第3話
改めて、接客用のテーブルに彼を通し、話を聞く事にする。
「どんな物件をお捜しですか?」
「安ければ、安いほど」
「希望のお住まいの地域は?」
「一応、都内で、よろしくお願いします。」
「ご希望の金額の上限はありますか?」
「さ、3万位じゃないですかね…」
少し言いにくそうに、彼は言った。
「そうですね、都内となりますと、その条件では、少し難しいかと思うんですが…もっと郊外を考えられた方が…」
「失礼ですが、学生さん?それとも、お仕事は何をされているんですか?」
そうすると彼は口を開いた。
名前は安田健、23歳。彼いわく売れないBL小説家らしい。BLとは実績を確認するために、書籍化実績のある出版社を確認したので判明したのだが。1週間前迄、彼女と、シェアしていたがうだつの上がらない彼に愛想が尽きて振られてしまったらしい。
ふーむ。
俺は思考する。
これは最良の物件ではないか?
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