第15話

「付き合ってください」



安健に確かにそう言われた。



その部分はまあいい。



でも、「まともな小説が書けるまで」



みたいな事行ってなかったか?




昨日は思ってもいなかった唐突すぎる提案に、余りの衝撃を覚え考えておくとだけ言って自室に籠った。



でも、その混乱は今も冷めず、一夜の明けた仕事中の今ですら、頭から離れない始末である。




「まともな小説が書けるまで」って書ける様になったら、お払い箱って事かよ?



うーん。




しかし、期間限定とは言え、恐らくバージンのあの安健、透き通るように色白で、睫毛が長くて、指が綺麗で、モデル並みに手足が長く、…安健を例え出したら、誉め言葉ばかりの羅列が続いてしまう程、魅力的な男性として一片の隙がない…




そんな彼を一時でも自分の物に出来るなんて…




俺は果たして喜んでいいんだろうか?



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