第12話

2丁目通りを二人、肩を寄せ合い手を繋いであるいている。端から見れば二人はどう見ても情事前の、これからホテルにでも向かうであろうカップルに見える。



「町田さん、何か、恥ずかしいです、照れます。」顔を赤くして安健が言う。



「いや、まだ、こうしてた方がいい。悪かったな、一人にして。」



安全そうな店だから大丈夫だと思ったのだが、安健のこの容姿だ、ゲイならほっとかないんだろう。




俺だって、1度自分の職場に客として来た安健をなんだかんだ言い訳つけて、家へ連れ帰ったんだから。




ちっ、あの長髪。安健に触りやがって。






まぁ、俺はあの長髪と違って、焦らずじっくり派だけど。



なんか、久し振りに火付いたかも…手を握っている、手のひらから安健の熱を感じながら、町田は心のなかで呟いていた。



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