(モノローグ5)

 はあぁ。

 ようやく私の順番が終わりました。


 終盤ではお恥ずかしいところを見せてしまいましたね。申し訳ありませんでした。

 ですが、あれはあくまでも例外です。普段のきちんとした勤務態度を見ていただければ、おわかりいただけるかと思います。おわかり、いただいていますよね?


 さて、ここでは基本的に他愛も無い話をするようですので、私も前例にならうことに致します。


 丸井さんも労働組合についてあの『長文メール』の中で書いてくれましたが、そもそも労働組合の法律上の定義というのは、非常にシンプルなものです。

 実際に作ろうと思えば誰にでも作れますし、役所への届け出なども実は必要ありません。

(不当労働行為について申立てなどをする際には労働委員会による資格審査などが必要になりますが。)

 そして、どんな労働組合であろうが、法律で決まっている権利は保証されています。

 つまり、誰にでも作れるにもかかわらず、法律の擁護を受けることができるわけです。優遇されてますよね。


 ですが、そんな権限を利用した酷い労働組合も、実際にはあります。


 委員長が独裁的に運営している労働組合。

 組合費の不正使用が発覚した労働組合。

 何の主張も無く会社に反発するだけの労働組合。

 会社の言いなりになっているだけの労働組合。


 労務担当者の研修のなかで、様々な組合の話を聞きました。

 ですが、幸い私の会社の労働組合は、上手く機能している組合だと思います。身内贔屓びいきではなく、純粋にそう思います。


 組合も結局は人の集合体です。

 それを構成する人によって、いくらでも変わります。

 そして、それは会社もきっと同じです。


 どんな立派な会社でも、どんな大きな団体でも、結局は人なんだな、と。

 丸井さんや、一ノ瀬さんを見て、本当にそう思いました。

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