第18話
「ただいまー。」
今日もきっかりPM7:00パブロフの犬こと町田徹は家に着いていた。
「おかえりなさい。」
安健は玄関先迄出迎えてくれた。
「お風呂炊けてますけど、先に入りますか?」
これはもうイメプレ開始のゴングだろう…大丈夫か、安健…恋愛経験も余り無いのにイメプレなんて上級者的な事、出来るのか?
一抹の不安を残しながら俺はお風呂に入る事を了承した。
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風呂に入って湯船に浸かっていると、早速トントンっ風呂場のドアを叩かれた。
「背中流してもいいですか?」
「ああ、頼むよ。」
何だか、新人の風俗嬢に接客されてるみたいだ
、ドキドキ半分、心配半分。
「失礼しまーす。」
そうやって入って来た安健は何故かパンイチの姿だった。恥ずかしそうにモジモジする安健。
その姿は華奢で色白く、体毛が薄く、すね毛も少ない。透き通る様な半裸であった。
う、目のやり場に困る。
溜まらず、俺が誘導した。
「あ、背中流してくれる?」
「はい。」
そう言うと、安健は風呂場に置いてあるスポンジに少しお湯を掛けて、ボディソープを付け、泡立て始めた。
シャカシャカシャカ…
風呂場にはスポンジとボディソープが擦れる音だけ響いている。
この沈黙が余計町田の心臓を高鳴らせた…こらからどうなってしまうのだろう、イメプレと言っても、俺は男だぞ。何処まで自制出来るのか…
少しすると、ゆっくりとスポンジで背中を擦された。一日働いた疲れた身体に気持ちのいい感触である。町田の身体には後ろ姿からでも体育会系だと分かる、三角筋がしっかりと程よく筋肉が付いていた。
「凄い筋肉…」安健が呟く。
イメプレの話の向けたのは町田からだった。
「小説って、高校教師と生徒の話だっけ?調子どう?」
「はい、生徒がどうアタックするか今バリエーションを何パターンか考えてる所で…」
「じゃあ、こういうのはどう?先生の家に勉強会と称して生徒が訪ねてくるんだ。まあ、本当に勉強はするんだけどさ…時間外に勉強教えてくれたお礼に、先生の背中を生徒が流すって言うのは?」
「いいですね!」
「じゃあ、安田君、今日、勉強頑張ったね。背中流してくれる?」
「…はい、先生。」
「先生?背中、気持ちいい?痛くない?」
安健の声が急に色っぽくなった。こいつ、天性の才能があるんじゃ…そう思いながら「ああ、丁度いい力加減だよ。」そう答えた。
「先生、すっごい筋肉だね…モテるでしょ?」
「そんな、モテないよ…」
「嘘だ…だって俺には凄くモテてるもんっ」
「ははは、駄目だよ大人をからかっちゃ。」
「からかってないよ…俺…先生の事を考えると…身体がおかしくなるんだ…男同士なのに…先生…前の方も洗っていい?」
暫し沈黙の後…
「…いいよ。」俺はそう言った。
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