをしていたのであろう、前にそんな話をしていたのを覚えている。
そして…下半身。
あのまま、町田さんが嘘だよと言わなかったら?俺がコンマ何秒、町田さんがストップをかける前に手を伸ばしていたら?
展開は変わっていた?
そして俺は、現実となった結果と違う展開を期待していた?
触りたかった…そして…町田さんの違う表情を見てみたかった。今迄歴代付き合ってきたであろう、恋人に見せてきた、同じ表情を…嫌、一番嫌らしい顔を、俺だって見たいんだ。
自分は今迄こういう行為には淡泊な人間なんだと思っていた。まさか、自分にも卑猥な部分でこんな熱くなる瞬間があったなんて。
俺はなんだかモヤモヤした…もう一度浴室へ行きたい気持ちを持ちながらも、その切っ掛けを掴めずに、夕食の準備をしていた。
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